コーチング心理士とキャリアコンサルタントの違い コーチング心理学を学ぶ意義とは?


よくお問い合わせがある内容ですが、コーチング心理士とキャリアコンサルタントの違いについて紹介します。
また、キャリアコンサルタント、キャリアカウンセラーの方がコーチング心理学、ポジティブ心理学を学ぶメリットについても紹介します。
| 項目 | コーチング心理士 | キャリアコンサルタント |
|---|---|---|
| 主な役割 | クライアントの自己認識を深め、成長を促進するサポートを行う | クライアントのキャリアに関する問題解決やアドバイスを行う |
| アプローチ | 心理学に基づいた自己探索、自己成長、行動変容を促進するアプローチ メンタルトレーニング、ポジティブ心理学、スポーツ心理学、社会心理学、学習心理学、認知心理学(神経心理学も含む)、教育心理学、臨床心理学、産業・組織心理学、行動経済学などを活用。また、各種心理療法を活用する。 |
職業選択や転職に関する専門的な知識を活用し、解決策を提供する。心理学は限定的で基礎知識程度、キャリア関係の法律など学べる。 |
| 焦点 | クライアントの心理的な成長やモチベーションの向上 ポジティブなメンタルヘルスにも対応 スポーツ心理学、認知心理学(脳科学)、教育心理学、学習心理学、臨床心理学なども活用 組織や業務の成長、発展に従事 リーダーシップ・チームビルディング、人間関係の向上 自己認識、主体性、自己決定感、自己効力感、自尊感情の向上 |
主に個人のキャリアに関連した問題解決、職業選択や転職支援に焦点を当てる。
主にキャリア関連と心理学と法律の知識。組織に対する支援は限定的。 |
| 資格 | コーチング心理学、ポジティブ心理学に基づく資格が必要(例:コーチング心理士) 更新制ではなく、単位による積み上げ式 |
国家資格が必要(例:キャリアコンサルタント資格)
資格更新が必要(5年ごと) |
| 対象者 | 個人の成長やキャリアにおいて自己認識を高めたいと考える人 | 転職を考えている人、キャリアの問題を抱える人 |
| 手法 | 質問を通じて自己発見を促し、行動計画の実行をサポートする | 専門的なアドバイスや職業診断を通じて、適切な進路を提供する |
| 専門領域 | 心理学や行動科学に基づく成長支援 | キャリアの選択、転職支援、就職活動のアドバイス |
| 成果の測定 | クライアントの自己成長や自己認識の向上を通じて測定される | 主に個人のキャリアの問題解決や適切な職業選択における成果として測定される |
教育心理学など幅広い知識を活用している点が特徴です。
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キャリアコンサルタントがコーチング心理学を学ぶメリット
この記事を記載している執筆者は、キャリアコンサルタントの資格を持っていますが、以下の点でメリットがあります。
キャリアコンサルタントがコーチング心理学を学ぶメリットは、クライアントに対する支援の幅を広げ、より深い理解と効果的なサポートを提供するために役立ちます。
コーチング心理学を学ぶことで得られる具体的なメリットに付いて紹介。個人の成長から社会的インパクトまで、幅広く応用できるのが特徴です。
🧠 コーチング心理学の習得によるメリット一覧
| 項目 | 概要・内容 | 習得によるメリット |
|---|---|---|
| 日常生活の目標達成・成長支援 | WOOP,GROWなどのフレームワークを活用し、目標設定と行動計画を明確化。 | 自己実現力が高まり、達成感や自己効力感が向上 |
| クライアントの自己認識の促進 | 質問技法やリフレクションを通じて内省を促す | 自分の価値観・強みに気づき、納得感ある意思決定が可能に |
| 脳の活性化・認知症対策 | ポジティブ感情や意味づけによる脳の可塑性への刺激 | 認知機能の維持・向上、前向きな生活習慣の形成に寄与 |
| 日常生活への心理療法の応用 | 認知行動療法やマインドフルネスの要素を取り入れたコーチング | ストレス対処や感情調整がしやすくなり、生活の質が向上 |
| メンタルトレーニング | 自己対話・イメージトレーニング・呼吸法などを活用 | パフォーマンス向上や本番での集中力強化に効果的 |
| ウェルビーイングの向上 | ポジティブ心理学の知見を活用し、感謝・意味・関係性などを強化 | 幸福感・満足感が高まり、レジリエンスも向上 |
| コミュニケーション能力向上支援 | 傾聴・共感・フィードバックの技術を体系的に学ぶ | 対人関係の質が向上し、信頼関係を築きやすくなる |
| 非認知能力の向上 | 自己制御・やり抜く力・協調性などを育む支援 | 子どもから大人まで、社会的成功に必要な力を高める |
| 心理学・神経学的な支援 | 脳科学や行動科学の知見をベースにした支援が可能 | 科学的根拠に基づいたアプローチで信頼性が高まる |
| 行動変容・習慣化の促進 | 小さな成功体験の積み重ねと報酬設計による行動支援 | 継続的な変化を生み出し、自己管理能力が向上 |
| モチベーションの向上 | 内発的動機づけを重視し、意味や目的を明確化 | 自律的な行動が促され、燃え尽きにくくなる |
| 社会的・組織的改革 | 組織開発やリーダーシップ開発に応用可能 | 心理的安全性の高い職場づくりやダイバーシティ推進に貢献 |
| エンゲージメントの向上 | 対話を通じて「自分ごと化」を促進 | 組織への貢献意欲や主体性が高まり、離職率の低下にもつながる |
| 心理的資本の向上 | 希望・楽観・レジリエンス・自己効力感を育む | 困難にしなやかに対応できる“折れない心”を育成 |
| ポジティブ心理学の活用 | 強み・感謝・意味・フローなどの要素を活用 | 幸福感やパフォーマンスの向上に直結しやすい |
| 肯定的なアセスメント支援 | 問題ではなく「強み」や「可能性」に焦点を当てた評価 | クライアントの自己肯定感を高め、前向きな行動を引き出す |
キャリアコンサルタントがmコーチング心理学を習得する具体的なメリットとは?
| 領域・スキル | メリット・効果 | 関連心理学/理論 | 応用シーン |
|---|---|---|---|
| 1. 対話・質問力の向上 | 探求的な質問・傾聴・ラポール形成ができ、深い信頼関係を築ける | 教育心理学:省察的対話社会心理学:ラポール理論 | ●ビジネス面談・1on1 ●営業でのヒアリング ●子どもの気持ちを引き出す育児場面 ●教育支援 |
| 2. 営業力(影響力)の向上 | 相手の価値観・動機に寄り添った提案ができ、押しつけずに行動を促せる | 社会心理学、認知心理学、意思決定理論 | ●顧客ニーズの引き出しと信頼構築 ●クロージング場面での納得感のある対話 |
| 3. 交渉力の強化 | 「Win-Win思考」や感情調整による建設的な交渉が可能になる | コーチング心理学:GROWモデル社会心理学:協調的交渉理論 | ●人事交渉、案件調整、クレーム対応 ●家庭内での意見のすり合わせ |
| 4. 自己効力感の育成 | 「やってみよう」と思える内的な動機づけを高める支援ができる | バンデューラの自己効力感理論 | ●キャリアの選択支援●子どもの成功体験を積ませる関わり |
| 5. 習慣形成・継続支援 | 小さな成功体験を重ねることで行動を定着させられる(TOTEモデル、実行機能) | 認知心理学:行動変容の支援、強化理論、習慣化の支援 | ●営業でのPDCA強化 ●子どもに片付け・学習習慣をつける支援 |
| 6. 感情マネジメント | 自他の感情を認識・調整することで、冷静で効果的な支援・対話ができる | 社会心理学:情動制御スポーツ心理学:セルフトーク | ●営業・交渉時のプレッシャー対処 ●子どもが感情的になったときの落ち着いた対応 |
| 7. 子育て支援力の向上 | 子どもの可能性・強みに目を向けた関わりができ、叱るよりも励ます支援に変化する | 教育心理学:自己決定理論ポジティブ心理学:強み育成 | ●子どもの非認知能力を育てる ●発達障害の支援 |
| 8. 多様な価値観の理解 | 自分とは異なる立場・文化・価値観への共感的理解が深まる | 社会心理学:ステレオタイプ理論・自己認知バイアス | ●多様な部下・クライアントへの対応力強化 ●家庭内での世代間ギャップの理解 |
| 9. 支援者自身のレジリエンス強化 | 支援者自身の自己理解と感情調整力が高まり、ストレス耐性と継続的支援力が養われる | 教育心理学:内省力、マインドフルネスポジティブ心理学 | ●支援職のバーンアウト防止 ●家族・職場でのイライラや感情の波に飲まれにくくなる |
コーチング心理学では、ポジティブ心理学を活用しているため、以下のメリットがあります。

ポジティブ心理学を学ぶことで、キャリアコンサルタントはクライアントの精神的な健康を支えながら、ポジティブな職業生活を実現するための支援を提供できるようになります。
| メリット | 説明 |
|---|---|
| クライアントの強みを活用する | ポジティブ心理学を活用して、クライアントの強みや資源を再発見し、それをキャリアに活かせるよう支援。 |
| 自己効力感の向上 | 自分の能力を信じる力(自己効力感)を高めることで、クライアントが自信を持ち、積極的に行動できるようにサポート。 |
| ポジティブな感情の活用 | 幸福感や感謝の気持ち、喜びを引き出し、クライアントがポジティブな感情を通じてキャリアの選択肢を広げられるように支援。 |
| キャリアの満足度向上 | ポジティブ心理学の理論に基づき、クライアントのキャリア満足度や仕事の意味感を高める手法を提供。 |
| レジリエンスの強化 | クライアントが仕事のストレスや困難に立ち向かうためのレジリエンス(回復力)を高め、持続可能なキャリアを築く手助け。 |
| 社会的なつながりの強化 | ポジティブ心理学の視点から、職場での人間関係や社会的なつながりを強化する方法を提案。 |
| 幸福感を向上させるキャリア設計 | 幸福感や満足感を高めるためのキャリア設計を支援し、クライアントがより充実した職業生活を送るための道筋を示す。 |
| 目標設定と達成の支援 | ポジティブ心理学の目標設定理論を応用して、クライアントが達成感を得ながら目標を達成できるようサポート。 |
投稿者プロフィール

- 徳吉陽河(とくよしようが)は、コーチング心理学研究会・コーチング心理学協会の創設者の一人であり、日本・世界のおけるコーチング心理学のパイオニア。コーチング心理士、公認心理師・キャリアコンサルタント、認定心理士(心理調査)、ポジティブ心理療法士、として教育・医療・福祉・産業分野で活動する専門家。東北大学大学院博士後期課程で研究し、国際コーチング心理学会、国際ポジティブ心理学会など、世界で学び、研究を発表。教育プログラム、心理尺度開発なども専門としている。著書に『ポジティブ大全』『科学的に正しい脳を活かす「問いのコツ」 結果を出す人はどんな質問をしているのか?』『ナラティヴ・セラピー BOOK』、『コーチング心理学ガイドブック』『コーチング心理学ハンドブック』などの翻訳書などがあり、科学的なエビデンスと物語(ナラティブ)に基づくコーチングとウェルビーイング教育を推進している。累計4000名のコーチ、カウンセリング実績」(ワークショップを含む)、「累計6000回以上のセミナー実績」以上の実績がある。国土交通省 航空保安大学講師、元東北文化学園大学講師、元仙台医療センター看護学校講師、元若者サポートセンター講師など。教育機関、海外・国外の法人企業などで講師を担当実績がある。学校法人・企業法人・医療法人(リハビリ)など、主に管理職に関わる講師を数多く担当。座右の銘は、「我以外皆我師」、失敗・挫折もたくさんしており、「万事塞翁が馬」大切にしている。「自己肯定感が低いからこそ成長できる」ことを大切にしている。
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