一般社団法人コーチング心理学協会 コーチング心理学協会キャリアコーチング特集
ポジティブ心理学 × コーチング心理学

自分らしいキャリアを、一緒に見つける。

ポジティブ心理学 × コーチング心理学を活用したキャリアコーチング

「転職したほうがいいのかな」「今の仕事をこのまま続けていいのかな」 「自分に向いている仕事が分からない」「もっと自分らしく働きたい」—— そんなキャリアの迷いを、心理学の知見と対話を通して整理していきます。 転職をすすめるサービスではありません。

キャリアコーチングキャリアコーチングとはキャリア相談キャリア形成キャリア心理学ポジティブ心理学 キャリアコーチング心理学 キャリア強み キャリア自分らしい働き方キャリアの悩みキャリアコーチング 転職しないキャリアコーチング 40代自分に向いている仕事が分からないセカンドキャリア
g = 0.82キャリア相談のキャリア面への効果
(35サンプルのメタ分析)
g = 1.29心理学にもとづくコーチングの
目標達成への効果
d = 0.53職場での強み活用介入の
個人資源への効果
6ページこの特集の構成
(FAQは全ページ合計で100問超)
ONE-SENTENCE ANSWER

キャリアコーチングとは、コーチとの対話を通して、自分の価値観・強み・経験・興味・目標を整理し、 これからのキャリアを自分で決めていくための支援であり、 転職を前提とするものではありません。

SUMMARY3分でわかるキャリアコーチング

くわしく読む時間がない方は、ここだけでおおよそのことが分かります。

POINT 1

キャリアコーチングとは?

コーチとの対話を通して、自分の価値観・強み・経験・興味・目標を整理し、これからのキャリアを自分で考えていくための支援です。

POINT 2

答えを教わる場ではありません

「この仕事が向いています」と診断されるのではなく、問いかけを通して自分の言葉で答えを見つけていきます。

POINT 3

転職しなくても使えます

転職・社内異動・役割変更・副業・学び直し・働き方の変更など、選択肢を広げてから考えるための対話です。

POINT 4

キャリアコンサルタントとの違い

キャリアコンサルタントは国家資格(名称独占)で、職業選択やキャリア形成の専門的な相談を担います。キャリアコーチングに国家資格はありません。

POINT 5

何歳からでも遅くありません

20代の「試す」から60代の「続け方を決める」まで、年代によって中心となる問いが変わるだけです。

POINT 6

心理学が土台にあります

ポジティブ心理学(強み・ウェルビーイング)とコーチング心理学(傾聴・質問・行動変容)、そしてキャリア心理学が背景にあります。

POINT 7

効果は研究でも検討されています

キャリア相談やコーチングの効果はメタ分析で検討されていますが、研究間のばらつきや出版バイアスの指摘もあります。

POINT 8

医療・心理療法ではありません

扱うのは主にキャリア・目標・行動・自己理解です。心身の不調が続く場合は医療機関等にご相談ください。

CONTENTSこの特集の5つのページ

気になるところから読んでいただけます。

01こんなお悩みはありませんか?

結論

キャリアの悩みに「正解」があるとは限りません。 大切なのは、自分自身で納得できる選択肢を見つけることです。

ひとつでも当てはまったら

それは「迷っている」のではなく、キャリアについて考え始めているということです。 迷いは、次の段階に進もうとしているサインでもあります。 このページでは、その整理のしかたを順番にご紹介します。

02キャリアコーチングとは?

結論

キャリアコーチングとは、対話を通して、 自分の価値観・強み・経験・興味・目標などを整理し、 これからのキャリアについて考えるための支援です。

いちばん大事な特徴

「答えを教えてもらう」のではなく、「自分で答えを見つける」ということです。

コーチは、あなたに向いている仕事を診断する人ではありません。 あなたが自分の言葉で考えられるように、問いかけ、整理を手伝い、 決めたことを続けられるように伴走する役割です。

なぜ「自分で見つける」ことが大切なのか

他人から与えられた答えは、状況が変わると使えなくなります。 一方、自分で「なぜそれを選ぶのか」を言葉にできていれば、 環境が変わっても、そのつど考え直すことができます。 キャリアコーチングが目指すのは、一度の正解ではなく、 キャリアについて考え続けられる状態です。

キャリアコーチングでは扱いやすいこと

  • 自分の強み・価値観の整理
  • これからの方向性を考えること
  • 選択肢を広げること
  • 目標を決めて、行動につなげること
  • 働き方を見直すこと

キャリアコーチングでは扱わないこと

  • 医療行為・心理療法
  • 求人紹介・転職のあっせん
  • 「あなたはこの仕事が向いている」という断定
  • 法的な争いごとの解決
  • 成果や収入の保証はしません

「キャリアコーチングとは?」をくわしく読む

03キャリアコーチングとキャリアコンサルタントの違いは?

結論

キャリアコンサルタントは国家資格(名称独占)で、 職業選択やキャリア形成について専門的に相談・支援する専門職です。 キャリアコーチングは、対話を通して本人が強み・価値観・目標を整理し、 行動につなげることを重視します。どちらが上ということではなく、相談したい内容で選びます。

キャリアコーチングとキャリアコンサルタントの位置づけの違いの図 キャリアコンサルタントは国家資格で職業選択やキャリア形成の専門的な相談を担い、 キャリアカウンセリングは悩みの整理と心理的支援、キャリアコーチングは自己理解から目標設定と行動を扱います。 重なりあう部分があることも示しています。 キャリアコンサルタント (国家資格・名称独占) 職業情報・制度・キャリア形成 職業選択の専門的な相談 キャリアコーチング (公的資格はない) 強み・価値観・目標・行動 未来をつくるための対話 重なる部分 自己理解 傾聴・対話 キャリアの選択 どちらが上ということではなく、相談したい内容で選びます ※ 実際の支援内容は提供者によって幅があります。ここでは一般的な傾向を示しています

キャリアコンサルタント/キャリアカウンセリング/キャリアコーチングは重なりながら、重心が違います

比較項目キャリアコーチングキャリアカウンセリングキャリアコンサルタント
主な目的自己理解・目標設定・行動・未来設計キャリアの悩みの整理と心理的支援キャリア形成・職業選択・職業生活の相談
中心の問い「これから、どうしたい?」「いま、何がつらい?」「どんな仕事・キャリアが適切か?」
アプローチ対話・質問・目標設定・行動支援傾聴・受容・感情の整理キャリア理論・職業情報・相談支援
公的な資格国家資格はない(民間の認定資格はある)国家資格はない(心理系の資格は別にある)国家資格「キャリアコンサルタント」がある(名称独占)
転職必ずしも目的ではない必ずしも目的ではない必ずしも目的ではない
強みの発見
未来の目標設定
行動変容
職業情報の提供
公的な制度の案内

※ ◎=中心的に扱う/○=扱う/△=扱う場合もあるが中心ではない。 実際の範囲は制度・資格・サービス内容によって異なるため、一般的な傾向として示しています。

キャリアコンサルタントは国家資格です

キャリアコンサルタントは職業能力開発促進法に規定された国家資格で、 2016年(平成28年)4月から制度が始まりました。名称独占資格であり、 登録していない人が「キャリアコンサルタント」やまぎらわしい名称を使用することはできません (違反した場合は30万円以下の罰金)。登録は5年ごとの更新制です。

出典:厚生労働省「国家資格キャリアコンサルタントWebサイト」 (2026年8月確認)

キャリアコンサルタントが向いている人

  • 職業選択について専門家に相談したい
  • キャリア形成について相談したい
  • 職業についての情報を整理したい
  • 職業上の課題を整理したい
  • 公的なキャリア支援制度について知りたい

キャリアコーチングが向いている人

  • 自分の強みを見つけたい
  • やりたいことを整理したい
  • 自分らしい働き方を考えたい
  • 将来のキャリアを具体化したい
  • 新しい一歩を踏み出したい
  • 仕事と人生全体のバランスを考えたい

3つの違いをさらにくわしく読む

04ポジティブ心理学 × キャリア

結論

「弱点を直す」だけでなく、「強みを活かす」という考え方です。 何が苦手かではなく、何をしているときに力を発揮できるかから考えます。

たとえば、次のような整理をします。

PERMAの5要素をキャリアに置き換えた図 ポジティブ感情、エンゲージメント、関係性、意味、達成という5要素を、 仕事の場面に置き換えた問いが並んでいます。 PERMA を「働き方」の問いに置きかえる PPositive Emotion心地よさ仕事の中で「いいな」と思える瞬間はあるかEEngagement没頭時間を忘れて取り組めることは何かRRelationshipsつながり誰と働くと力が出るか。支えは誰かMMeaning意味この仕事は誰の役に立っているかAAccomplishment達成小さくても「できた」と言えることは何か ※ PERMA は Seligman (2011) によるウェルビーイングの枠組み。ここではキャリアの問いに置き換えています

ウェルビーイングの枠組み PERMA を、働き方の問いに置きかえたもの

「ポジティブ心理学 × キャリア」をくわしく読む (強みセルフチェック24項目つき)

05コーチング心理学 × キャリア

結論

傾聴・質問・フィードバック・目標設定・行動変容という要素を通して、 自己理解 → 選択肢 → 未来 → 目標 → 小さな行動 → 振り返りという循環をつくります。

コーチング心理学によるキャリアの対話の循環図 自己理解から始まり、価値観・強み・経験の整理、選択肢を広げる、未来を考える、 目標を設定する、小さな行動、振り返り・改善へと進み、再び自己理解に戻る7段階の循環です。 対話を通して 何度もめぐる 1自己理解2価値観・強み・経験3選択肢を広げる4未来を考える5目標を設定する6小さな行動7振り返り・改善

キャリアの対話は一直線ではなく、何度もめぐる循環です

「コーチング心理学 × キャリア」をくわしく読む (キャリアを考える10の問いつき)

06Positive Career Coaching Model

結論

ポジティブ心理学とコーチング心理学を組み合わせると、 キャリアを考える流れは6つの段階に整理できます。 これは一度きりではなく、働きながら何度も戻ってくる循環です。

Positive Career Coaching Model の6ステップ図 強みを知る、価値観を知る、意味を考える、未来を描く、小さな一歩、 より良い働き方へ、という6つの段階が左から右へ進み、最後は最初へ戻る循環になっています。 ① STRENGTH強みを知る何をしている時に力を発揮できるか② VALUE価値観を知る何を大切にしていたいか③ MEANING意味を考えるその仕事は誰の役に立っているか④ VISION未来を描くどんな働き方をしていたいか⑤ ACTION小さな一歩明日からできることは何か⑥ WELL-BEINGより良い働き方へ続けながら見直していく 一度きりで終わらず、働きながら何度も戻ってくる循環です Positive Career Coaching Model ポジティブ心理学 × コーチング心理学にもとづく、キャリアを考える6つの段階

強み → 価値観 → 意味 → 未来 → 行動 → ウェルビーイング という6段階

この順番には理由があります

いきなり「何がしたいか」を考えると、多くの人が行き詰まります。 先に強み(できること)と価値観(大切にしたいこと)を並べておくと、 「やりたいこと」は選ぶものではなく、 その2つが重なるところから見えてくるものになります。

073分でわかる、あなたのキャリアタイプ

結論

キャリアの悩みは同じように見えても、 何を大切にしているかによって、考える順番が変わります。 まずは自分の傾向を確かめてみてください。

キャリアタイプ自己診断(14問・約3分)

いまの気持ちに近いものを選んでください。 正解・不正解はありません。これは妥当性の検証を行った心理検査ではありません。考えるきっかけをつくるためのワークです。

Q1. 自分が何を得意としているのかを、もっとはっきりさせたい
Q2. 「あなたの強みは?」と聞かれると、答えに詰まる
Q3. 先の見通しが立たない状態が、いちばんつらい
Q4. 多少物足りなくても、落ち着いて働ける環境を選びたい
Q5. 同じことの繰り返しが続くと、気持ちが下がってくる
Q6. やったことのない仕事を任されると、少しわくわくする
Q7. 誰と働くかで、仕事の面白さがかなり変わると思う
Q8. 職場に安心して話せる人がいるかどうかを、重視している
Q9. 自分の仕事が誰の役に立っているのか、実感したい
Q10. 納得できない方針の仕事は、気持ちが入らない
Q11. 学べていない期間が続くと、焦りを感じる
Q12. できることが増えている実感が、いちばんのやりがいだ
Q13. 仕事以外の時間も、同じくらい大切にしたい
Q14. 働き方の条件(時間・場所)は、譲りたくない部分がある
未回答:14問

08転職だけが、キャリアではありません

結論

キャリアの選択肢は転職だけではありません。 選択肢を広げてから考えるほうが、納得できる決め方になりやすくなります。

キャリアの選択肢は転職だけではないことを示す図 転職、社内異動、役割の変更、副業、学び直し、専門性を高める、独立・起業、 働き方を変える、セカンドキャリアという9つの選択肢が並んでいます。転職はそのうちの一つです。 キャリアの選択肢は、転職だけではありません 転職会社を変える社内異動場所を変える役割の変更仕事の中身を変える副業もう一つ持つ学び直し知識を足す専門性を高める深める独立・起業自分で始める働き方を変える時間・場所を変えるセカンドキャリア次の章に進む今の仕事を続ける続け方を変える キャリアコーチングは、この選択肢の幅を広げてから考えるための対話です

キャリアの選択肢。転職はそのうちの一つにすぎません

「今の会社を辞めるか、我慢するか」という二択で考えていると、 どちらを選んでも納得しにくくなります。 実際には、役割を変える・仕事の中身を組み替える・学び直す・働く時間や場所を変えるなど、 その間にたくさんの選択肢があります。

「いまの仕事を続けながら変える」という選択肢

仕事の中身や関わり方を自分で少しずつ調整することを、心理学では ジョブ・クラフティングと呼びます。 14研究のメタ分析では、ワーク・エンゲイジメント g = 0.31、 文脈的パフォーマンス g = 0.39 という効果が報告されています(Oprea et al., 2019)。 ただし「負担を減らす方向」だけのクラフティングは、 かえってエンゲイジメントの低下と関連するという報告もあります。

9つの選択肢をくわしく読む

09キャリアコーチングでは何をする?(7ステップ)

結論

一般的には、現在地の整理から始めて、最後は「明日からできる小さな一歩」まで 落としていきます。そして次回、その振り返りから始まります。

  1. 現在地を整理する

    いま何が起きていて、何に困っているのか。事実と気持ちを分けて並べます。

  2. これまでの経験を振り返る

    うまくいったこと、苦しかったこと、乗り越えたこと。事実として並べ直します。

  3. 強みを発見する

    力を発揮できた場面に共通する動きを探します。他者からの言葉も材料にします。

  4. 価値観を整理する

    何を大切にしていたいのか。譲れないものと、譲れるものを分けます。

  5. 理想の未来を考える

    役職や年収でなくても構いません。1日の過ごし方から描くこともできます。

  6. 選択肢を増やす

    転職か現状維持かの二択を崩し、間にある選択肢を並べます。

  7. 具体的な行動を決める

    明日からできる小さな一歩まで落とします。そして次回、振り返ります。

「1回で答えが出る」わけではありません

キャリアの整理は、一度話して終わりになるものではありません。 書き出した内容は変わっていきますし、変わってよいものです。 大切なのは、考えたことを行動に移し、その結果からまた考えるという循環をつくることです。

10どんな人におすすめ?

結論

年代によって、キャリアの中心にある問いは変わります。 「遅すぎる」ということはありません。

20代・30代

はじめてキャリアを考える人

「自分に向いている仕事」を、経験の中から探していく段階です。

40代

キャリアの転換期にいる人

「これまでの経験を、これからどう活かすか」が中心の問いになります。

50代・60代

セカンドキャリアを考える人

「これからの人生で何を大切にしたいか」から働き方を考えます。

役割と自分の両方を考えたい人

管理職・リーダー

組織での役割と、自分自身のキャリアを分けて考える時間が必要な立場です。

年代ごとにキャリアの問いが変わることを示す図 20代は「試す」、30代は「選ぶ」、40代は「活かす」、50代は「手渡す」、 60代は「続け方を決める」という中心的な問いの変化を示しています。 20代試す何が向いているか、やってみる30代選ぶ何を軸にするかを決める40代活かすこれまでをどう活かすか50代手渡す誰に何を残していくか60代〜続け方どう働き続けるか

年代ごとに、キャリアの中心にある問いは変わります

年代別のキャリアの考え方を読む

11科学的な根拠と、その限界

結論

キャリア相談やコーチングの効果は、複数のメタ分析で検討されています。 ただし、「受ければ必ず効果がある」ことを示すものではありません。 限界も含めて示します。

キャリア相談・キャリアカウンセリングの効果
g = 0.82(キャリア面)/g = 0.68(メンタルヘルス面)
Milot-Lapointe et al. (2025) Journal of Employment Counseling, 35サンプルのメタ分析
https://doi.org/10.1002/joec.12239
効果は研究間でばらつきが大きい(異質性が高い)と報告されています。また、意思決定プロセスの説明・書く作業・個別フィードバックなど、5つの構成要素が効果を予測したとされています。
キャリア選択への介入(古典的メタ分析の再検証)
平均効果量 0.35/キャリア意思決定の自己効力感は 0.45
Whiston et al. (2017) Journal of Vocational Behavior, 57研究のメタ分析
https://doi.org/10.1016/j.jvb.2017.03.010
「支援者の関わり(counselor support)」が重要な要素として指摘されています。
心理学にもとづくコーチングの効果
目標達成 g = 1.29/自己効力感 g = 0.59/統合的アプローチ g = 0.71
Wang et al. (2021) Journal of Work-Applied Management, 20研究・957名のメタ分析
https://doi.org/10.1108/JWAM-04-2021-0030
単一の流派より、認知行動的アプローチと強みに着目するアプローチを組み合わせた統合的な進め方のほうが結果がよかったと報告されています。
コーチング全体の効果(RCTのみのメタ分析)
g = 0.59(中程度)
de Haan et al. (2023) Academy of Management Learning & Education, RCT 37研究・2,528名
https://doi.org/10.5465/amle.2022.0107
著者ら自身が「出版バイアスの兆候がある」と明記しています。また自己評価による指標のほうが、他者評価より効果が大きく出る傾向があります。
職場での強みの活用に関する介入
個人資源 d = 0.53/職場のウェルビーイング d = 0.31/パフォーマンス d = 0.28
Vîrgă et al. (2022) Applied Psychology, 統制群のある21試験の事前登録メタ分析
https://doi.org/10.1111/apps.12451
フォローアップ時点ではパフォーマンスへの効果は有意でなくなりました。「強みを知る」だけでは足りず、使い続ける仕組みが必要と考えられます。
キャリア・アダプタビリティ(キャリアの適応力)
キャリア意思決定の自己効力感との相関 r = .36〜.44
Stead et al. (2021) Journal of Career Development, 18研究・6,339名のメタ分析
https://doi.org/10.1177/08948453211012477
関心・コントロール・好奇心・自信の4要素からなる心理的資源で、職業アイデンティティや仕事満足度とも関連が報告されています(Rudolph et al., 2017/90研究)。
ジョブ・クラフティング(仕事の捉え直し・作り替え)
ワーク・エンゲイジメント g = 0.31/文脈的パフォーマンス g = 0.39
Oprea et al. (2019) European Journal of Work and Organizational Psychology, 14研究のメタ分析
https://doi.org/10.1080/1359432X.2019.1646728
転職せずに、いまの仕事の中身を自分で調整するアプローチ。ただし「負担を減らす方向」のクラフティングはエンゲイジメントの低下と関連するという報告もあります(Lichtenthaler & Fischbach, 2018)。
中高年期の「次世代への貢献(generativity)」
仕事満足・動機づけ・ウェルビーイングと正の関連
Doerwald et al. (2019) Journal of Vocational Behavior, 48研究・15,356名のメタ分析
https://doi.org/10.1016/j.jvb.2020.103521
40代以降のキャリアを「維持」ではなく「誰かに手渡す」という方向で捉え直す根拠のひとつになります。
関係性(ワーキング・アライアンス)の重要性
コーチングの成果との相関 r = .41/キャリア相談では r = .42
Graßmann et al. (2020) Human Relations, 27サンプル・3,563件/Milot-Lapointe et al. (2020) Journal of Career Assessment, 18研究
https://doi.org/10.1177/0018726718819725
技法よりも「安心して話せる関係」が成果を左右することを示しています。意図しない悪影響とは負の相関(r = −.29)でした。
これらの研究を読むときの注意点
  • 効果量は研究によるばらつき(異質性)が大きく、「誰にでも同じ効果がある」ことを意味しません。
  • 自己報告による測定が多く、他者評価では効果が小さく出る傾向があります。
  • 出版バイアス(よい結果ほど論文になりやすい偏り)の指摘があります。
  • 欧米の研究が中心で、日本の労働環境にそのまま当てはまるとは限りません。
  • 「キャリアコーチングを受ければ転職に成功する」ことを示した研究ではありません。
  • 長期(1年以上)の追跡データは限られています。

効果量(g・d)は、おおまかに 0.2=小、0.5=中、0.8=大 と解釈されますが、 これはあくまで目安です。数字が大きいほど「自分に効く」という意味ではありません。

キャリアを支える3つの心理学の構造図 キャリアという中心から、ポジティブ心理学、コーチング心理学、キャリア心理学の 3領域に分かれ、それぞれに強み・PERMA・ウェルビーイング・レジリエンス、質問・傾聴・目標設定・行動変容、 自己理解・キャリア意思決定・キャリア形成・セカンドキャリアという要素が並びます。 キャリア ポジティブ心理学強みPERMA・ウェルビーイングレジリエンス意味・フローコーチング心理学傾聴・質問フィードバック目標設定行動変容キャリア心理学自己理解キャリア意思決定キャリア形成セカンドキャリア

キャリアを支える3つの心理学。この特集は、この構造で組み立てています

COURSEキャリア支援を心理学から学ぶ|関連する講座・資格

キャリアについて「相談する」だけでなく、「学ぶ」という選択肢もあります。一般社団法人コーチング心理学協会では、コーチング心理学・ポジティブ心理学にもとづく講座を開講しています。以下は関連する講座の一覧です(特定の講座をおすすめするものではありません)。

必修コーチング心理学基礎講座®

コーチング心理学の全体像と、傾聴・質問・目標設定の基本を学ぶ入口の講座。

キャリアの視点では:キャリアの対話の土台になる、聴き方と問いかけ方を学べます。
必修フィードバックスキルコーチ®

伝え方・受け取り方を扱う講座。Iメッセージなど具体的な技法を学ぶ。

キャリアの視点では:自分では気づきにくい強みを、他者からの言葉として受け取る技術です。
選択必修ストレングスコーチ

強みの見つけ方・活かし方を扱う講座。

キャリアの視点では:キャリアの強み探しに最も直接つながる講座です。
選択必修ポジティブ心理コーチ

ポジティブ心理学の理論をコーチングに活かす講座。

キャリアの視点では:PERMA・ウェルビーイングをキャリアの視点で扱えるようになります。
選択必修解決志向コーチ®

問題の原因追及より、すでにできていることや例外に着目する対話。

キャリアの視点では:「やりたいことがない」という行き詰まりに強いアプローチです。
選択必修ナラティヴコーチ®

その人が語る物語(ナラティヴ)から意味を捉え直す対話。

キャリアの視点では:これまでの経験を「意味のある一続きの物語」として再構成できます。
選択必修認知行動コーチ®

考え方のクセと行動の関係を扱う、認知行動的アプローチ。

キャリアの視点では:「どうせ自分には無理」という思い込みの検討に役立ちます。
選択必修モチベーション心理コーチ

動機づけの理論を対話に活かす講座。

キャリアの視点では:「やる気が出ない」の背景を、性格ではなく構造から捉えます。
選択必修エンゲージメント・コーチング®

働きがい・没頭・仕事への関与を扱う講座。

キャリアの視点では:「今の仕事のままで、働きがいを上げられるか」を考える視点です。
選択必修創造的問題解決コーチ®

選択肢を広げ、新しい解決策を生み出す対話。

キャリアの視点では:「転職か現状維持か」の二択を崩すのに向いています。
選択必修パーソナリティ心理学コーチ

性格特性の理論をコーチングに活かす講座。

キャリアの視点では:どんな環境なら力を発揮しやすいかを考える材料になります。
選択必修エニアグラム心理コーチ®

エニアグラムを用いた自己理解と対人理解の講座。

キャリアの視点では:自己理解の切り口を増やしたい方に。
選択必修ストレスマネジメントコーチ

ストレスへの対処とレジリエンスを扱う講座。

キャリアの視点では:キャリアの過渡期を乗り切る力の整理に役立ちます。
選択必修発達障害支援コーチ

発達の特性を踏まえた支援を学ぶ講座。

キャリアの視点では:特性に合った働き方・環境を一緒に考える視点を扱います。
認定資格コーチング心理士®

必修2講座+選択必修12講座から3講座+課題提出・協会審査による認定資格。

キャリアの視点では:キャリア支援を心理学から体系的に学びたい方の到達点のひとつです。
受講にあたっての注意

開催日程・受講料・カリキュラムは変更される場合があります。最新の情報は各講座ページ、 またはお問い合わせフォームからご確認ください。 講座はオンラインで定期的に開催しています。

FAQよくある質問(30問)

キャリアコーチングとは何ですか?

キャリアコーチングとは、コーチとの対話を通して、自分の価値観・強み・経験・興味・目標などを整理し、これからのキャリアについて自分で考えていくための支援です。「答えを教えてもらう」のではなく、「自分で答えを見つける」ことを重視します。

キャリアコーチングでは何をするのですか?

一般的には、①現在地の整理 ②これまでの経験の振り返り ③強みの発見 ④価値観の整理 ⑤理想の未来を考える ⑥選択肢を増やす ⑦具体的な行動を決める、という流れで進みます。毎回、前回決めた行動の振り返りから始めることが多いです。

キャリアコーチングとキャリアコンサルタントの違いは?

キャリアコンサルタントは、職業能力開発促進法にもとづく国家資格で、2016年4月から資格制度が始まりました。名称独占資格であり、登録していない人が「キャリアコンサルタント」やまぎらわしい名称を使うことはできません。職業選択やキャリア形成について専門的に相談・支援する専門職です。

一方、キャリアコーチングは、対話や質問を通して本人が自分の強み・価値観・目標などを整理し、キャリアの方向性を考え、行動につなげることを重視します。キャリアコーチングそのものに国家資格はありません。両者には重なる部分もあり、実際の支援方法は提供者によって異なります。

キャリアコンサルタントとキャリアコーチ、どちらがいいですか?

どちらが優れているということではなく、相談したい内容によって選ぶことが大切です。職業選択やキャリア形成、公的な制度について専門的に相談したい場合はキャリアコンサルタント、自分の強み・価値観・目標を整理し、未来に向けて行動したい場合はキャリアコーチングが適している場合があります。両方を使い分ける人もいます。

キャリアカウンセリングとは何が違いますか?

一般的には、キャリアカウンセリングは「いま感じている困りごとや不安の整理」に重心があり、キャリアコーチングは「これからどうしたいかと、そのための行動」に重心があります。ただし呼び方はサービスによって幅があり、明確に線引きできるものではありません。大切なのは名称よりも、実際に何を扱ってもらえるかを事前に確認することです。

転職するつもりがなくても利用できますか?

はい。キャリアコーチングは転職だけを目的とするものではありません。いまの仕事を続けながらキャリアを見直す、社内で新しい役割に挑戦する、学び直す、副業を始める、働き方を変える、セカンドキャリアを考えるなど、さまざまな選択肢を考えることができます。

キャリアコーチングは転職を勧められるサービスですか?

キャリアコーチングは、本人が自分で選ぶことを支える対話です。特定の求人や転職を勧めることを目的とするものではありません。ただし、転職支援サービスがキャリアコーチングという名称を使っている場合もあるため、利用前に「何を目的としたサービスか」を確認することをおすすめします。

やりたいことが何もありません。それでも相談できますか?

できます。むしろ、そこから始める方が多いです。「やりたいことを探す」前に、これまで楽しかった経験、苦にならずにできたこと、感謝された経験、大切にしたい価値観などを整理するところから始めます。やりたいことは、探すものというより、整理していく中で輪郭が見えてくるものです。

自分の強みが分かりません。

過去の経験や、周囲からのフィードバックを整理しながら、自分では気づきにくい強みを見つけていきます。強みは「特別な才能」である必要はなく、「苦にならずにできること」「自然にやってしまうこと」が候補になります。

30代ですが、キャリアコーチングは役に立ちますか?

30代は「何を軸にするかを選ぶ」時期にあたることが多く、経験がある程度たまっている分、整理する材料も多くあります。選択肢が多いために迷いやすい時期でもあり、価値観の優先順位を言葉にする作業が特に役立ちます。

40代・50代でも大丈夫ですか?

年齢にかかわらず、これまでの経験をこれからのキャリアにどう活かすかを考えることができます。中高年期には「次の世代に何を手渡すか」という視点(generativity)が仕事の満足感やウェルビーイングと関連することが報告されています(Doerwald et al., 2019/48研究のメタ分析)。

60代からのセカンドキャリアにも使えますか?

使えます。60代以降は「働くかどうか」より「どう働き続けるか」が中心の問いになりやすく、時間・体力・役割・収入のバランスをどう設計するかがテーマになります。

心理カウンセリングとは違いますか?

キャリアコーチングは、主としてキャリア・目標・行動・自己理解などを扱います。医療行為や心理療法を目的とするものではありません。気分の落ち込みや不眠などが続いている場合は、医療機関や専門の相談窓口にご相談ください。

キャリアコーチングを受けるメリットは何ですか?

ひとりで考えていると同じところを回りがちな思考が、問いかけによって整理されやすくなること、自分では気づいていない強みや前提が言葉になること、そして「考えるだけ」で終わらず行動まで決めること、が挙げられます。

逆に、デメリットや向かない場合はありますか?

「すぐに答えを教えてほしい」という場合には物足りなく感じることがあります。また、心身の不調が強いときや、職場でのハラスメントなど権利にかかわる問題が中心のときは、医療機関や専門の相談窓口のほうが適しています。

どのくらいの期間・回数が必要ですか?

提供者によって幅がありますが、数回で区切る形と、数か月にわたって継続する形の両方があります。研究では、コーチングの効果はセッション数や期間の長さに大きくは依存しないという報告もあります(de Haan et al., 2023)。

料金の相場はどのくらいですか?

日本国内のキャリアコーチングの料金について、公的な統計は確認されていません。無料の公的相談から、数万円規模の民間プログラムまで幅があります。金額だけでなく、扱う範囲・回数・進め方を確認して比較することをおすすめします。

オンラインでも効果はありますか?

オンラインでのキャリア支援について、効果を報告したメタ分析があります(Yiğit et al., 2026/14研究・1,721名)。ただし研究間のばらつきが大きく、対面と比べてどうかを結論づけるにはさらに研究が必要とされています。

キャリアコーチングに効果があるという根拠はありますか?

キャリア相談についてはメタ分析でキャリア面 g = 0.82、メンタルヘルス面 g = 0.68 という報告があり(Milot-Lapointe et al., 2025)、心理学にもとづくコーチングでは目標達成 g = 1.29、自己効力感 g = 0.59 という報告があります(Wang et al., 2021)。

ただし、効果量には研究間のばらつきがあり、自己報告による測定が多いこと、出版バイアスの指摘があることなど、限界も報告されています。

コーチとの相性は重要ですか?

重要と考えられます。コーチとの関係(ワーキング・アライアンス)と成果の相関は r = .41(Graßmann et al., 2020)、キャリア相談では r = .42(Milot-Lapointe et al., 2020)と報告されています。技法よりも「安心して話せるかどうか」が結果を左右する可能性があります。

ポジティブ心理学をキャリアに使うとは、どういうことですか?

「何が苦手か」を探すのではなく、「何をしているときに力を発揮できるか」「どんな環境なら自分らしく働けるか」「これまでどんな経験を乗り越えてきたか」を整理する、という考え方です。強み・PERMA・レジリエンス・ウェルビーイングといった枠組みを使います。

コーチング心理学とは何ですか?

コーチングを心理学の理論と研究にもとづいて行おうとする領域です。傾聴・質問・フィードバック・目標設定・自己効力感・行動変容などを扱います。特定の型(モデル)に沿って進めるだけでなく、なぜその問いかけが有効なのかを理論から説明できる点が特徴です。

強み診断ツールを受ければ十分ではないですか?

診断ツールは出発点として有用ですが、結果を「自分の言葉」にしないと使えません。また、強みは知るだけでは効果が続きにくく、使い続ける仕組みが必要であることが報告されています(Vîrgă et al., 2022)。

女性のキャリア相談にも対応できますか?

ライフイベントと働き方の関係、復職後の役割の変化、時間の制約の中での成長など、扱えるテーマは幅広くあります。重要なのは性別ではなく、その人が置かれている状況と、何を大切にしたいかを一緒に整理することです。

管理職ですが、自分自身のキャリアを相談できますか?

できます。管理職は「部下のキャリアを支える立場」であると同時に、自分自身のキャリアについて相談する相手を持ちにくい立場でもあります。組織での役割と、自分自身のキャリアを分けて考える時間が役立ちます。

会社に知られずに相談できますか?

社外のサービスを個人で利用する場合、通常は会社に共有されません。ただし、会社が費用を負担する形の場合は扱いが異なることがあります。利用前に、記録の扱いと共有範囲を確認することをおすすめします。

キャリアコーチングを仕事にすることはできますか?

キャリアに関する支援を行う仕事にはさまざまな形があります。コーチング心理学協会では、コーチング心理学・ポジティブ心理学にもとづく講座を開講しており、認定資格「コーチング心理士®」の取得も可能です。ただし、資格があれば仕事になるとは限らず、誰に何を届けるのかという設計が別途必要になります。

この特集ページは何を読めばいいですか?

キャリアコーチングという言葉を初めて知った方は、まず「キャリアコーチングとは」のページから読むのがおすすめです。「強みが分からない」という方は「ポジティブ心理学×キャリア」、「対話の中身を知りたい」方は「コーチング心理学×キャリア」、年代の悩みが中心の方は「年代別のキャリア」、具体的な悩みから読みたい方は「キャリアの悩み別」へ進んでください。

相談してみたい場合はどうすればいいですか?

一般社団法人コーチング心理学協会のお問い合わせフォームからご連絡ください。講座についてのご質問も同じ窓口で承っています。

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本ページは2026年8月時点の情報にもとづいて作成しています。講座内容・料金・開催日程は変更される場合がありますので、最新の情報は各講座ページでご確認ください。

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