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コーチング心理学 用語辞典

定義だけでなく、実務でどう使う語なのかが分かる形で。

この辞典について コーチング心理学でよく使われる用語を、実務での使い方とあわせて解説しています。 100文字の説明で終わらせず、「その語をどう使うか」が分かる形にしました。各カテゴリーページからも参照できます。

50音順の用語一覧

あ行

用語意味
アクノレッジメント(承認)相手の存在・行動・変化を事実として言葉で返すこと。評価を伝える「ほめる」とは区別する。 承認のスキル →
アサーション相手を尊重しながら、自分の考えや気持ちを率直に伝える方法。攻撃的でも受身的でもない第三の伝え方。 フィードバック →
ACT(アクセプタンス&コミットメント)苦痛を取り除くことを目標にせず、それを抱えたまま自分の価値に沿って行動できるようにする枠組み。 ACT →
意味づけ起きた出来事に、本人にとっての意味を見いだすこと。出来事は変わらなくても、意味が変わると行動が変わる。 ナラティヴ →
ウェルビーイング心身が良い状態にあり、意味を感じながら機能できている状態。単に気分が良いことではない。 PERMA →
SOC方略選択(Selection)・最適化(Optimization)・補償(Compensation)。限られた資源で成果を出すための適応方略。 加齢とコーチング →
エンゲージメント仕事に活力を持って没頭し、意味を感じている状態。満足度や忠誠心とは区別される。 エンゲージメント →
オープンクエスチョンはい/いいえで答えられない問い。相手の思考を広げる。対義語はクローズドクエスチョン。 質問のスキル →
ABCモデル出来事(A)→ 信念・解釈(B)→ 結果としての感情・行動(C)。認知行動アプローチの基本の枠組み。 認知行動コーチング →

か行

用語意味
外発的動機づけ報酬や罰など、外側から与えられる動機づけ。短期的には効くが持続しにくいとされる。 動機づけ →
解決志向アプローチ原因の追及より、すでにうまくいっている場面(例外)を探して増やす方法。 解決志向 →
家族療法問題を個人の中だけに置かず、家族という関係のまとまりのなかで捉え、やりとりのしかたに働きかける心理療法の総称。 家族支援の現場 →
キャリア・コーチング本人が経験を意味づけ直し、大切にしたい価値を言葉にし、選んだ道を実行し続けるのを支える対話。適職を診断して示すことではない。 キャリア・コーチング →
キャリア構成理論キャリアを、本人が自分の物語として構成していくものと捉える考え方。 キャリア →
傾聴相手の話を受け取り、そのことが相手に伝わっている状態。黙って聞くこととは違う。 傾聴のスキル →
効果量介入がどれだけ効いたかを標準化して表す指標。おおよそ 0.2=小、0.5=中、0.8=大。 研究の読み方 →
行動変容実際の行動が変わること。知識や態度が変わっただけでは行動変容とは呼ばない。 行動経済学 →
コーチング心理学心理学の理論と研究知見(エビデンス)にもとづいて、個人や組織の目標達成・成長・ウェルビーイング・パフォーマンス向上を対話で支援する実践と研究の分野。 定義 →
コミュニティ心理学個人の困りごとを本人の中だけに探さず、人と環境・組織・制度の関係のなかで捉え、予防と環境づくりを重視する心理学の一分野。 コミュニティ・地域支援の現場 →
コンパッション苦しみに気づき、それを和らげようとする姿勢。自分に向ける場合をセルフコンパッションと呼ぶ。 コンパッション →
コンプリメント相手のできている点や資源を具体的に伝えること。解決志向アプローチでよく使われる。 解決志向 →

さ行

用語意味
作業同盟(アライアンス)支援する側と受ける側の協働関係。目標・課題・情緒的な絆の3要素からなる。成果との関連が繰り返し確認されている。 作業同盟セルフチェック →
自己一致支援者が自分の内的な体験と表に出す態度を一致させていること。人間性心理学の中核条件のひとつ。 パーソンセンタード →
自己効力感特定の場面で「自分にはできそうだ」と思える感覚。成功体験・代理体験・言語的説得・生理的状態の4経路から高まる。 レディネス・セルフチェック →
自己決定理論自律性・有能感・関係性の3つの欲求が満たされるほど内発的動機づけが高まるとする理論。 動機づけ →
システミック・アプローチ個人ではなく、関係の網の目の中で問題を捉えて働きかける方法。 システミック →
質問力相手の思考を広げるか具体化するかを、場面に応じて選べる力。問いの量ではなく選択の適切さを指す。 質問のスキル →
ジョブ・クラフティング与えられた仕事の範囲内で、進め方・関わる人・意味づけを自分で組み替えること。 ビジネス・組織 →
心理的安全性率直に発言しても不利益を受けないと思える状態。チームの学習や革新行動と関連する。 心理的安全性 →
心理的柔軟性不快な思考や感情があっても、価値に沿った行動を選べる力。ACTの中心概念。 ACT →
スケーリング・クエスチョン「0〜10で今は何点ですか」と尋ねる問い。点数の理由と1点上げる条件を聞くことに意味がある。 解決志向 →
ストレングス(強み)その人がすでに持っていて、自然に発揮でき、使うと活力が湧く特性や行動。 強み →
スーパービジョン支援者が第三者に自分の関わりを見てもらい、点検してもらう仕組み。質を保つ土台になる。 支える人を支える →
相関と因果2つが関連していることと、一方が他方の原因であることは別。研究を読むときの基本的な区別。 研究の読み方 →

た〜な行

用語意味
チェンジトーク本人の口から出る、変化に向かう言葉。動機づけ面接では、これを引き出すことを重視する。 動機づけ面接 →
動機づけ面接説得や指示ではなく、本人の言葉から変化への動機を引き出す面接法。両価性の扱いに特徴がある。 動機づけ面接 →
特性論パーソナリティを、いくつかの連続的な次元の程度として捉える立場。タイプ分けとは異なる。 パーソナリティ →
内発的動機づけ活動そのものへの興味や満足から生じる動機づけ。持続しやすいとされる。 動機づけ →
ナラティヴ・アプローチ出来事を語りなおすことで、その意味と自分との関係を変えていく方法。 ナラティヴ →
認知再構成自動的に浮かぶ考えを点検し、事実に照らして別の見方を検討すること。 認知行動コーチング →
認知行動コーチング考え方と行動の相互作用に働きかけるコーチング。最も研究の蓄積が多い技法のひとつ。 認知行動コーチング →
ニューロダイバーシティ神経発達の違いを、治すべき欠陥ではなく人間の多様性の一部として捉える考え方。 ニューロダイバーシティ →

は〜わ行・欧文

用語意味
フィードバック観察できた事実と、その影響を伝えること。人柄ではなく行動について伝えるのが原則。 フィードバック →
マインドフルネスいまこの瞬間の体験に、評価を加えずに注意を向けること。反応の前に一拍おく力を育てる。 マインドフルネス →
マタリング自分が誰かにとって意味のある存在だと感じられること。役割の意義を支える概念。 ウェルビーイング →
メタ分析同じテーマの複数の研究結果を統計的に統合し、全体としての効果を推定する方法。 研究の読み方 →
リフレーミング同じ出来事を別の枠組みから捉え直すこと。無理な前向き解釈の押しつけとは区別する。 認知行動コーチング →
リフレクティブ・プラクティス実践のあとに自分の関わりを振り返り、次に活かす習慣。 独学サイクル →
レジリエンス困難から回復する力。折れない力ではなく、折れてから戻る力として捉える。 レジリエンス →
例外探し問題が起きていない場面を探すこと。解決志向アプローチの中核技法。 解決志向 →
Big Five開放性・誠実性・外向性・協調性・神経症傾向の5次元でパーソナリティを捉える枠組み。 尺度の使い方 →
GROWモデルGoal(目標)・Reality(現状)・Options(選択肢)・Will(意思)の4段階で対話を進める型。 GROWモデル →
PERMAウェルビーイングの5要素。ポジティブ感情・エンゲージメント・関係性・意味・達成。 PERMA →
PRACTICEモデル問題の明確化から解決策の評価までを7段階で扱う、認知行動的な問題解決の型。 モデルの比較 →
VIA強み分類人間の性格的な強みを分類した体系。強みの言語化に用いられる。 強み →

領域・現場の言葉

ここまでは理論の言葉です。以下は、実際に支援が行われる場面で使われる言葉をまとめています。1on1、ファシリテーション、組織開発、教育・発達支援など、領域ごとに意味の重心が変わる語を、その領域での使われ方で説明しました。

なぜ分けたか同じ「目標」「支援」という語でも、1on1と組織開発と発達支援では、指しているものが違います。50音順に並べると、この違いが消えてしまうため、領域ごとにまとめています。

1on1・面談の場面

用語意味
1on1(ワンオンワン)上司と部下が定期的に行う一対一の対話。評価面談とは目的が違い、査定ではなく本人の課題整理と成長を扱う。頻度より、話す内容を本人が決められるかが要点。 1on1の設計 →
アジェンダ設定その回で何を話すかを決める手順。1on1では上司ではなく部下が決めるのが原則。上司が議題を持ち込むと、報告の場に戻る。 1on1の設計 →
チェックイン対話の冒頭で、いまの状態を短く共有すること。本題に入る前に場を整える。「10点満点で今日は何点ですか」も一つの形。 場面別の問い →
チェックアウト対話の終わりに、気づいたことを短く言葉にする手順。ここを飛ばすと、話した内容が本人の中で整理されないまま終わる。 問いカレンダー →
間(沈黙)の扱い相手が考えている時間を埋めないこと。次の問いを急がないことが思考の深まりにつながる。慣れないうちは3秒数える。 傾聴のスキル →
クロージング対話の終わりに、決めたことと次の行動を本人の言葉で確認する手順。支援者が要約してしまうと、本人の決定が薄まる。 GROWのW →
フォローアップ前回決めたことがどうなったかを、次回の冒頭で扱うこと。これがないと対話は単発の相談で終わり、行動が積み上がらない。 目標達成の記録 →
ラポール安心して話せる関係。作業同盟のうち情緒的な絆にあたる部分。技法より先に整うもので、あとから取り返しにくい。 作業同盟セルフチェック →
心理的契約明文化されていない、互いへの期待。「これくらいはやってくれるはず」というずれが、不信の入り口になる。 ビジネス・組織 →

ファシリテーション・集団を扱う

用語意味
ファシリテーション集団が自分たちで結論に至る過程を支える働きかけ。内容ではなく進め方に責任を持つのが特徴で、意見を言う立場とは分ける。 心理的安全性 →
グラウンドルール話し合いの前に合意しておく、参加者の振る舞いの約束事。「否定から入らない」「役職で発言を止めない」など。心理的安全性を運用に落とす手段。 心理的安全性 →
発散と収束アイデアを広げる段階と、絞り込む段階を分けて進める考え方。混ぜると議論が止まる。いまどちらの段階かを口に出すだけで進み方が変わる。 芸術・創造性 →
見える化(可視化)発言をその場で書き出し、全員が同じものを見ながら進める技法。記憶ではなく記録で話すため、言った言わないの争いが減る。 効果測定 →
少数意見の扱い多数決の前に、異なる見方を明示的に拾う手順。「反対の立場から見ると何が見えますか」と役割として問うと、個人攻撃になりにくい。 多様性と包摂 →
チームコーチング個人ではなくチーム全体を対象に、メンバー同士の関わり方を扱う支援。成果の主語がチームである点が個別コーチングと違う。 ビジネス・組織 →
グループコーチング複数の人が同じ場で、それぞれ別の課題に取り組む形式。チームコーチングとは対象が違う(こちらは個人の集まり)。 ビジネス・組織 →
ワールド・カフェ少人数の対話を席替えしながら重ねる話し合いの型。結論を出すためではなく、多様な見方を共有するために使う。 システミック →

支援職の仕事の枠組み

用語意味
インテーク支援を始めるにあたり、状況・目的・そもそも適しているかを確認する最初の面談。ここで適用外を見分けることが支援者の責任にあたる。 適用外の判断 →
契約(コントラクティング)目的・回数・守秘の範囲・終わり方を、あらかじめ合意する手続き。終わり方を決めていない支援は、支える側を消耗させる。 守秘と枠組み →
インフォームド・コンセント何をどのように行うか、限界は何かを説明したうえで合意を得ること。できないことの説明を含む点が要点。 守秘と枠組み →
リファー(紹介)自分の専門の範囲を超えると判断したとき、適切な専門機関につなぐこと。断りではなく、支援の一部として設計する。 つなぐ判断 →
多重関係支援関係と別の関係(雇用・評価・友人)が重なること。本人にとってのリスクであると同時に、支援者にとっての負荷でもある。 多重関係 →
リフレクティブ・プラクティス自分の関わりを振り返り、次に活かす習慣。記録・スーパービジョン・同僚との検討がその手段になる。 独学サイクル →
共感疲労他者の苦しみに触れ続けることで生じる消耗。燃え尽きとは原因が違い、関わり方の調整で扱う(燃え尽きは労働条件の側)。 支援者の消耗 →
同型性(パラレルプロセス)スーパービジョンでの関係のあり方が、そのまま支援関係に映し出される現象。上で急かされる人は、下でも急かしやすい。 支える人を支える →

人材・組織開発

用語意味
組織開発(OD)個人ではなく、関係と仕組みに働きかけて組織の機能を高める取り組み。人材開発と対で使われる。 ビジネス・組織 →
人材開発(HRD)個人の能力形成に働きかける取り組み。研修・自己啓発・OJTなど。ODと組み合わせないと、学びが現場で消える。 学び方 →
ワーク・エンゲージメント仕事に対する活力・熱意・没頭がそろった状態。燃え尽きの対極に位置づけられる概念。 エンゲージメント →
心理的資本(PsyCap)自己効力感・希望・レジリエンス・楽観の4要素からなる、開発可能な心理的資源。性格特性と違い、介入で動く前提に立つ。 レディネス・セルフチェック →
オンボーディング新しく加わった人が力を発揮できるようになるまでを支える一連の過程。研修だけでなく、関係づくりと役割の明確化を含む。 離職防止 →
アクションラーニング実際の課題に取り組みながら、その過程を振り返って学ぶ方法。研修室の学びを現場に持ち出す設計の一つ。 研修効果の4水準 →
研修効果の4水準研修の効果を、反応(満足度)・学習(知識)・行動(現場での実践)・成果(組織の結果)の4段階で捉える枠組み。上位ほど測りにくく、研究も反応と学習に偏る。 研修効果の4水準 →
タレントマネジメント人材の配置・育成・登用を、場当たりでなく戦略的に設計する仕組み。 KPIの考え方 →
人的資本開示人材に関する情報を投資家等に開示する取り組み。何を測るかの設計そのものが問われる。 効果測定プロトコル →
ラインケア管理職が部下の心の健康に配慮する役割。相談を受ける技術と、抱え込まずにつなぐ判断の両方を含む。 つなぐ判断 →

教育・発達支援の現場

用語意味
合理的配慮障害のある人が同じ機会を得られるよう、個別に調整を行うこと。特別扱いではなく、条件をそろえるための調整。 ニューロダイバーシティ →
環境調整本人を変えるのではなく、周囲の条件を変えて困りごとを減らす方法。実行機能に困難がある場合、訓練より効きやすい。 ニューロダイバーシティ →
実行機能計画を立てる・切り替える・衝動を抑えるなど、行動を組み立てる働き。「やる気の問題」と混同されやすい。 ニューロダイバーシティ →
二次障害特性そのものではなく、周囲との摩擦の積み重ねから生じる困難。自己評価の低下や不登校などの形をとる。 「見捨てない」とは →
キャリアコンサルティング職業選択・能力開発に関する相談を行う専門的支援。日本では国家資格が置かれている。 キャリア →
SEL(社会性と情動の学習)感情の理解・対人関係・意思決定などを学校で体系的に育てる教育。大人数・年長ほど効果が小さくなることが繰り返し報告されている。 教育・キャリア →
スモールステップ目標を、本人が確実にできる大きさまで分けること。成功体験を積み上げるための基本的な設計。 実行意図の作り方 →

キャリア支援の現場

キャリア・コーチングとキャリアコンサルティングの場面でよく使われる言葉です。キャリア・コーチングのページにも同じ語を、理論の地図とあわせて掲載しています。

用語意味
キャリア・コーチング本人が経験を意味づけ直し、大切にしたい価値を言葉にし、選んだ道を実行し続けるのを支える対話。適職を診断して示すことではない。 キャリア・コーチング →
内的キャリア/外的キャリア外的キャリアは学歴・職歴・地位など他者から見える経歴、内的キャリアは仕事観・やりがい・意味づけなど本人の主観的な経験。シャインの区別。 キャリア理論の地図 →
キャリア・アンカーキャリアを選ぶときに、どうしても手放したくない価値・欲求・能力についての自己イメージ。シャインが提唱し、8つの類型を示した。 キャリア理論の地図 →
RIASEC(ホランドの6類型)現実的・研究的・芸術的・社会的・企業的・慣習的の6類型で、個人と仕事環境の一致を考える枠組み。一致は満足の手がかりの1つにすぎない。 キャリア理論の地図 →
ライフ・キャリア・レインボースーパーが示した、人生の役割(子ども・学生・余暇人・市民・労働者・家庭人など)の重なりを年齢とともに虹の形で表す図。 キャリア理論の地図 →
計画的偶発性理論キャリアの多くは偶然の出来事に左右されるとし、好奇心・持続性・柔軟性・楽観性・冒険心の5つで偶然を機会に変えられるとするクランボルツらの考え方。 キャリア理論の地図 →
キャリア・アダプタビリティ変化に対応しながらキャリアを築くための心理的な資源。サビカスは関心・統制・好奇心・自信の4つの次元で示した。 キャリア理論の地図 →
プロティアン・キャリア組織ではなく個人が主体となり、自分の価値観にもとづいて変幻自在に形づくるキャリア。ホールが提唱した。 キャリア理論の地図 →
バウンダリーレス・キャリア1つの組織の境界を越えて移動・展開するキャリア。アーサーらが提唱。転職だけでなく、社外とのつながりや学びも含む。 キャリア理論の地図 →
4S(転機の資源)シュロスバーグが示した、転機への対処資源を Situation(状況)・Self(自己)・Support(支援)・Strategies(戦略)の4点で点検する枠組み。 キャリア理論の地図 →
トランジション人生や職業上の転機。ブリッジズは「終わり → ニュートラルゾーン → 始まり」の順で捉え、始まりの前に終わりを扱う必要があるとした。 キャリア理論の地図 →
キャリア・プラトー昇進など、キャリア上の上昇が停滞した状態。役職の停滞(構造的)と、仕事内容の停滞(内容的)に分けて考える。 具体例 →
中期キャリア危機キャリアの中期に、これまでの選択やこれからを問い直す時期。シャインが示した。全員に起こるとは限らない。 加齢とコーチング →
世代性(ジェネラティビティ)エリクソンの成人期の発達課題。次の世代を育て、何かを残すことへの関心。中高年のキャリア・コーチングで動機の源になる。 加齢とコーチング →
セルフ・キャリアドック企業がキャリアコンサルティング面談とキャリア研修を組み合わせ、従業員のキャリア形成を定期的に支援する仕組み。 キャリアコンサルティングとの違い →
ジョブ・カード職業能力開発促進法にもとづく様式。職務経歴・学習歴・訓練歴などを記録し、キャリア・プランニングと職業能力の証明に使う。 キャリアコンサルティングとの違い →
キャリア・パスポート小学校から高校までの学びや活動を振り返り、見通しを書きためる記録。教師が対話的に関わり、目標の修正を支えることが求められる。 教育・キャリア →
基礎的・汎用的能力キャリア教育で育てる4つの能力。人間関係形成・社会形成能力、自己理解・自己管理能力、課題対応能力、キャリアプランニング能力。 教育・キャリア →
実行意図「もし〜なら、〜する」の形で、行動する状況と方法を先に決めておく計画。目標達成を高めることがメタ分析で示されている。 実行意図の作り方 →
目標達成スケーリング(GAS)目標ごとに達成の水準を5段階などで事前に言葉で定義しておき、面談の前後で変化を評価する方法。「効果が見えにくい」を補う。 目標シート →
エンプロイアビリティ雇用されうる能力。社内でも社外でも評価され、必要なときに移動できる力。 キャリア理論の地図 →
リスキリング仕事の変化に対応するために、新しい知識・技能を学び直すこと。本人が選んで取り組むほうが続きやすい。 研究が示すこと →
キャリア自律自分のキャリアを自ら考え、選び、学び続ける姿勢と行動。組織から離れる力ではなく、組織の中で主体的に成長・挑戦・貢献する力にもなる。 進め方5ステップ →
三者契約本人・上司(組織)・コーチの三者で、目的・守秘の範囲・人事評価との関係を事前に合意すること。組織内のキャリア・コーチングの前提。 進め方5ステップ →
キャリア・ショック予期しない出来事によって、キャリアの前提が揺らぐ経験。本人の努力や計画とは無関係に起こりうるため、備えは「回復の早さ」で考える。 キャリア・コーチング →
キャリア・クラフティング仕事の内容・関わる人・意味づけを自分で作り替え、キャリアを能動的に形づくること。ジョブ・クラフティングを長い時間軸に広げた考え方。 キャリア・コーチング →
ジョブ・エンベデッドネス(職務への埋め込み)職場や地域とのつながり・適合・辞めたときに失うものの総体。満足度より離職をよく説明することがある概念。 ビジネス・組織 →
グループ・キャリア・コーチング同じ転機にある数名で行うキャリア支援。他者の語りが自分の選択肢を広げる点が、個別面談にない利点。 キャリア・コーチング →

コミュニティ・地域支援の現場

コミュニティ心理学は、困りごとを個人の中だけに探さず、人と環境・組織・制度の関係のなかで捉える立場です。コーチングでも、本人に働きかけるだけでは動かない課題——職場の仕組み、地域のつながり、制度——を扱うときに手がかりになります。

用語意味
コミュニティ心理学個人の困りごとを本人の中だけに探さず、人と環境・組織・制度・文化の関係のなかで捉える心理学の一分野。治療より予防と環境づくり、専門家主導より当事者の参加を重んじる。 システミック・アプローチ →
コミュニティ感覚(sense of community)「ここに居てよい」「仲間である」「自分の働きかけが届く」「必要が満たされる」という感覚。参加や助け合いが生まれる土台になる。 心理的安全性 →
エンパワメント本人や集団が、自分たちの状況に影響を与える力を取り戻していく過程。支援者が力を「与える」ことではない点に注意する。 業界で意味が変わる言葉 →
予防の3水準(一次・二次・三次)一次=問題が起きる前に環境や仕組みへ働きかける/二次=早期に気づいて手を打つ/三次=重くなった後の回復と再発防止。コーチングの多くは一次・二次に位置づく。 燃え尽きを体制の問題として →
生態学的(エコロジカル)視点個人・関係・職場・地域・制度という入れ子の層で人を捉え、どの層に手を入れるかを選ぶ見方。個人研修だけで解けない課題の切り分けに使う。 システミック・アプローチ →
人と環境の適合(person–environment fit)人と環境のかみ合わせ。問題を「本人の能力不足」ではなく「合っていない状態」として捉え直すと、打ち手が本人以外にも広がる。 キャリア・コーチング →
参加型アクションリサーチ(PAR)当事者が調査と改善の主体として参加し、実践しながら知をつくる進め方。職場環境改善の話し合いもこの系譜にある。 ビジネス・組織 →
ソーシャル・サポート支えの4種類=情緒的(聴く・励ます)/道具的(手を貸す)/情報的(教える)/評価的(フィードバックする)。誰から何を受け取れているかを具体的に見立てる。 ウェルビーイング →
ソーシャル・キャピタル(社会関係資本)信頼・規範・つながりという、集団がもつ資源。個人のスキルと同じく、成果や健康に効く資源として扱う。 ビジネス・組織 →
コンサルテーション(間接支援)当事者に直接会うのではなく、支援する人を支援する関わり。一人の専門職が届く範囲を超えて広げる方法。 スーパービジョンとは →
アドボカシー(権利擁護)声が届きにくい人の側に立ち、制度や環境のほうに働きかけること。合理的配慮の交渉もこれにあたる。 多様性とコーチング →
ピアサポート/セルフヘルプ・グループ同じ経験をもつ人同士が支え合う仕組み。専門職の支援と競合せず、補い合う関係にある。 ニューロダイバーシティ →
居場所(サードプレイス)家庭でも職場でもなく、役割を降りていられる第三の場所。所属と回復の資源として設計できる。 ウェルビーイング →
社会的処方医療機関などが、薬や治療だけでなく地域の活動や人とのつながりに「つなぐ」仕組み。孤立への対応として広がっている。 ウェルビーイング →
教訓と、現場での活かし方 教訓:「本人が変われば解決する」という前提は、本人にはどうにもできない原因があるときに、その人を二重に苦しめます。コミュニティ心理学の言葉は、原因を置く場所を個人の外にも広げるための道具です。
活かし方:面談で行き詰まったら、「この困りごとは、個人・関係・職場・制度のどの層にありますか」と一度分けてみてください。層が分かると、コーチングで扱う部分と、環境調整や制度に委ねる部分を切り分けられます。
組織で扱うなら:目的から研修を選ぶ/団体・法人研修のご案内

家族支援の現場(家族療法・家族心理学)

家族療法と家族心理学は、困りごとを「誰か一人の問題」ではなく関係のやりとりの繰り返しとして捉えます。ここで生まれた見方や技法は、システミック・アプローチやナラティヴ・コーチングを通じて、職場の1on1やチーム支援にも受け継がれています。

用語意味
家族療法問題を個人の中だけに置かず、家族という関係のまとまり(システム)のなかで捉え、やりとりのしかたに働きかける心理療法の総称。構造派・戦略派・ミラノ派・ナラティヴなど複数の流れがある。 システミック・アプローチ →
家族心理学家族を一つの単位として、発達・関係・危機・回復を研究する心理学の領域。臨床(家族療法)だけでなく、子育て・介護・職場と家庭の関係も扱う。 システミック・アプローチ →
円環的因果律「AがBの原因」という直線ではなく、互いに影響し合う円環として出来事を見る考え方。犯人探しをやめ、やりとりの繰り返しに目を向ける。 システミック・アプローチ →
IP(問題の担い手とされる人)家族や職場のなかで「この人が問題だ」とされる人。その人の症状や行動が、関係のありようを映していることがある、という見方。 システミック・アプローチ →
ジェノグラム(家族図)三世代ほどの家族関係を記号で描いた図。関係の型・繰り返し・資源が一目で見える。キャリアや介護の相談でも使える。 キャリア・コーチング →
家族ライフサイクル結婚、子の誕生、就学、巣立ち、介護、死別など、家族が通る移行期の連なり。不調は移行期に起きやすく、本人の弱さとは限らない。 年齢とライフステージ →
境界(バウンダリー)家族や職場の中のまとまりを分ける線引き。曖昧すぎる(からみ合い)と硬すぎる(切り離し)の両極があり、どちらでも苦しくなる。 倫理と境界 →
三角関係化(トライアンギュレーション)二者の緊張を、第三者を巻き込むことで一時的に収める動き。子どもや若手が巻き込まれやすい。支援者自身が巻き込まれることもある。 並行過程に気づく →
多世代伝達関わり方や役割の型が、世代を越えて受け継がれること。「うちではこうするもの」という前提を見えるようにする。 ナラティヴ・コーチング →
ジョイニング支援者が家族のやり方・言葉づかい・テンポに合わせて仲間入りする関わり。構造派の基本姿勢で、初回の成否を分ける。 相手に合わせる →
ポジティブ・コノテーション(肯定的意味づけ)症状や困った行動に、家族を守ろうとする意味を見いだして言い換える技法。責めずに変化の余地をつくる。 解決志向コーチング →
外在化する会話「私はダメな親だ」を「“焦り”があなたに何をさせているか」へ置き換え、問題と人を分ける話し方。家族療法からナラティヴへ受け継がれた。 ナラティヴ・コーチング →
リフレクティング・プロセス面接を聞いていたチームが、本人たちの前で感想を語り合い、それを本人たちが聞くという往復。助言ではなく、複数の見方を差し出す。 スーパービジョンのモデル →
無知の姿勢(not-knowing)専門家が答えを知っているという前提を手放し、本人たちから教わる姿勢。コラボレイティヴ・アプローチの中核。 来談者中心 →
家族レジリエンス危機を経た家族が立ち直り、むしろ結びつきを強める力。信念のもち方・柔軟な役割・率直なやりとりの3つが支えになるとされる。 ウェルビーイング →
感情表出(EE)家族の批判・敵意・過度の巻き込みの度合い。高いほど再発と関連するという研究があり、家族を責めるためではなく家族も支援の対象と捉えるために使う。 支える側を支える →
コーチングで使うときの線引き 家族療法は心理療法であり、家族の治療そのものはコーチングの範囲ではありません。ここに挙げた語は、ものの見方と対話の作法として職場や個人の支援に借りるためのものです。虐待・暴力・うつなど臨床的な問題が疑われる場合は、その場で扱わず医療・臨床の専門職へつなぐのが原則です。
教訓と、現場での活かし方 教訓:「困った人」を探すほど、関係は固まります。家族療法が示したのは、原因を一人に置かずに、やりとりの繰り返しを見るという視点の転換でした。
活かし方:1on1で「あの人が問題で…」と語られたら、「その場面は、どんな順番で起きますか」と一度たどってみてください。誰が悪いかではなく、繰り返しのどこに手を入れられるかが見えてきます。ジェノグラムの発想は、職場の関係図にも応用できます。
組織で扱うなら:目的から研修を選ぶ/団体・法人研修のご案内
同じ語でも、業界が違えば別の意味になります「ディブリーフィング」「アセスメント」「エンパワメント」「スーパービジョン」——これらは医療・福祉・教育・航空・人事で指しているものが違います。取り違えると実害が出る14語を、業界で意味が変わる言葉にまとめました。多職種の場に関わる方は、こちらを先にお読みください。
この辞典の使い方ガイドTOPの「今日の用語」で、ここから毎日1語が日替わりで出ます(領域を選んで引くこともできます)。知らない語を引くためだけでなく、知っているつもりの語を確認するためにも使ってください。「傾聴」「承認」「リフレーミング」など、日常語と重なる用語ほど、実務での定義がずれやすくなります。

よくある質問

作業同盟とは何ですか?
支援する側と受ける側の協働関係で、目標の共有・課題への合意・情緒的な絆の3要素からなります。 成果との関連が繰り返し確認されており、技法より先に整えるべきものとされます。研究を見る
スケーリング・クエスチョンとは何ですか?
0から10の尺度で現在地を尋ねる問いです。 点数そのものより、その点数をつけた理由と、1点上げるには何が起きればよいかを聞くことに意味があります。
心理的安全性とはどういう状態ですか?
何を言っても許されるという意味ではなく、率直に発言しても不利益を受けないと思える状態を指します。 チームの学習や革新行動と関連することが知られています。高め方を見る
効果量とは何ですか?
介入がどれだけ効いたかを標準化して表す指標です。 おおよそ0.2が小、0.5が中、0.8が大の目安とされます。
リフレーミングと前向きな解釈の押しつけは違いますか?
違います。 リフレーミングは別の見方が事実に照らして成り立つかを一緒に検討することであり、つらい状態を無理に「良いこと」と言い換えることではありません。

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監修
一般社団法人 コーチング心理学協会
公開日
2026年8月31日
最終レビュー
2026年8月
注記
本ページは教育・情報提供を目的としたもので、医学的診断・治療の代替ではありません。心身の不調が疑われる場合は医療機関にご相談ください。