コーチング・レディネス・セルフチェック
これは、コーチングや対話による支援を始める前・進めている途中に、 いまの自分がどんな状態にあるかを確かめるための24項目のセルフチェックです。 「能力が高いか低いか」を測るものではなく、これから先の変化を支えてくれる、いまある資源を見つけるためのものです。 所要時間はおよそ5分です。
【基本方針】
このテストは、「成長・発展・学び」をコンセプトにした、心理学およびデータ解析に基づく心理尺度です。 ポジティブ心理学・コーチング心理学・心理的安全性の知見を踏まえ、すべての回答に対してポジティブなフィードバックを提供します。
回答のしかた
以下の各項目について、ここ1か月ほどのご自身の状態にもっとも当てはまる番号を選んでください。 正解はありません。深く考えこまず、最初に浮かんだ感覚で選ぶほうが、ふだんの状態に近い結果になります。
コーチング・レディネス・セルフチェックの結果
TOTAL
24–50低い
51–64普通
65–78高い
79–92かなり高い
93–120
合計点は「準備の総量」の目安です。高いほど優れている、という意味ではありません。低い場合は、いまはまだ必要としていない、あるいは意識を向ける機会がなかった、という状態を映していることが多いものです。
4つの力のバランス
この結果は、何を映しているのか
「レディネス(readiness)」とは、これから起きる変化を受けとめ、活かすための準備がどれくらい整っているかを指す言葉です。心理学では、学習や行動変容の研究で古くから使われてきました。難しく聞こえますが、意味はシンプルで、「いま、どんな土台の上に立っているか」ということです。
コーチングの研究では、始める前の状態が、その後の成果をかなりの程度予測することが繰り返し報告されています。2026年に発表された無作為化比較試験(対象114名)でも、開始時点の自己効力感と希望が、その後の目標達成をよく予測しました。つまり、支援の中身と同じくらい、「どんな状態で始めるか」が結果を左右するということです。
ここで測っているのは、次の4つです。どれも、生まれつき決まっているものではなく、経験や環境によって変わっていくものと考えられています。
- できそうの感覚:やってみればなんとかなる、という手ごたえ
- 見通しをつくる力:向かいたい方向と、そこへの道筋を描ける力
- 立て直す力:うまくいかなかったあと、戻ってこられる力
- 支えのつながり:困ったときに頼れる人がいるという実感
この4つは互いに関係し合っています。たとえば、支えのつながりが厚い人は、失敗したあとに立て直しやすくなります。ひとつが動くと、他も動きやすくなる、という関係です。どこか1つを手がかりにすれば十分だ、ということでもあります。
4つの力を、ひとつずつ見る
全体を通して見えること
いま、あなたはどのあたりを歩いているか
最後に、いちばん大切なこと
この結果は、計算式が出した数字にすぎません。全体を通してもっとも重要なのは、AIや数値ではなく、人間を中心に焦点を置くことです。人間としての尊厳と、心理的安全性を大切にすることを何よりも重視します。そして、最終的に意思決定し、行動を選ぶのは、道具でも支援者でもなく、当事者であるあなた自身、つまり人間です。数値が自分の感覚と違うと感じたなら、正しいのはあなたの感覚のほうです。この結果は、そのことを確かめるための材料として使っていただければ十分です。
振り返りメモ
読んで気づいたこと、腑に落ちなかったこと、次に試したいことを書いてみてください。印刷にも反映されます。
留意点
このテスト結果は自己理解を深めるための一つのツールであり、すべてを決定づけるものではありません。結果は参考として活用し、他者との対話や日々の行動を振り返ることが大切です。また、このテストは心理学・統計学に基づくものであり、医学的な診断とは異なります。あくまでも行動の指針として参考にしてください。
暫定・研究中研究資料・尺度の位置づけ
本セルフチェックは、当協会が作成したオリジナルの項目で構成されています。既存の標準化された心理尺度の項目は使用していません。現在の版は暫定・研究中であり、信頼性係数・因子妥当性・標準化された基準値はまだ算出されていません。得点区分は、5段階評定の理論的中間値(3点)を平均と仮定し、各因子6項目の合計(平均18点・標準偏差4点と設定)から統計的に導いた暫定・研究中の値です。今後、データを集めて検証と改訂を行い、その進捗を公開していきます。
研究や効果測定の目的で確定した数値が必要な場合は、標準化された既存尺度(一般性自己効力感尺度、Adult Hope Scale、認知的ハーディネス尺度、多次元知覚社会的支援尺度など)を、それぞれの権利者の許諾条件にしたがってご使用ください。各尺度の構成は心理アセスメントのページにまとめています。
引用・参考文献
- 徳吉陽河(2024). 科学的に正しい脳を活かす「問いのコツ」 結果を出す人はどんな質問をしているのか? 総合法令出版
- 徳吉陽河(2023). ポジティブ大全 総合法令出版
- オリオーダン, S.・パーマー, S.(編)徳吉陽河(監訳)(2023). コーチング心理学ガイドブック 北大路書房
- 一般社団法人コーチング心理学協会資料
- 一般社団法人ポジティブ心理カウンセラー協会資料
- de Haan, E., Terblanche, N., & Nowack, K. (2026). A randomised controlled comparison of the effectiveness of human and AI chatbot coaching with goal attainment, wellbeing and self-efficacy. Human Resource Development International. doi:10.1080/13678868.2026.2633990
- Grant, A. M. (2014). The efficacy of executive coaching in times of organisational change. Journal of Change Management, 14(2), 258–280. doi:10.1080/14697017.2013.805159
- Graßmann, C., Schölmerich, F., & Schermuly, C. C. (2020). The relationship between working alliance and client outcomes in coaching: A meta-analysis. Human Relations, 73(1), 35–58. doi:10.1177/0018726718819725