ひとことで言うと

傾聴力とは、相手の話を関心をもって「聴く」ことで、相手が自分の考えを整理し、気づきを得るのを促す力です。コーチングでは「話す」より「聴く」割合のほうが大きく、すべての技法の土台になります。傾聴は知識ではなく、練習で身につく技術です。一般社団法人コーチング心理学協会では、心理学にもとづく傾聴・質問・承認を、ワークショップで体験しながら学べます。民間資格ですが、新しい研究を先取りする専門性と信頼性があり、国家資格と組み合わせるとシナジーが生まれるおすすめの学び方です。
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そもそもコーチングとは

「コーチ(coach)」は、1500年代には「馬車」を意味する言葉でした。「乗る人を目的地まで送り届ける」という意味から、やがて「人の目標達成を支える」という意味で「コーチング」が使われるようになりました。

コーチングは、一般に次の4つの流れで進みます。

  1. 目標を確かめる:何を実現したいのかをはっきりさせる
  2. 現状と目標の差を知る:いまの状態と、目標までの距離を確かめる
  3. 方法を洗い出す:差をうめる方法を、できるだけ具体的に挙げる
  4. 行動計画を立てる:いつ・何をするかを時系列で決める

この4つの流れのすべてで、コーチは相手の話を聴きながら進めます。傾聴が土台と言われるのはこのためです。

コーチングとコンサルティングの違い

  コーチング コンサルティング
前提 答えは相手の中にある 答えは専門家が持っている
提供するもの 答えに気づく「きっかけ」 解決策という「答え」そのもの
向いている場面 人の成長、主体性、長く続く変化 すぐに答えが必要な専門的課題

どちらが優れているということではなく、場面に合わせて使い分けることが大切です。

傾聴力を高める3つのポイント

ポイント やり方 職場での例
① 話し終わるまで待つ 途中でさえぎらず、話し終えてからひと呼吸おいて返す 部下の報告に結論を急がず、最後まで聴いてから「ほかに気になっていることはありますか?」
② 相づち・うなずき 黙っているだけでなく、関心をもって聴いていることを伝える 「なるほど」「それで?」と短く返し、相手の言葉をくり返す
③ 言葉以外を見逃さない 表情、声の調子、しぐさにも気持ちは表れる 「大丈夫です」と言いながら表情が曇っていたら、「少し気がかりがありそうですね」と受け止める

傾聴に、質問(考えを深める問いかけ)、承認(努力や強みを言葉にして伝える)、フィードバック(相手の成長につながる伝え方)が加わると、対話の力は大きく伸びます。対人支援職の方は傾聴が得意な一方で、日本では質問・承認・フィードバックの技法を体系的に学ぶ機会が十分でない傾向があります。

研究からわかっていること(やさしく言うと)

わかったこと:職場での「聴く」ことに関する研究をまとめたレビューでは、上司や同僚に「よく聴いてもらえた」と感じた人ほど、心理的に安心して話せる、考えが整理される、防衛的にならずに自分を振り返れる、関係や仕事への満足が高まる、といった傾向が報告されています(Kluger & Itzchakov, 2022)。

限界:多くは実験室や短期間の研究で、相関を示すものも含まれます。「聴けば必ず成果が上がる」とまでは言えず、効果の大きさも状況によって変わります。

教訓:大切なのは、聴き手が「聴いたつもり」になることではなく、話し手が「聴いてもらえた」と感じられることです。

現場での活かし方:1on1の最初の5分は、助言をせずに聴くことだけに集中する。最後に「今日いちばん話せてよかったことは何ですか?」と尋ね、相手が聴いてもらえたと感じたかを確かめます。

なぜ企業でコーチング研修が求められているのか

  • 課題が多様になった:一人ひとりが抱える課題が多様になり、上司が答えを示すだけでは対応しきれなくなっています。相手の考えを聴いて整理を促すコーチングは、多様な課題に対応しやすい方法です。
  • 人材の育成と定着:対話を通じて能力とやる気を伸ばすことは、育成だけでなく、優秀な人材の定着にもつながります。
  • 経験から学ぶ力:仕事の経験を振り返り、自分で学び続ける力を育てるうえでも、聴いてもらえる場が役立ちます。

研修は、管理職の1on1、新入社員の育成、チームの対話づくりなど、目的に合わせて設計できます。法人の方は法人・団体向けコーチング研修と研修の選び方をご覧ください。

傾聴を体験しながら学ぶなら

一般社団法人コーチング心理学協会のコーチング心理学基礎講座®では、傾聴・質問・承認の心理学を、ロールプレイで練習しながら身につけます。続くフィードバックスキルコーチ®では、承認と伝え方を深めます。この2つはコーチング心理士®の必修講座で、1講座から受講できます。

協会は、国際的な機関・研究者と連携し『コーチング心理学ガイドブック』を監訳してきた専門性と権威性を土台に、海外の方法を日本の職場や暮らしに合わせるアダプティブ/ナラティヴ・アプローチを大切にしています。落とさない・潰さない方針で、再受講やフォローアップで学び直せます。

よくある質問

Q. 傾聴は、生まれつきの性格で決まりますか?
A. いいえ。傾聴は練習で身につく技術です。ポイントを知ったうえで、ロールプレイや日常の会話でくり返し練習すると上達します。

Q. 傾聴とカウンセリングの「聴く」は同じですか?
A. 土台は共通しています。コーチングでは、聴いたうえで目標や行動に向けた質問・承認につなげる点が特徴です。

Q. 研修は何人から依頼できますか?
A. 内容や人数に合わせて設計しています。詳しくは法人・団体向けページからご相談ください。

「聴く」は、今日から練習できます

協会は「すべての人に心理学に基づいたコーチング・カウンセリングのマインドと技術を」を掲げています。はじめての方も、これまで学んできた方も、自分のペースで学べます。

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心に聴く、心に響く、心に効く。

このページの監修

監修:一般社団法人コーチング心理学協会(Coaching Psychology Center for Japan)。国際性と信頼性にもとづくエビデンスを、日常と仕事で使える実践に落とし込み、イラストや図を使って科学的な内容もわかりやすくお伝えしています。協会概要/お問い合わせ

関連ページ・関連サイト

参考文献:Kluger, A. N., & Itzchakov, G. (2022). The power of listening at work. Annual Review of Organizational Psychology and Organizational Behavior, 9, 121–146.


投稿者プロフィール

一般社団法人コーチング心理学協会事務局
一般社団法人コーチング心理学協会事務局


専門監修:一般社団法人コーチング心理学協会
公式:https://www.coaching-psych.com/
イベント:https://www.coaching-psych.com/event/


対人支援のプロフェッショナルを育む、ウェルビーイング向上を目指す、エビデンス・ナラティヴなど科学的・学術的なアプローチベースの実践機関。


一般社団法人コーチング心理学協会とは、心理学を学術的な基盤に、エビデンス(科学)・ナラティヴ(物語)・アダプティブ(適応)を重視して、コーチングを専門的実践として普及・発展させる日本の専門機関です。『コーチング心理学ガイドブック』(北大路書房、2023年)の監訳に携わり、これまでに1万人以上が講座を受講しています。

【協会概要】
コーチングを単なるスキルやテクニックとしてではなく、心理学という学術的基盤、ナラティヴ(物語)に根差した専門的実践(Professional Practice)として捉え、その普及と発展を目指す専門機関。認知行動療法、解決志向アプローチ、ナラティヴ・セラピー、ポジティブ心理学といった信頼性の高い心理学理論をコーチングに応用し、質の高い対話を通じて人々の成長と問題解決を支援する専門家の育成に注力しています。これまで、1万人以上の方に受講頂いている実績がある。学校法人、企業法人など幅広い層に対してい研修会、ワークショップを実施している。


【ミッションとビジョン】
ミッション: コーチング心理学に基づくエビデンスベース(科学的根拠に基づく)のアプローチを社会に普及させ、対人支援の専門性を高めること。
ビジョン: 一人ひとりが質の高い対話の力を身につけ、個人、組織、そして社会全体のウェルビーイングと成長に貢献できる世界を創造する。


【主な活動内容】
資格認定講座の開催: 専門性と実践力を証明する独自の認定資格講座を体系的に提供。
専門ワークショップの実施: 特定のテーマ(ナラティヴ、認知行動など)を深く掘り下げる、実践的なワークショップを随時開催。
書籍の出版・監修: 『コーチング心理学ハンドブック』など、専門知識を社会に広めるための出版活動。
法人・団体向け研修: 企業や教育機関、医療・福祉施設など、各組織のニーズに合わせた専門的な対話力・コーチング研修を企画・提供。


■ 活動の方針
・「知っている」だけでなく、実際に「できる」専門家を育てます。
・技法の習得にとどまらず、聴く・問う・承認する・伝えるといった人間性のスキルを磨きます。
・参加型・対話型の講座で、自分の考えをアウトプットし、参加者同士で気づきを深めます。
・「落とさない・潰さない」を大切にし、再受講制度やフォローアップで、挫折しない/させない学びを支えます。
・すべての人に、コーチングやカウンセリングのマインドと技術を持ってもらうことを目指しています。

■ ビジョン
一人ひとりが質の高い対話の力を身につけ、個人、組織、そして社会全体のウェルビーイングと成長に貢献できる世界を創造すること。

■ 合言葉
心に聴く、心に響く、心に効く

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