コーチングでビジネスパーソンを育成!コーチングの歴史やポイント
コーチングとは、相手の話をきちんと聞いて、観察したり質問をしたりしながら、場合によっては提案などを実施して、相手が内面に保有している結論を引き出すような、目標達成や人材育成のための双方向のコミュニケーション手法です。
この記事では、資格取得のサポートやセミナーなどを行う一般社団法人コーチング心理学協会が、ビジネスの場でコーチングが求められる背景や歴史、活用するシーンやポイントを解説します。
目次
ビジネスの場におけるコーチングって?その歴史も解説
ビジネスの場では、管理職やリーダーなどの上司が、一方的に指導をすることをコーチングだと思っている方が多いかもしれません。しかし、コーチングとはそうした一方向の「教え」などではなく、あくまで対象者の自主性を促して問題解決を図る方法です。
なぜ、コーチングがビジネスの場で求められているのでしょうか。ここではその背景や、コーチングの歴史について解説します。
ビジネスの場でコーチングが求められる背景
ビジネスの場でコーチングが重視されている理由には、以下の2点が考えられます。
社員の自律性を高めるため
管理職などの上司からの指示を待ってから動くような社員では、会社から評価を得られにくいといえます。自分で考えて自律的に行動できる能動的な社員が、ビジネスの場においては求められています。
しかし、一方で若手社員や新入社員の中には、自分自身の頭で考えて責任を持って仕事に臨みたいと考えていても、どうすればいいかわからないという方も少なくありません。そこで、上司は部下やリーダーへコーチングを行い、考えや意見、価値観などを把握し、その人が気づいていない点や新しい視点などを気づかせる必要があります。
コーチングを通して、「目標を達成するために何が足りないのか」「目標を達成するためにどうすればいいのか」などを自ら考えられようになると、自律的な行動ができる社員に近づいたといえるのです。このように、コーチングは人材育成の手法としてよく用いられています。
管理職や上司の育成のため
ビジネスの場でコーチの役割を担うのが、管理職や上司といわれる立場の方です。しかし、後輩・部下・新入社員の自主性や責任感を育てるのは簡単ではありません。昔ながらの一方的・命令的な教育や指示では、多くの後輩や部下は積極的にコミュニケーションを図ろうとはしないでしょう。場合によっては、パワハラだといわれたり指示を無視したりするケースもあるので注意しなければなりません。
ビジネス環境が変化している現在では、ビジネスの場における質の高いコミュニケーションが重要です。ベテランであれ新入社員であれ、お互いの理解を深めて明確な意思疎通を行うことが必要なのです。そのためには、指示や命令ではなく、本人の意思や価値観を重視するコーチングの手法を活用した教育が有効といえます。
ビジネスでも人気のコーチングの歴史とは?
日本の人材育成やリーダー教育でも活用されるようになったコーチングという手法は、いつどのような経緯で誕生したのでしょうか。
ここでは、コーチングの歴史について解説します。
指導者がコーチと呼ばれるようになったきっかけ
1840年代に入ると、イギリスのオックスフォード大学で学生の受験を指導する個人的な教師のことを「コーチ」と呼ぶようになりました。また、スポーツの分野でコーチという言葉が使用されるようになったのは1880年代に入ってからで、ボート競技の指導者がコーチと呼ばれていました。
ビジネス分野で使われるようになった経緯
「コーチ」という言葉がビジネス分野で使われるようになったのは、1950年代にハーバード大学のマイルズ・メイス(Myles Mace)助教授が「The Growth and Development of Executives」という自身の著書で、「マネジメントにはコーチングが重要」と記載したことがきっかけになりました。その後、1980年代に入るとコーチングに関連した様々な書物が登場します。
日本におけるコーチング
日本においては、コーチ・エィ(当時の企業名はコーチ・トゥエンティワン)が1997年に日本で初めてのコーチ養成機関として、体系的・体験的にコーチングを学習できる「CTP(コーチ・トレーニング・プログラム)」というサービスの提供をスタートさせました。
現在の日本では、コーチングは組織マネジメントにおける人材開発手法として認知度がアップしており、多数の企業や組織が新入社員の人材育成やリーダー育成、風土改革などを目的として、コーチングを導入・活用しています。
また、企業における人材育成のみならず、教育関係や医療関係、専門職や士業など様々な領域で独自に活用されています。
ビジネスの場でコーチングを活用!シーンやポイントを解説
コーチングは様々な領域で活用されています。では、ビジネスの場では具体的にどのようなシーンで活用するのでしょうか。
ここでは、ビジネスの場におけるコーチングの活用シーンと、上手に活用するためのポイントを解説します。
ビジネスの場でコーチングを使うとき
コーチングは様々な分野で活用される手法です。特に、ビジネスにおいては様々なシーンで活用されているのです。
ビジネスシーンでコーチングが使われる具体的なシーンとして、以下のような例が挙げられます。
コーチングスキルの習得やコーチの育成
社員へコーチングスキルを習得してもらうために、講師による研修を行う企業も多くなっています。また、外部から講師を呼ぶのではなく、コーチングを専門に行う企業内コーチを育成する場合もあります。企業内コーチがいれば、上司と部下という間柄では扱いにくい課題も対応することができるため、注目されているのです。
エグゼクティブコーチング
エグゼクティブコーチングとは、社員ではなく経営者や上位の管理職など、企業においてリーダーといえる立場の人物に向けたコーチングです。企業によってはリーダーの意思が業績などに影響する場合もあるため、一社員とは異なる内容のコーチングが必要になります。
企業においては、新入社員・リーダー・管理職など、立場問わずコーチングを活用することができます。それぞれの立場やシーンに合わせて、適切にコーチングを活用するようにしましょう。
コーチングをビジネスの場に!ポイント
コーチングの重要性を理解している企業も増えてきましたが、実際に上手に活用できている企業は少なくないようです。ここでは、ビジネスの場でコーチングを上手に活用するためのポイントについて解説します。
現状を把握する
管理職がコーチングの手順を確認することと、現状を正しく把握することが重要なポイントです。まずはコーチングする相手の現在の状況や考えていることなどに関して確認を実施して散在している情報を整理しましょう。このときには、何をしないほうがよいのか、という点にも配慮することが大切です。
現状認識のヒアリングなどでは、相手が尊重されている、という気持ちになるような聞き方が重要です。一方的に自分の考えを押し付けるようではコーチングとは呼べません。また、何でも相手の言うことに同調するのではなく、事実なのか個人的な思い込みなのか、といった点を整理しながら情報を収集することが重要なポイントです。
ゴールを明確化する
ここでいう「ゴール」とは、相手が望んでいる状態・理想としている状態のことです。ゴールの明確化によって相手はモチベーションを向上させることが可能になります。ただし、ゴールの明確化では、管理職(コーチ)側はあまり主張しないことが重要です。コーチが望んでいる状態に誘導するようなことは避けましょう。
課題を明確化する
課題を明確にするためには、現状と望んでいる状況とのギャップ(課題)を分析して、そのギャップを解消するために何をすればいのか検討することが大切です。現状分析、理想像の設定、ギャップ分析などを実施するのに何も資格はいりません。ただし、手順の進め方などの基本は、資格を有しているコーチから学ぶことがおすすめです。
明らかになった課題を解消するために、管理職やコーチングに関する資格を有するコーチがサポートすることも重要なポイントになります。
ポイントを押さえたコーチングを学びたい、社内研修で講師の派遣を依頼したいという場合は、一般社団法人コーチング心理学協会へお問い合わせください。
ビジネスにコーチングを活用するなら!講師派遣や資格取得も
コーチングは、現在では多くの企業や組織において様々な分野で活用されています。しかし、コーチングをビジネスの場で上手に活用するためには、コーチングの資格を有する講師などから学ぶことが大切です。
ポイントを意識してコーチングを取り入れることで、個人の育成のみならず組織全体の活性化も期待できるでしょう。
コーチングを学びたいという方は、ぜひ一般社団法人コーチング心理学協会へお問い合わせください。新入社員向けの人材育成、管理職やリーダー向けの社内研修を行う場合、講師の派遣もいたします。セミナーなども開催しているので、ぜひご参加ください。
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