やりたいことの見つけ方①ガイダンス コーチング心理学入門編
詳細は、以下の講座にて実践していきます。
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自己発見と探究学習に関するガイダンス 自己探究編
―心理学的アプローチと実践モデルの統合分析―
本ページでは、「やりたいこと」の発見から探究学習の深化、そしてそれを支える教育的環境づくりまでを一貫して整理し、統合的な思想と方法をまとめています。
中心となる考え方は、「内省(Reflection)」「対話(Dialogue)」「実践(Action)」の3つの柱を循環させることで、自己理解と学びを深めるというものです。
このアプローチは、自己決定理論、経験学習モデル、成長マインドセット、心理的安全性といった現代の教育心理学・コーチング心理学の知見に基づいています。
教育者の役割は、知識を伝える「指導者」から、学びを共に育てる「伴走者」へと変化します。最終的な目的は、学習者が自らの**「ナラティヴ・アイデンティティ(自分らしい生き方)」**を形成し、持続的なウェルビーイングと目的意識を育むことにあります。

1. 「やりたいこと」の発見・育てる発想:多層的アプローチ
1.1 行動と思考に基づく発見プロセス
「やりたいことがわからない」状態から行動を通して目的を見出すための10のステップが示されています。
これは、小さな行動と内省の往復によって自己理解を深める考え方です。
| No | チェック項目 | 教育・心理学的効果 |
|---|---|---|
| 1 | これまでの「やりたい!」を思い出してみる | 自己概念や興味の再認識、自己効力感の向上 |
| 2 | 「やりたい!」について他者と話してみる | 対話を通じた思考整理と視野の拡大 |
| 3 | インターネットや本から探してみる | 探究学習による主体性と好奇心の刺激 |
| 4 | 他者の「やりたい!」を眺めてみる | 社会的比較・モデリングによる方向性の発見 |
| 5 | 他者の「やりたい!」にのっかってみる | 協働学習・共感的関与による社会的スキル向上 |
| 6 | 自分の「やりたい!」をやってみる | 内発的動機づけの強化 |
| 7 | 「やりたいことがなくても」体験してみる | 経験学習による自己理解の深化 |
| 8 | ネガティブな出来事をヒントにする | 情動知能・メタ認知による価値発見 |
| 9 | 「可能性」を感じることをやってみる | 成長マインドセットの促進 |
| 10 | 「いいな」「面白そう」という直感を大切にする | 直感的思考・創造性の育成 |
1.2 心理学に基づく自己探索の方法
自己探索を支える心理学的な手法として、以下のような多様なアプローチが整理されています。
- 自己探索(Self-Discovery):VIA強み診断や感情日記を活用し、興味や価値観の源を探る。
- 他者との対話(Dialogue):「ナラティヴ・アプローチ」や「鏡質問」を用いて、他者の視点から自分を再発見する。
- 体験的探索(Experiential Exploration):デザイン思考のように小さく試す行動(プロトタイプ行動)を通して自己理解を深める。
- 価値観の明確化(Values Clarification):「時間もお金も無限なら何をするか?」などの問いで価値を言語化する。
- 未来志向(Future Orientation):「3年後の理想の自分」を描く「ベストポッシブルセルフ法」などを活用する。
- 身体と感情からのアプローチ(Embodied Approach):「ワクワク」など身体感覚に注意を向け、瞑想やウォーキングで内なる声を聴く。
- 創造的表現(Creative Expression):絵や詩、ビジョンボードなど、非言語的な表現で自分らしさを可視化する。
1.3 深層的アプローチ
より深い自己理解を促す方法として、以下の10の観点が挙げられています。
- 人生のライフテーマを探す
- 他者への貢献や社会的意義から目的を考える
- 「もし人生があと3年なら何を残すか」と問う
- 偶然(セレンディピティ)を活かす
- 多様な役割やアイデンティティを試す
- 無意識・夢・想像を通して自己を探る
- 関係性やシステム思考から意味を見出す
- 逆境から使命を見つける
- 自然との対話を通じて内面を映す
- AIやアートとの協働的探究を行う
1.4 核心的メッセージ
これらの全体を貫く考え方は、
「やりたいことは“見つける”ものではなく、“育てていく”もの」
という視点です。小さな興味を行動の中で育てることで、自分だけの目的が形づくられます。
投稿者プロフィール

- 徳吉陽河(とくよしようが)は、コーチング心理学研究会・コーチング心理学協会の創設者の一人であり、日本・世界のおけるコーチング心理学のパイオニア。コーチング心理士、公認心理師・キャリアコンサルタント、認定心理士(心理調査)、ポジティブ心理療法士、として教育・医療・福祉・産業分野で活動する専門家。東北大学大学院博士後期課程で研究し、国際コーチング心理学会、国際ポジティブ心理学会など、世界で学び、研究を発表。教育プログラム、心理尺度開発なども専門としている。著書に『ポジティブ大全』『科学的に正しい脳を活かす「問いのコツ」 結果を出す人はどんな質問をしているのか?』『ナラティヴ・セラピー BOOK』、『コーチング心理学ガイドブック』『コーチング心理学ハンドブック』などの翻訳書などがあり、科学的なエビデンスと物語(ナラティブ)に基づくコーチングとウェルビーイング教育を推進している。累計4000名のコーチ、カウンセリング実績」(ワークショップを含む)、「累計6000回以上のセミナー実績」以上の実績がある。国土交通省 航空保安大学講師、元東北文化学園大学講師、元仙台医療センター看護学校講師、元若者サポートセンター講師など。教育機関、海外・国外の法人企業などで講師を担当実績がある。学校法人・企業法人・医療法人(リハビリ)など、主に管理職に関わる講師を数多く担当。座右の銘は、「我以外皆我師」、失敗・挫折もたくさんしており、「万事塞翁が馬」大切にしている。「自己肯定感が低いからこそ成長できる」ことを大切にしている。
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