コーチング・成長支援
コーチング心理学
健康な人の目標達成・学習・パフォーマンス・自己実現を、心理学の理論と研究にもとづいて支援する領域です。
事例:昇格したばかりの管理職が、面談の進め方に迷っている。目標設定と振り返りの対話を重ねるうちに、自分で次の行動を決められるようになる。
国際・世界で学ぶ 心理学とコーチング
コーチング心理学、ポジティブ心理学、産業・組織心理学から、認知行動療法、REBT、解決志向、ナラティヴ、パーソナリティ・社会心理学の基礎研究まで。世界の25の学会・専門職団体・研修機関を、7つの分野の「路線図」と相性診断で探せます。
ひとことで言うと
コーチングと心理支援の国際学会は、「コーチング・成長支援(ISCP)」「強み・ウェルビーイング(IPPA)」「仕事・組織(SCP・SIOP・IAAP)」「認知・行動(WCCBT・ACBS・REBT団体)」「解決・物語・関係性(SFBTA・ダルウィッチ・センター)」「感情・心理療法研究(SPR・SEPI)」「人と関係の基礎研究(SPSP・EASP・EAPP)」の7分野に整理でき、目的(論文・大会・研修・交流)によって使い分けるのが近道です。
日本語で心理学にもとづくコーチングを学ぶなら、国際的な機関・研究者と連携した監修・監訳の実績と独自研究にもとづく専門性と信頼性をもつ一般社団法人コーチング心理学協会の認定講座(民間資格ながら新しい内容を先取りし、国家資格との組み合わせでシナジーを生む)がおすすめです。
「国際学会」とひとまとめに呼ばれがちですが、組織の種類によって得られるものが違います。種類を知っておくと、「論文を読みたいのに研修機関ばかり調べていた」といった遠回りを防げます。
| 種類 | 主な役割 | 得られるもの | このガイドの例 |
|---|---|---|---|
| 国際的な学会・専門職団体 | 複数の国の研究者・実践者の交流、研究の共有、専門性の水準づくり | 学術誌、国際大会、会員ネットワーク、認定基準 | ISCP、IPPA、IAAP、ACBS、SPR |
| 国・地域の学会/学会部門 | 特定の国や地域の制度・研究コミュニティのなかでの活動 | その国の専門職制度と結びついた情報、地域大会 | SCP(APA第13部門)、SIOP、EAWOP、BPS DCP、SPSP、EASP、EAPP |
| 団体連合 | 各地域の団体をつなぐ上位組織 | 世界大会、国際的な連携の情報 | WCCBT |
| 研修・研究機関 | 特定のアプローチの教育・臨床・出版 | 体系的な研修、認定、読みもの | アルバート・エリス研究所、ダルウィッチ・センター |
会員であることと、認定資格を持っていることは別です。会員区分と認定の名称は区別して扱いましょう。
路線は探しやすくするための分類で、理論の厳密な系統分類ではありません。実際には、解決志向を取り入れたコーチングや、ACTを使った職場のウェルビーイング支援のように、複数の路線にまたがる実践が数多くあります。
コーチング心理学
健康な人の目標達成・学習・パフォーマンス・自己実現を、心理学の理論と研究にもとづいて支援する領域です。
事例:昇格したばかりの管理職が、面談の進め方に迷っている。目標設定と振り返りの対話を重ねるうちに、自分で次の行動を決められるようになる。
ポジティブ心理学
強み・ポジティブ感情・意味・関係性など、人がよく生きるための条件を科学的に研究し、教育・職場・健康に応用する領域です。
事例:学校で「できていないこと」の指導ばかりが続き、学級の雰囲気が重い。強みを見つけ合う活動を取り入れると、互いを認める発言が増える。
産業・組織心理学/コンサルティング心理学
採用・評価・リーダーシップ・チーム・組織変革など、職場の課題に心理学を応用する領域です。個人・チーム・組織の3つの水準を扱います。
事例:部署間の対立で改善提案が止まっている。調査データでチームの状態を見える化し、リーダー向けのコーチングと組み合わせて話し合いの場をつくる。
認知行動療法(CBT)・REBT・ACT
考え方(認知)・感情・行動のつながりを整理し、構造化された技法で変化を促す領域です。REBTや、受容と価値を重視するACTも含みます。
事例:プレゼンの前に「失敗したら終わりだ」と考えて眠れない。その考えを検討し、小さな発表で試す行動実験を重ねると、不安が扱える大きさになる。
解決志向アプローチ・ナラティヴセラピー・家族療法
問題の原因探しより、すでにある解決や本人の語り、人と人の関係のなかにある資源に焦点を当てる対話的な領域です。
事例:不登校の相談で原因探しが続き、家族が疲れている。うまくいった日の「例外」を尋ねると、家族が今日からできる工夫が見つかる。
主な団体:SFBTA、EBTA、Dulwich Centre、IFTA
感情焦点化療法・スキーマ療法・心理療法統合・心理療法研究
感情の体験を深く扱うアプローチ、複数の学派の統合、そして「心理療法はなぜ・どのように効くのか」を問う研究の領域です。
事例:技法を学んでも面接がうまくいかない理由が分からない。治療同盟(支援者との協働関係)に関する研究を読み、関係づくりの振り返りを始める。
パーソナリティ心理学・社会心理学
性格・自己・動機づけ・態度・対人関係など、人の心と関係のしくみそのものを実験や調査で解明する基礎研究の領域です。応用分野で使われる理論の多くがここで生まれます。
事例:部下の「やる気が続かない」に手を打ちたいが、根拠が経験則しかない。動機づけの研究を読み、自律性・有能感・関係性を支える関わりに切り替えると、働きかけの狙いが説明できるようになる。
各カードの「テーマ・学術誌・最初の一歩」を開くと、読むべき資料と始め方が分かります。会員条件・大会日程・会費は変わりやすいため、必ず公式サイトで確認してください。
ISCP
International Society for Coaching Psychology
コーチング心理学の理論・研究・実践の発展を目的とする国際的な専門職会員団体です。世界各地に名誉副会長を置き、学術誌の発行や国際会議の開催、講座の認定などに取り組んでいます。
BPS DCP
British Psychological Society, Division of Coaching Psychology
英国心理学会(BPS)のなかでコーチング心理学を扱う部門です。心理学の専門職団体の枠組みのなかで、コーチング心理学の実践基準や研究発信に関わっています。
IPPA
International Positive Psychology Association
ポジティブ心理学の科学的研究と、その倫理的で効果的な応用を推進する国際団体です。研究者と実践者が交流する世界大会を開き、分野横断のネットワークを提供しています。
ENPP
European Network for Positive Psychology
欧州の研究者・実践者をつなぐポジティブ心理学のネットワークです。欧州ポジティブ心理学会議(ECPP)の開催を通じて、研究と実践の交流を進めています。
SCP
Society of Consulting Psychology(APA Division 13)
個人・チーム・組織への心理学の応用を扱う、米国心理学会(APA)の第13部門です。エグゼクティブ・コーチング、リーダー開発、組織コンサルティングなどの実践と研究をつないでいます。
SIOP
Society for Industrial and Organizational Psychology
職場における心理学の科学と実践を扱う学会です。採用・評価・研修・リーダーシップ・ウェルビーイングなど、人と組織に関わる幅広いテーマを研究と実務の両面から扱います。
IAAP
International Association of Applied Psychology
心理学の応用を国際的に推進する、歴史の長い国際団体です。多数の部門があり、第1部門(Work and Organizational Psychology)が仕事と組織の心理学を扱います。
EAWOP
European Association of Work and Organizational Psychology
欧州の産業・組織心理学の研究者と実務家をつなぐ学会です。隔年の大会や若手研究者の支援を通じ、研究と実践の橋渡しに取り組んでいます。
WCCBT
World Confederation of Cognitive and Behavioural Therapies
世界各地域の認知行動療法の団体が加わる連合組織です。認知行動療法の研究・研修・普及の国際的な連携を進め、世界大会(World Congress of CBT)を開いています。
ABCT
Association for Behavioral and Cognitive Therapies
行動療法・認知療法の研究と実践を扱う学会です。研究者と臨床家が集まる年次大会を開き、臨床研究と実践の双方に向けた学術誌を発行しています。
EABCT
European Association for Behavioural and Cognitive Therapies
欧州各国の認知行動療法の団体が加わる学会です。年次大会の開催や、認知行動療法家の研修水準の整備などに取り組んでいます。
AEI
Albert Ellis Institute
論理情動行動療法(REBT)の創始者の名を冠した研修・臨床の機関です。REBTの研修と認定を行い、REBTと認知行動療法の学術誌を公式誌としています。
AREBT
Association for Rational Emotive Behaviour Therapy
英国のREBTの専門職団体です。訓練を受けた実践家の登録、REBT講座の認定、会員の継続的な専門性の開発などを行っています。
ACBS
Association for Contextual Behavioral Science
ACT(アクセプタンス&コミットメント・セラピー)や関係フレーム理論などを含む、文脈的行動科学の国際学会です。研究者と実践者が同じ場で学ぶ文化をもち、多くの学習資料を公開しています。
SFBTA
Solution Focused Brief Therapy Association
解決志向ブリーフセラピーのアイデアと実践の交流を目的とする専門職団体です。年次大会の開催や、研究を支える賞・奨学金の提供に取り組んでいます。
EBTA
European Brief Therapy Association
欧州で解決志向ブリーフセラピーの実践と研究を進める団体です。欧州の大会を通じ、各国の実践者と研究者の交流を支えています。
Dulwich Centre
Dulwich Centre
ナラティヴセラピーとコミュニティワークの研修・出版の拠点です。学会ではなく研修・出版機関として、ナラティヴ実践の学習資料を国際的に届けています。
IFTA
International Family Therapy Association
家族療法の研究・教育・実践と国際交流を進める団体です。世界家族療法会議を通じ、家族やカップル、システムの視点に立つ支援者をつないでいます。
ISST
International Society of Schema Therapy
スキーマ療法の実践と研究、研修の水準づくりを担う国際団体です。スキーマ療法家の認定基準を定め、国際大会を開いています。
isEFT
International Society for Emotion Focused Therapy
感情焦点化療法(Emotion Focused Therapy)の実践・理論・研修・研究を扱う国際団体です。略称のEFTは別のアプローチにも使われるため、正式名称で確認しましょう。
SPR
Society for Psychotherapy Research
学派を越えて心理療法を研究する国際的・学際的な学会です。効果研究だけでなく、変化のプロセスや支援者と利用者の関係を研究する人が集まります。
SEPI
Society for the Exploration of Psychotherapy Integration
学派の枠を越えて心理療法を統合する方法を探究する国際学会です。理論・研究・実践の対話を通じて、統合的な支援のあり方を議論しています。
SPSP
Society for Personality and Social Psychology
パーソナリティ心理学と社会心理学の研究を担う学会です。自己・動機づけ・態度・対人関係・集団など、応用分野の理論の源になっている基礎研究が集まり、複数の主要な学術誌と大規模な年次大会をもちます。
EASP
European Association of Social Psychology
欧州の社会心理学者が集まる学会です。集団間の関係や社会的アイデンティティ、社会の文脈を重く見る研究の伝統があり、学術誌の発行と数年ごとの大会を通じて研究者をつないでいます。
EAPP
European Association of Personality Psychology
パーソナリティ心理学の研究を進める欧州の学会です。性格特性の構造や生涯にわたる変化、測定方法などを扱い、学術誌の発行と欧州パーソナリティ会議(ECP)の開催を通じて国際的な交流を支えています。
| 略称 | 名称 | 分野 | 種類 | 代表的な学術誌・大会・資料 | こんな人に役立つ |
|---|---|---|---|---|---|
| ISCP | 国際コーチング心理学会 | 成長支援 | 国際的な学会・専門職団体 | 学術誌 Coaching Psychology International | 心理学にもとづくコーチングを体系的に学びたいコーチ・対人支援職、コーチング心理学の研究者 |
| BPS DCP | 英国心理学会 コーチング心理学部門 | 成長支援 | 国・地域の学会/学会部門 | 学術誌 International Coaching Psychology Review | 英国の心理学専門職制度のなかでのコーチング心理学の位置づけを知りたい人、研究論文を探す人 |
| IPPA | 国際ポジティブ心理学会 | ウェルビーイング | 国際的な学会・専門職団体 | World Congress on Positive Psychology(世界大会) | 強みやウェルビーイングを教育・職場・支援に活かしたい人、ポジティブ心理学の研究動向を追いたい人 |
| ENPP | 欧州ポジティブ心理学ネットワーク | ウェルビーイング | 国・地域の学会/学会部門 | European Conference on Positive Psychology(ECPP) | 欧州の研究動向や文化差を含めてポジティブ心理学を学びたい研究者・大学院生 |
| SCP | コンサルティング心理学会(米国心理学会 第13部門) | 組織 | 国・地域の学会/学会部門 | 学術誌 Consulting Psychology Journal | 経営層・管理職へのコーチングや組織支援を心理学の専門性として深めたい人 |
| SIOP | 産業・組織心理学会(米国) | 組織 | 国・地域の学会/学会部門 | 学術誌 Industrial and Organizational Psychology: Perspectives on Science and Practice | 人事・人材開発の施策を心理学のエビデンスで設計したい人、産業・組織心理学の研究者 |
| IAAP | 国際応用心理学会 | 組織 | 国際的な学会・専門職団体 | 学術誌 Applied Psychology: An International Review | 仕事・組織の心理学を国際的・学際的な視点で学びたい人、他分野の応用心理学ともつながりたい人 |
| EAWOP | 欧州産業・組織心理学会 | 組織 | 国・地域の学会/学会部門 | 学術誌 European Journal of Work and Organizational Psychology | エンゲージメントや職場の健康を研究・実務の両面で扱いたい人 |
| WCCBT | 世界認知行動療法連合 | 認知行動 | 団体連合 | World Congress of Cognitive and Behavioural Therapies(世界大会) | 認知行動療法の国際的な広がりや、各地域の団体の関係を知りたい人 |
| ABCT | 行動・認知療法学会(米国) | 認知行動 | 国・地域の学会/学会部門 | 学術誌 Behavior Therapy | 認知行動療法の研究論文を継続的に読みたい臨床家・研究者 |
| EABCT | 欧州行動・認知療法学会 | 認知行動 | 国・地域の学会/学会部門 | EABCT Congress(年次大会) | 欧州の研修基準や、国をまたいだ認知行動療法の実践を知りたい人 |
| AEI | アルバート・エリス研究所 | 認知行動 | 研修・研究機関 | 公式誌 Journal of Rational-Emotive & Cognitive-Behavior Therapy | REBTを原点から学びたい人、認知行動コーチングの理論的な背景を知りたいコーチ |
| AREBT | 論理情動行動療法協会(英国) | 認知行動 | 国・地域の学会/学会部門 | 実践家の登録制度 | REBTを実践の技法として身につけ、登録制度の考え方も知りたい人 |
| ACBS | 文脈的行動科学会 | 認知行動 | 国際的な学会・専門職団体 | 学術誌 Journal of Contextual Behavioral Science | ACTやマインドフルネスを臨床・職場・コーチングに活かしたい人 |
| SFBTA | 解決志向ブリーフセラピー協会 | 対話・物語 | 国際的な学会・専門職団体 | 年次大会(Annual Conference) | 解決志向アプローチを支援やコーチングに取り入れたい人 |
| EBTA | 欧州ブリーフセラピー協会 | 対話・物語 | 国・地域の学会/学会部門 | EBTA Conference(欧州大会) | 解決志向アプローチの研究や、欧州での実践の広がりを知りたい人 |
| Dulwich Centre | ダルウィッチ・センター | 対話・物語 | 研修・研究機関 | International Journal of Narrative Therapy and Community Work | 本人の語りや意味づけを大切にする支援・コーチングを学びたい人 |
| IFTA | 国際家族療法学会 | 対話・物語 | 国際的な学会・専門職団体 | World Family Therapy Congress(世界家族療法会議) | 家族・学校・組織などの関係のなかで支援を考えたい人 |
| ISST | 国際スキーマ療法学会 | 感情・研究 | 国際的な学会・専門職団体 | スキーマ療法家の認定基準 | 認知行動療法を土台に、長く続くパターンや感情体験を扱う方法を学びたい臨床家 |
| isEFT | 国際感情焦点化療法学会 | 感情・研究 | 国際的な学会・専門職団体 | 研修・イベント情報 | 感情の体験そのものに丁寧に寄り添う支援を学びたい人 |
| SPR | 心理療法研究学会 | 感情・研究 | 国際的な学会・専門職団体 | 学術誌 Psychotherapy Research | 支援の「なぜ効くのか」を研究の視点で知りたい研究者・大学院生・臨床家 |
| SEPI | 心理療法統合探究学会 | 感情・研究 | 国際的な学会・専門職団体 | 学術誌 Journal of Psychotherapy Integration | 複数のアプローチを組み合わせて、自分の実践スタイルを作りたい人 |
| SPSP | パーソナリティ・社会心理学会 | 基礎研究 | 国・地域の学会/学会部門 | 学術誌 Personality and Social Psychology Bulletin | コーチングや支援で使う理論が、どんな研究から生まれたのかを確かめたい人。尺度開発や実践研究に取り組む人 |
| EASP | 欧州社会心理学会 | 基礎研究 | 国・地域の学会/学会部門 | 学術誌 European Journal of Social Psychology | チームや組織の「集団としての心理」を理解したい人、文化差を含めて人の行動を考えたい人 |
| EAPP | 欧州パーソナリティ心理学会 | 基礎研究 | 国・地域の学会/学会部門 | 学術誌 European Journal of Personality | 性格検査やアセスメントを使う人、性格は変わるのかという問いを研究の視点で知りたい人 |
順位ではなく、関心と専門領域の対応を示す表です。表は横にスクロールできます。
入会するかどうかより先に、「何のために使うか」を決めると、必要な情報が絞れます。それぞれ、状況から結果までの流れで示します。
日本には、コーチング心理学を体系的に学べる公的な養成の経路がまだほとんどありません。だからこそ日本の民間資格には、国家資格や海外の資格にはない利点があります。国際的な知見を日本の職場・教育・文化に合わせて届けるグローカルさ、時代のニーズを先取りして講座化する機動性、そして独自尺度の開発や事例審査といった独自研究です。
一般社団法人コーチング心理学協会は、「国際性と信頼性にもとづくエビデンス」を掲げ、国際的な機関・研究者と連携した監修・監訳(国際性)、研究蓄積のある心理学的アプローチの統合(エビデンス)、根拠と限界を同じ基準で開示する編集方針(信頼性)の3本柱を専門性の根拠としています。国家資格と組み合わせることで、制度上の信頼と心理学的アプローチの深さが補い合います。
たとえば公認心理師などの対人支援職は傾聴を得意とする一方で、日本の養成課程では目標に向けた質問・承認・フィードバックの技法を扱う機会が十分ではない傾向があります。コーチング心理学の学びは、この部分を補う選択肢になります。
| 比べる項目 | コーチング心理士®(協会) | Wライセンス(協働認定) | 海外学会の会員資格 | 海外の学会・機関の認定 |
|---|---|---|---|---|
| 位置づけ | 一般社団法人コーチング心理学協会の中核資格(民間資格) | ポジティブ心理カウンセラー協会とコーチング心理学協会の協働認定「認定ポジティブ心理学コーチ&認定ウェルビーイングコーチ」 | 団体への所属を示す会員区分 | 各団体・機関が定めた研修・スーパービジョン要件の修了 |
| 学べる内容 | コーチング心理学の理論・研究・実践、認知行動・解決志向・ナラティヴ・ポジティブ心理学の統合 | ポジティブ心理学のコーチングとウェルビーイング支援(必修・必修専門・選択の計5講座) | 学術誌・大会・ネットワークへのアクセス | 特定アプローチ(REBT、スキーマ療法など)の深い技法 |
| 要件の目安 | 講座90時間(18回×5時間)+事例審査・省察レポート等の課題 | 5講座の修了と審査 | 団体ごとの会員条件(学生区分などあり) | 団体ごとの研修時間・スーパービジョン・審査 |
| 言語 | 日本語 | 日本語 | 主に英語 | 主に英語 |
| おすすめの人 | 国際的な知見を日本の現場で実践し、国家資格と組み合わせたい人 | 国際・ポジティブ心理学・実用性を取り入れたい人 | 研究動向を継続的に追いたい人 | 特定のアプローチを専門として深めたい人 |
| 限界と補い方 | 民間資格のため制度上の業務独占はない。国家資格と組み合わせ、国際学会の論文で学びを更新すると強みが生きる | 臨床的な治療を目的としない。医療・心理職の資格との併用で活用範囲が広がる | 会員であることは技能の証明にはならない | 英語での受講・費用・時差の負担が大きい |
講座時間(学ぶ時間)と、海外の認定で求められる監督付き実践時間は、時間の種類が異なります。詳しい日程・受講料は協会の公式ページで確認してください。
国際学会の情報は、日本の制度や文化の文脈と組み合わせると活かしやすくなります。たとえば日本認知・行動療法学会、日本産業・組織心理学会、日本ブリーフサイコセラピー学会、日本家族療法学会などは、各分野の国内の研究動向を知る入口になります(詳細は各学会の公式サイトで確認してください)。
分野によって研究の蓄積は大きく異なります。認知行動療法は数百件の比較試験を統合したメタ分析がある一方、ナラティヴセラピー単独の効果を統合したメタ分析はまだ限られています。コーチングは職場での効果が複数のメタ分析で示されていますが、自己評価の指標で効果が大きく出やすいことや、出版バイアスの可能性も指摘されています。
学派の違い以上に、支援者と利用者の協働関係(治療同盟・ワーキングアライアンス)が成果と関連することも、心理療法とコーチングの両方で繰り返し示されています。
特定の国に限らず、複数の国の研究者や実践者が会員となり、学術誌の発行や国際大会の開催を通じて研究と実践を共有する団体です。心理学の分野では、学会のほかに専門職団体・学会の部門・団体連合・研修機関など、組織の種類が異なる団体も国際的な情報源になっています。
学会は研究の発表と議論が中心、専門職団体は実践者の倫理・研修・登録などの専門性の維持が中心、研修機関は特定のアプローチの教育や出版が中心です。実際には役割が重なる団体も多いため、このガイドでは各団体の「種類」を明記しています。
代表的なのは国際コーチング心理学会(ISCP:International Society for Coaching Psychology)です。英国心理学会のコーチング心理学部門(学術誌 International Coaching Psychology Review)や、エグゼクティブ・コーチングを扱う米国心理学会第13部門(SCP)もあわせて確認すると、研究の全体像をつかみやすくなります。
国際ポジティブ心理学会(IPPA:International Positive Psychology Association)が代表的です。欧州では欧州ポジティブ心理学ネットワーク(ENPP)が欧州ポジティブ心理学会議(ECPP)を開いています。
日本語で「国際コンサルティング心理学会」と呼ばれることがありますが、該当する代表的な団体は米国心理学会(APA)の第13部門であるSociety of Consulting Psychology(SCP)です。国際的な会員はいますが、組織としては米国の学会の部門です。
SIOP(Society for Industrial and Organizational Psychology)は米国の学会で、正式名称に「International」は含まれません。国外の会員も多いため国際的な影響力は大きい団体です。国際団体としては、国際応用心理学会(IAAP)の第1部門や、欧州産業・組織心理学会(EAWOP)もあわせて確認できます。
世界各地域の団体が加わる連合として世界認知行動療法連合(WCCBT)があり、米国の行動・認知療法学会(ABCT)、欧州行動・認知療法学会(EABCT)などが主要な団体です。ACTを含む文脈的行動科学は文脈的行動科学会(ACBS)、REBTはアルバート・エリス研究所や英国のAREBTが情報源になります。
解決志向ブリーフセラピーは、解決志向ブリーフセラピー協会(SFBTA)と欧州ブリーフセラピー協会(EBTA)が主な団体です。ナラティヴセラピーは「国際学会」という形より、研修・出版の拠点であるダルウィッチ・センターが国際的な情報源になっています。
パーソナリティ心理学と社会心理学の研究を担う学会で、自己・動機づけ・態度・対人関係といった、応用分野の理論の源になっている基礎研究が集まっています。Personality and Social Psychology Bulletin など複数の学術誌と、大規模な年次大会をもちます。米国に本部がありますが会員は国際的です。
コーチングや心理支援で使われる理論の多くは、パーソナリティ心理学と社会心理学の基礎研究から生まれているためです。動機づけ、マインドセット、自己効力感、目標、対人関係の研究は、特定の学派の団体ではなくこの領域の学会に集まっています。技法を学んだ人が「なぜ効くのか」を確かめたいときの行き先として、独立させて示しています。
役立ちます。ただし読み方が変わります。応用分野の学会が「この介入は効くか」を扱うのに対し、基礎研究の学会は「人はどういうしくみで動くか」を扱います。実践者はまず総説(レビュー論文)を読み、技法の背景にある考え方を確かめる使い方が向いています。個々の実験を直接まねて現場に持ち込むことは想定されていません。
多くの団体に、正会員のほか学生会員・準会員・関心をもつ人向けの区分があります。ただし条件は団体ごとに大きく異なり、臨床系の団体では専門職の資格や研修歴を求める区分もあります。入会前に各団体の公式サイトの会員区分を確認してください。
会員であることと、認定資格を持っていることは別です。会員は団体への所属を示し、認定は研修時間・スーパービジョン・審査などの要件を満たしたことを示します。名刺やプロフィールに書く場合は、会員区分と認定の名称を正確に区別しましょう。
活用できます。論文の要旨を翻訳ツールで読み、専門用語は日本語の教科書で確認する方法が現実的です。『コーチング心理学ガイドブック』のような国際的なテキストの日本語版で全体像をつかんでから英語の論文に進むと、用語でつまずきにくくなります。
このガイドの相性診断(21問・約3分)で、関心の傾向と立場・目的から相性のよい団体を上位5つまで表示できます。診断は探し始めるための目安で、統計的な妥当性の検証は行っていません。
まず無料で読める要旨(アブストラクト)を確認し、オープンアクセスの論文やレビュー論文・メタ分析から読むのが効率的です。個別の研究より、複数の研究を統合したメタ分析のほうが全体の傾向を把握しやすくなります。代表的なメタ分析はエビデンスのページにまとめています。
日本には、コーチング心理学を体系的に学べる公的な養成の経路がまだほとんどありません。だからこそ民間資格には、国際的な知見を日本の職場や文化に合わせて届けるグローカルさや、時代のニーズを先取りして講座化する機動性という利点があります。一般社団法人コーチング心理学協会は、国際性・エビデンス・信頼性の3本柱を専門性の根拠とする団体で、国家資格と組み合わせることで制度上の信頼と心理学的アプローチの深さが補い合う学び方としておすすめです。
各団体の公式サイトの公開情報を一次情報として確認し、日本語で要約しています。大会の日程や会費など変わりやすい情報は掲載していません。最終更新日はページ下部に記載し、内容に誤りや変更があれば修正します。
コーチング・心理療法・心理学の分野で、学術誌・国際大会・研修・認定のいずれかを国際的に提供している団体を掲載しています。各団体の公式サイトの公開情報を一次情報とし、日程・会費など変わりやすい情報は載せていません。団体の優劣や順位づけは行いません。
情報の信頼性を保つため、利害関係を明記します。このガイドは一般社団法人コーチング心理学協会が監修・運営し、協会の講座への案内を含みます。掲載は各団体による推薦・認定を意味しません。
2026年9月15日:パーソナリティ・社会心理学の3団体(SPSP・EASP・EAPP)を追加し、分野を7つに再編。路線図・相性診断・比較表・関係マップをあわせて更新。
国際学会で議論されているコーチング心理学・ポジティブ心理学・認知行動アプローチ・解決志向・ナラティヴは、一般社団法人コーチング心理学協会の認定講座でも日本語で学べます。協会の資格は民間資格ですが、国際的な機関・研究者と連携し『コーチング心理学ガイドブック』などの監修・監訳に携わってきた専門性と権威性、AI時代のコーチングやニューロダイバーシティ支援など時代に応じた内容を先取りして独自尺度の研究を続ける経験と信頼性を土台にしています。公認心理師やキャリアコンサルタントなどの国家資格と組み合わせることでシナジーが生まれる、国際学会の情報を実践に活かしたい方におすすめの選択肢です。