| 目的 | 使い方 | 可否 |
|---|---|---|
| 対話の材料にする | 「この結果、心当たりはありますか」から始める | 適切 |
| 変化を確かめる | 支援の前後で同じ尺度を取る | 適切 |
| 本人が自己理解を進める | 結果を本人が解釈し、言葉にする | 適切 |
| 採用・配置の判断に使う | 結果で人を選ぶ | 不適切 |
| タイプで決めつける | 「この人はこういう人だから」 | 不適切 |
| 測るもの | 代表的な枠組み | 対話でどう使うか |
|---|---|---|
| パーソナリティ | Big Five(開放性・誠実性・外向性・協調性・神経症傾向) | 「うまくいく進め方」を本人の傾向から設計する |
| 強み | 強みの分類体系・強み尺度 | 言語化された強みを、いまの課題に振り向ける |
| 自己効力感 | 一般性/領域別の自己効力感尺度 | 「できそう」が低い領域を特定し、小さな成功体験を設計 |
| レジリエンス | レジリエンス尺度 | 回復を支えている資源を確認する |
| エンゲージメント | ワーク・エンゲージメント尺度 | 活力・没頭・熱意のどこが下がっているかを見る |
| その場で測る | スケーリング(0〜10) | 尺度がなくても使える。理由と1点上げる条件を聞く |
「どの尺度を使えばいいか」は、実際の研究の設計を見るのがいちばん早道です。ここでは、認定コーチとAIチャットボットを直接比較した2026年の無作為化比較試験(N=114、教育系多国籍企業のリーダー、週1時間×4回)[1]で使われた測定を紹介します。
| 尺度 | 形式 | 測っているもの |
|---|---|---|
| 目標達成 主要アウトカム | 各自が2つの目標を設定。達成度(0〜1の割合)と難易度をそれぞれ評定 | 目標達成スコア=2目標の達成度の平均 × 難易度。同じ目標を上司も評定した |
| コーチング有効性(CE) | 4項目・7件法 | ①内省の場ができたか ②新しい気づきが生まれたか ③新しい行動に移せたか ④全体として成功したと思うか |
| 尺度 | 出典 | 形式 | α |
|---|---|---|---|
| 精神的ウェルビーイング(WEMWBS) | Tennant ら(2007) | 14項目。エウダイモニック(意味)とヘドニック(快)の両面を含む | .91 |
| 知覚ストレス(PSS-4) | Cohen ら(1983)短縮版 | 4項目・1〜5。「重要なことをコントロールできないと感じた頻度」など | .85 |
この研究の要点は、これらを結果指標としてだけでなく「誰がコーチングで伸びるか」の予測変数として投入したことです。実際、開始時点の自己効力感と希望が、その後の目標達成をよく予測しました。
| 尺度 | 出典 | 形式 | α |
|---|---|---|---|
| 一般性自己効力感(GSE) | Schwarzer & Jerusalem(1995) | 10項目・4件法 | .75 |
| 希望(Adult Hope Scale) | Snyder ら(1991) | 12項目・1〜8。Agency(目標に向かうエネルギー)4項目+Pathways(道筋を描く力)4項目、残る4項目はフィラーで分析から除外 | .83 |
| 認知的ハーディネス | Nowack(1990)簡易版 | 15項目・5件法。Grant(2008, 2014)の待機統制RCTで前後変化が確認された実績から採用 | .79 |
| 知覚された社会的支援(MSPSS) | Zimet ら(1988) | 12項目・7件法。家族・友人・特別な人の3下位尺度 | .93 |
| 尺度 | 出典 | 形式 |
|---|---|---|
| 作業同盟(WAI短縮版) | Tracey & Kokotovic(1989)/原典 Horvath & Greenberg(1986) | 1〜7の7件法。Task(何をするかの合意)/Goal(目指す成果の合意)/Bond(信頼・尊重・安心)の3次元 |
※ このほか、光電式脈波(PPG)から心拍データを取得する商用プラットフォームで瞬間的な生理指標も測定されていますが、独立検証の蓄積が薄い領域であり、現時点で実務に推奨できる段階ではありません。
| 目的 | 組み合わせ | 理由 |
|---|---|---|
| 支援の成果を測る | 目標達成(達成度×難易度)+ CE 4項目 | 短期でも動く。上司評定を足すと自己申告バイアスを相対化できる |
| 関係の質を点検する | WAI短縮版 | 3次元に分かれるので「Bondはあるが Goal がずれている」といった診断ができる |
| 開始前に「伸びやすさ」を見る | 自己効力感 + 希望 | 本研究で成果の強い予測因子だった |
| ウェルビーイングを測る | WEMWBS + PSS-4 | 14項目+4項目と短く、現場で回しやすい |
上の4層構造のうち、③予測因子・④プロセス・①成果を、許諾の要らない当協会オリジナルの形で使えるようにしました。いずれもブラウザだけで動き、入力内容は外部に送信されません。
結果は断定ではなく仮説として返します。順序を守ってください。
一般社団法人コーチング心理学協会では、心理学の理論を土台にした認定資格講座と、団体・法人向け研修を提供しています。