「認知行動療法は保険適用されるのか」「看護師や公認心理師はどう関われるのか」「認知行動療法と認知行動コーチングは何が違うのか」。2026年度診療報酬改定を踏まえて制度を正確に整理し、そのうえで“現場で使える学び方”までを一本の道筋にまとめました。
認知行動療法は保険適用されますか?
はい。認知行動療法は、日本の診療報酬制度において「I003-2 認知療法・認知行動療法」として保険診療の対象になっています。ただし、保険医療機関であること、所定の施設基準を満たすこと、医師による治療計画、対象疾患、実施者の要件、所定時間、算定回数などの条件があります。
看護師が行う認知行動療法は保険適用されますか?
医師と看護師が共同して認知療法・認知行動療法を実施する場合、所定の施設基準等を満たす保険医療機関では診療報酬の算定対象となります。2026年度診療報酬改定後は、この区分が350点とされています。
認知行動コーチングとは何ですか?保険適用されますか?
認知行動コーチングとは、認知行動療法の理論・技法を基盤として、認知・感情・行動の相互作用を扱い、目標設定、行動変容、自己効力感、問題解決等を支援する心理的アプローチです。認知行動コーチングそのものは、独立した保険診療項目としては評価されていません。一方2026年度改定では、所定の要件を満たす保険医療機関において、公認心理師による「認知行動療法的アプローチに基づく心理支援」が330点で評価されるようになりました。
※本ページの制度情報は厚生労働省の公表資料にもとづき整理しています。最新かつ正式な内容は厚生労働省の公表資料および所管の地方厚生(支)局でご確認ください。
「考え方」と「行動」の両方から、こころと生活を立て直す
認知行動療法(Cognitive Behavioral Therapy/CBT)は、出来事そのものよりも「その出来事をどう受け取ったか(認知)」と「そのあとどう振る舞ったか(行動)」に注目する心理療法です。認知・感情・行動・身体反応は互いに影響し合っており、どこか一つが変わると全体が動く——この理解が、CBTのすべての技法の土台になります。
臨床では、うつ病、不安症、強迫症、PTSD、摂食障害、不眠症などに対する効果が数多くの研究で検証されてきました。日本の診療報酬制度に「認知療法・認知行動療法」として位置づけられているのも、この実証的な蓄積が背景にあります。
CBTの科学を、治療の外側でも使えるようにする
認知行動コーチングの定義
認知行動コーチングとは、認知行動療法の理論・技法を基盤として、認知・感情・行動の相互作用を扱い、目標設定、行動変容、自己効力感、問題解決等を支援する心理的アプローチです。
認知行動療法が「症状を減らす」ことを目指すのに対し、認知行動コーチングは「望む状態に近づく」ことを目指します。扱うのは同じ認知・感情・行動の相互作用ですが、出発点が問題ではなく目標である点が決定的に異なります。
漠然とした願いを、観察可能で達成可能な行動目標に翻訳する。
目標達成を妨げている思い込み(「完璧でなければ意味がない」等)を検討する。
小さく試し、結果を観察し、修正する。行動実験の発想を日常に持ち込む。
成功体験・代理体験・言語的説得・生理的状態の4経路から意図的に育てる。
問題の定義→選択肢の産出→評価→実行→検証という手順を本人が回せるようにする。
セルフモニタリングと環境調整により、支援がなくても続く状態をつくる。
結論:対象です。ただし「学んだ人なら誰でも実施できる」という意味ではありません
認知行動療法は保険適用されますか?
はい。認知行動療法は、日本の診療報酬制度において「I003-2 認知療法・認知行動療法」として保険診療の対象になっています。ただし、対象疾患、保険医療機関の施設基準、実施者、治療時間、算定回数などの条件があります。
| 実施形態 | 点数 | ポイント |
|---|---|---|
| 医師による場合 | 480点 | 認知行動療法に習熟した医師が実施 |
| 医師+看護師が共同して行う場合 | 350点 | チーム医療として制度上位置づけられている区分 |
| 公認心理師による心理支援を伴う場合 | 330点 | 2026年度改定で新設/認知行動療法的アプローチに基づく心理支援 |
うつ病等の気分障害、強迫性障害、社交不安障害、パニック障害、心的外傷後ストレス障害(PTSD)、神経性過食症、不眠症。2026年度改定で不眠症が追加されました。
原則として一連の治療につき16回まで。ただし不眠症については8回までという扱いです。
350点——認知行動療法は「医師だけのもの」ではありません
看護師が行う認知行動療法は保険適用されますか?
医師と看護師が共同して認知療法・認知行動療法を実施する場合、所定の施設基準等を満たす保険医療機関では、診療報酬の算定対象となります。2026年度診療報酬改定後は、この区分が350点とされています。
ここが看護師にとって決定的に重要な点です。認知行動療法は、一定の施設基準等を満たした保険医療機関において、医師と看護師が共同して実施する場合も診療報酬の対象となる——つまり、制度そのものがチーム医療を前提に設計されています。
さらに2026年度改定では、従来あった「看護師による面接後、毎回医師が一定時間以上面接する」という要件が廃止されるなど、医師・看護師の共同実施に関する要件の見直しが行われました。看護職が担える役割の幅は、制度上むしろ広がっています。
制度の入口に立つ以前に、まず必要になるのは「認知行動的にものを見る目」です。次の順序が、現場で最も無理がありません。
330点——2026年度改定で新設された、心理職にとっての大きな一歩
公認心理師による認知行動療法は保険適用されますか?
2026年度診療報酬改定において、公認心理師による認知行動療法的アプローチに基づく心理支援を伴う場合が「認知療法・認知行動療法」の一類型として新たに評価され、330点が設定されました。所定の施設基準および実施者要件を満たす必要があります。
「認知行動療法的アプローチに基づく心理支援」という表現は、2026年度改定で登場した制度上の新しい言葉です。公認心理師が国家資格化されて以降、医療機関における心理職の役割をどう評価するかは長く議論されてきましたが、今回それが認知行動療法の枠組みのなかで明確に位置づけられました。
5つのポイントで押さえる改定の要点
「公認心理師による認知行動療法的アプローチに基づく心理支援を伴う場合」が新たに評価対象に。
不眠症に対する認知行動療法(CBT-I)が保険診療の枠組みに入りました。
その他の疾患は原則16回まで、不眠症は8回までという算定回数が設定されています。
看護師の面接後に毎回医師が面接する要件の廃止など、共同実施の要件が見直されました。
医師・看護師・公認心理師それぞれの区分が並び、チームで担う構造が制度上はっきりしました。
制度が多職種前提に動いた以上、認知行動的な理解と技術を持つ人材の重要性は現場レベルで確実に高まります。
ここを混同したまま学び始めると、必ずどこかで齟齬が出ます
保険診療として算定するためには、次のような条件を満たす必要があります。
| 区分 | 内容 |
|---|---|
| 実施場所 | 保険医療機関であること |
| 施設基準 | 所定の施設基準を満たし、届出を行っていること |
| 医師の関与 | 認知行動療法に習熟した医師による治療計画の作成・患者への説明 |
| 対象疾患 | 告示で定められた疾患であること |
| 実施者要件 | 職種・勤務経験・実践経験・研修修了等の要件 |
| 実施方法 | 所定時間、実施内容、記録等 |
| 算定回数 | 原則16回(不眠症は8回) |
したがって、資格講座を検討するときは「この講座で保険算定できるようになるか」ではなく、「この講座で、自分の現場のどの場面が良くなるか」を基準にするのが正しい問いの立て方です。そして看護・心理の実務では、その“保険診療の外側”こそが圧倒的に広い。次のセクションで、その地図を描きます。
関連しているが、同じものではない
| 項目 | 認知行動療法 | 認知行動コーチング |
|---|---|---|
| 主目的 | 疾患・心理的問題への治療 | 行動変容・目標達成・成長支援 |
| 主な対象 | 精神疾患等の診断がある方 | 健康・生活・仕事・学習など幅広い層 |
| 医療保険 | 一定の条件で対象 | 通常、認知行動コーチング自体が保険診療になるわけではない |
| 医療との関係 | 医療行為・精神療法 | 医療・教育・職場等への応用 |
| 看護師の活用 | 患者への治療的支援(医師との共同実施) | 対話・セルフマネジメント・行動変容支援 |
| 基盤 | CBT | CBT+コーチング |
| 重要な技法 | 認知再構成、行動活性化、曝露 等 | 質問、目標設定、行動計画、自己効力感 等 |
| 学習目的 | CBTの専門的実践 | CBTの考え方を対人支援・行動変容に応用 |
認知・感情・行動の理解、認知の偏り、行動活性化、問題解決、セルフモニタリング
質問・傾聴、目標設定、自己効力感、行動計画、フィードバック、行動変容
医師の治療計画、対象疾患、実施者要件、施設基準、診療報酬
目的別・2つのルート
※このルートは所属機関の体制に大きく左右されます。個人の努力だけでは進まない部分がある点に留意が必要です。
※所属機関の体制に依存せず、明日から個人で始められるルートです。認知行動コーチングの学習が直接ここに効きます。
保険診療の“内側”と“外側”、両方の言語を持つ
2026年度改定によって、医療機関における公認心理師の役割は制度上より明確になりました。同時に、公認心理師の活動領域は医療だけではありません。教育・産業・司法・福祉の各分野では、そもそも「治療」の枠組みが当てはまらない相談が大半を占めます。
医師の治療計画のもとで、対象疾患の患者に対して認知行動療法的アプローチに基づく心理支援を行う。施設基準・実施者要件・記録・多職種連携が前提となる領域。
高ストレス者面談、復職支援、キャリア相談、管理職研修、学生支援、健康行動の支援。「治療ではない心理学の提供」が求められる、拡大し続けている領域。
この外側の領域で、治療モデルの言葉のまま話してしまうと、相手を「患者」の位置に置いてしまいます。認知行動コーチングは、同じCBTの科学を目標志向・協働的・非病理的な言語で提供するための枠組みです。両方の言語を持つ公認心理師は、活動領域でも役割の設計でも、選択肢が大きく広がります。
保険診療の外側に、これだけの領域があります
10問に答えると、目的に合った学習ルートを提案します(所要2分・入力不要)
それぞれの項目について、いまのご自身に近いものを選んでください。
※本診断は学習ルートの検討を助けるための簡易的な目安であり、心理検査・診断ではありません。また、診療報酬の算定可否を判定するものでもありません。
「何のために学ぶのか」で、選ぶべきものが変わります
| 種類 | 主な目的 | 対象者 | 期間の目安 | 診療報酬との関係 |
|---|---|---|---|---|
| 公的研修 (厚生労働省の研修事業等) | 保険診療におけるCBTの実施体制づくり | 医師、保険医療機関で精神医療に一定期間従事する看護師・公認心理師等 | 複数日〜年単位(事例検討・スーパービジョンを含む場合あり) | 実施者要件・研修要件に関わる(要件は年度・告示により異なる) |
| 学会・専門団体の研修/認定 | 臨床的CBTの専門性の証明 | 心理職・医療職が中心 | 年単位 | 直接の算定資格ではない |
| 大学院・大学の科目等履修 | 理論・研究法を含む体系的学習 | 要件を満たす学生・社会人 | 半年〜数年 | 直接の算定資格ではない |
| 民間の資格講座 (認知行動コーチ®等) | CBTの考え方と技法を実務に応用する | 職種を問わず(心理学の予備知識不要のものも) | 2日間〜(段階制) | 算定資格ではない/実務スキルの習得が目的 |
保険診療の体制づくりか、日々の対人支援の質か。ここを取り違えると時間が無駄になります。
講義だけでは行動は変わりません。ロールプレイ・ワークシート・演習の量を確認しましょう。
技法の紹介にとどまらず、なぜ効くのか・どこまで言えるのかを説明しているか。
更新料・再受講制度・教材の業務利用可否など、学び続けられる設計になっているか。
「資格を取れば保険診療ができる」といった不正確な訴求をしていないか。ここは信頼性の試金石です。
制度上の要件を曖昧にしたまま「医療現場で使える資格」を強調する説明には注意が必要です。
科学と実践を往復する、コーチング心理学の専門団体
「研究者であり実践者である」という国際的な専門職教育モデルにもとづき、理論・エビデンスの講義と実技演習を必ずセットで構成しています。技法の羅列ではなく、なぜ効くのかまで扱います。
国際コーチング心理学会(ISCP)、国際ポジティブ心理学協会(IPPA)に参画。コーチング心理学・ポジティブ心理学の国際的な研究動向を、講座内容に継続的に反映しています。
認知行動コーチ®をはじめとする主要資格は特許庁登録の商標資格。更新料不要の終身資格として運用しており、取得後の維持コストがかかりません。
スモールステップの法則にもとづくカリキュラム設計。心理学の予備知識がない方でも、2日間で認知行動的アプローチの基礎から実践までを体験できます。
認定修了者は、講座で用いたワークシート等の教材(PDF・Word)を業務で活用できます。学んだ翌日から、現場の面談で実際に使えるかたちで持ち帰れます。
カードゲーム、ワークシート、心理テスト、専用アプリなど、体験を通じて理解を定着させる教材を独自に開発。資格取得者には専用アプリも提供しています。
「やって良かった」で終わらせず、心理尺度による効果測定の視点を組み込みます。医療機関・組織での取り組みを説明可能にするうえで重要な要素です。
基礎資格 → 専門コーチ資格(認知行動コーチ®・ナラティヴ・コーチ®・解決志向コーチ®など) → 上位資格(コーチング心理士®)という3階層構成。学びを積み上げられます。
オンライン講座に加え、対面ワークショップ、現地への出張研修・講師派遣に対応(拠点は東京・浜松町/横浜、全国対応)。院内研修としての実施もご相談いただけます。
認知行動療法の理論を土台に、現場で使えるコーチングまで一気通貫で学ぶ
認知行動療法の歴史と背景、論理情動行動療法(REBT)、スキーマ療法、行動分析学との関連、ソクラテス式質問法、カード教材を活用した問題解決療法。
認知行動コーチングの実践技法、ケースフォーミュレーション、上向き矢印法、アクションプラン設定、イメージ技法、自己肯定感・自尊感情・自己効力感を育てる認知行動的アプローチ。
思考・感情・行動を俯瞰する力を高めるアプローチ、メタ認知質問ワーク、認知バイアスへの対応。
マインドフルネスを活用した自己受容・自己統制・感情調整、コンパッション・コーチング、ACTマトリックスを活用したコーチング。あわせてAIの活用法、カード教材、心理テスト、専用アプリも扱います。
専門コーチ資格を積み上げると、上位資格のコーチング心理士®を目指せます。5講座(44,000円×5=220,000円)で構成され、5講座セット受講の場合は審査申請費33,000円が免除されます。学歴・実務経験は問いません。
※開催日程は本文には掲載していません。オンラインで定期的に開催しており、最新の日程は公式の講座ページでご確認ください。受講料等も公式ページの記載が最新です。
「効く」と言えることと、言えないことを分ける
認知行動療法は、うつ病や不安症をはじめとする多くの精神疾患に対して、ランダム化比較試験とメタ分析によって効果が繰り返し検証されてきた心理療法です。不眠症に対する認知行動療法(CBT-I)についても、睡眠薬に依存しない第一選択の治療として国際的に位置づけられており、2026年度診療報酬改定で対象疾患に追加された背景にはこうした蓄積があります。
一方、認知行動コーチングは、コーチング心理学の領域で研究が進められてきたアプローチです。目標達成、自己効力感、ストレス低減、ウェルビーイングといった指標について効果を報告する研究がありますが、臨床CBTの研究蓄積と比べれば数は限られており、対象・アウトカム・研究デザインも多様です。
認知行動療法・認知行動コーチング・保険適用・資格に関する31の質問
認知行動療法は、出来事そのものではなく「その出来事をどう受け取ったか(認知)」と「そのあとどう行動したか(行動)」の相互作用に注目し、認知・感情・行動・身体反応のつながりに働きかける心理療法です。うつ病、不安症、強迫症などに対する効果が多くの臨床研究で検証されており、構造化された進め方(アジェンダ設定、ホームワーク、協働的経験主義)を特徴とします。
認知行動コーチングとは、認知行動療法の理論・技法を基盤として、認知・感情・行動の相互作用を扱い、目標設定、行動変容、自己効力感、問題解決等を支援する心理的アプローチです。疾患の治療ではなく、目標達成・行動変容・パフォーマンス向上・セルフマネジメントを主眼に置く点が認知行動療法と異なります。
基盤となる理論は共通ですが、目的・対象・制度上の位置づけが異なります。認知行動療法は精神疾患等に対する「治療」であり、一定の要件を満たせば診療報酬の対象となります。認知行動コーチングは「行動変容・目標達成・成長支援」を目的とし、独立した保険診療項目としては評価されていません。詳しくは認知行動療法と認知行動コーチングの違いをご覧ください。
学べます。当協会の認知行動コーチ®基本講座は、心理学の予備知識がない方を想定した設計になっており、講義(理論・エビデンス)と実技演習(ロールプレイ・ワークシート・カード教材)を組み合わせ、スモールステップで進みます。看護師・保健師・公認心理師・キャリアコンサルタント・人事担当者など、多様な職種の方が受講しています。
認知再構成法(自動思考の検討)、行動活性化、問題解決療法、エクスポージャー(曝露)、行動実験、セルフモニタリング、リラクセーション、ソクラテス式質問などがあります。第3世代と呼ばれる流れでは、マインドフルネス、アクセプタンス&コミットメント・セラピー(ACT)、メタ認知的アプローチ、コンパッションなども重視されます。
認知の内容を直接変えることよりも、思考や感情との関わり方を変えることに重点を置く流れを指します。マインドフルネス認知療法、ACT、メタ認知療法、コンパッション・フォーカスト・セラピーなどが代表例です。当協会の応用講座(EXPERT)では、メタ認知行動コーチングとマインドフルネス認知行動コーチングを中核に扱います。
治療としてではなく、患者教育・セルフマネジメント支援・行動変容支援・面談やチーム内コミュニケーションの枠組みとして活用できます。たとえば服薬行動、生活習慣、睡眠に関する行動、リハビリの継続、受診行動などの支援や、新人看護師の指導・プリセプター面談・管理職の1on1など、対人支援場面全般に応用の余地があります。
役立ちます。公認心理師の業務は医療だけでなく、教育・産業・司法・福祉の5分野に広がっており、健康な人の目標達成支援、休職者の復職支援、職場のストレスマネジメント、学生のキャリア支援などでは、治療モデルよりもコーチングモデルのほうが適合する場面があります。認知行動コーチングは、CBTの技術資産を保険診療の外側でも活かすための枠組みとして機能します。
はい。認知行動療法は、日本の診療報酬制度において「I003-2 認知療法・認知行動療法」として保険診療の対象になっています。ただし、保険医療機関であること、所定の施設基準を満たすこと、医師による治療計画があること、対象疾患であること、実施者の要件、所定時間、算定回数などの条件があります。
原則として一連の治療につき16回までです。ただし不眠症に対する治療については8回までとされています。
医師と看護師が共同して認知療法・認知行動療法を実施する場合、所定の施設基準等を満たす保険医療機関では診療報酬の算定対象となります。2026年度診療報酬改定後は、この区分が350点とされています。
2026年度診療報酬改定で、「公認心理師による認知行動療法的アプローチに基づく心理支援」を伴う場合が新たに評価され、330点が設定されました。実施する公認心理師には勤務実績・実践経験・研修修了などの要件が、医療機関には施設基準が定められています。
認知行動コーチングそのものは、現在の診療報酬制度において独立した保険診療項目として評価されているわけではありません。一方で2026年度改定では、所定の要件を満たす保険医療機関において、公認心理師による「認知行動療法的アプローチに基づく心理支援」が「認知療法・認知行動療法」の一類型として評価されるようになりました。名称ではなく、実施内容・実施者・対象患者・施設基準等によって判断されます。
いいえ。民間資格の取得と、診療報酬上の算定要件は別のものです。算定するには、保険医療機関であること、所定の施設基準を満たすこと、医師による治療計画、対象疾患、実施者の要件(職種・勤務経験・研修修了等)、所定時間、算定回数といった条件を満たす必要があります。資格講座はあくまで知識・技術を学ぶためのものです。
主な変更点は、①公認心理師による認知行動療法的アプローチに基づく心理支援(330点)の新設、②対象疾患への不眠症の追加、③不眠症は8回までという算定回数の設定、④医師と看護師の共同実施における要件の見直しです。詳細は2026年度診療報酬改定と保険適用の解説ページをご覧ください。
「認知行動療法士」といった名称の国家資格は存在しません。心理職の国家資格は公認心理師であり、認知行動療法はその中で用いられる技法の一つです。認知行動療法に関する認定は、公的研修(厚生労働省の研修事業)、学会・専門団体の認定、民間団体の認定資格に分かれます。
大きく4つあります。①厚生労働省の認知行動療法研修事業などの公的研修、②学会・専門団体の研修や認定、③大学院・大学の科目等履修、④民間の資格講座・研修です。目的が「保険診療の実施体制に加わること」なのか「日々の患者支援や面談の質を高めること」なのかで、選ぶべき道筋が変わります。
厚生労働省の認知行動療法研修事業では、医師のほか、保険医療機関で精神医療に一定期間従事している看護師・公認心理師等を対象とした研修が設定されています。年度ごとに対象者要件・定員・実施形式が異なるため、厚生労働省認知行動療法研修事業の公式サイトで最新の募集要項をご確認ください。
あります。ただし「保険診療を行うための資格」としてではなく、「認知行動的な理解の枠組みと技法を、短期間で体系的に身につけるための学習機会」として位置づけるのが適切です。患者教育、行動変容支援、面談スキル、セルフケア、スタッフ育成など、保険診療の外側にある業務範囲は非常に広く、そこで直接活きます。
当協会が認定する専門資格で、認知行動療法の理論・技法を基盤とした認知行動コーチングの実践者であることを示すものです。基礎を学ぶBasic認定プログラムと、第3世代の認知行動療法(メタ認知・マインドフルネス・ACT等)を扱う応用講座(EXPERT)の2段階構成になっています。
当協会の主要な認定資格は更新料不要の終身資格として運用されています。認定修了者は、講座で用いた教材(PDF・Word等)を業務で活用することができます。
認知行動コーチ®の基本講座・応用講座はいずれも、1日入門11,000円/2日間参加22,000円/資格認定コース44,000円(講習費11,000円+認定関連費33,000円)を基本としています。上位資格のコーチング心理士®は5講座(44,000円×5=220,000円)で、5講座セット受講の場合は審査申請費33,000円が免除されます。最新の金額は公式の講座ページでご確認ください。
認知行動コーチ®の基本講座・応用講座はオンラインワークショップ形式で定期的に開催しています。法人・医療機関向けには、オンラインに加えて対面のワークショップ、現地への出張研修・講師派遣にも対応しています(拠点は東京・浜松町/横浜、全国対応)。最新の開催日程は公式の講座ページをご確認ください。
患者さんの「困りごと」を出来事・認知・感情・行動・身体反応に分けて整理し(ケースフォーミュレーション)、変えやすい行動から小さく手をつけていく、という進め方が基本です。眠れない、動きたくない、検査が怖い、退院後が不安といった訴えに対して、共感を保ちながら具体的な行動計画に落とし込む枠組みとして使えます。
生活習慣の改善、服薬アドヒアランス、リハビリの継続、禁煙、体重管理などは、知識提供だけでは動かないことが多い領域です。認知行動コーチングは、目標設定・行動計画・障壁の予測・セルフモニタリング・自己効力感の育成といった要素を体系的に扱うため、療養指導の構造化に向いています。
使えます。自動思考への気づき、認知の柔軟性、マインドフルネス、セルフ・コンパッション、価値にもとづく行動選択といった要素は、対人援助職自身のストレスマネジメントに直接応用できます。当協会の応用講座では、この観点を明示的に扱います。
役立ちます。「できていない」を指摘するのではなく、行動を具体化し、認知のクセに気づき、次の一歩を一緒に決める、というコーチングの枠組みは、育成面談や1on1の質を大きく変えます。フィードバックスキルと組み合わせて学ぶ受講者が多い領域です。
治療モデルが前提としない領域——健康な人の目標達成、キャリア支援、職場の生産性とウェルビーイング、学習支援、復職準備——に、CBTの技術資産を持ち込めるようになります。保険診療の内側と外側の両方で働ける専門家は、活動領域と収益構造の両面で選択肢が広がります。
ストレスチェック後の高ストレス者面談、管理職向けのラインケア研修、休職者の復職支援プログラム、キャリア相談、組織のレジリエンス向上施策などが典型です。「治療」ではない枠組みで心理学を提供する必要がある場面では、コーチング心理学の言語が有効に働きます。
スクールカウンセリングにおける学習行動の支援、試験不安への対処、進路選択、教職員のメンタルヘルス研修、保護者面談などで応用できます。生徒・学生本人が自分で問題解決の手順を回せるようになることを目標にできる点が、コーチング的アプローチの強みです。
必須ではありません。ただし、公認心理師のカリキュラムは幅広い基礎を扱うため、認知行動的アプローチを「コーチング場面でどう構造化して回すか」という実践面は、別途トレーニングする価値があります。当協会の講座は、ワークシート・カード教材・ロールプレイを用いて、その運用面を集中的に扱います。
認知行動コーチ®の講座は、心理学の予備知識がない方でも2日間で基礎から実践まで学べます。医療機関単位での院内研修(オンライン・対面・出張)もご相談ください。
お問い合わせ:info@coaching-psych.com