HEXACOモデル入門(6つのパーソナリティ) パーソナリティ心理学コーチング入門講座

HEXACOモデル入門 パーソナリティ心理学コーチング入門講座
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性格を知って仕事力をアップしよう
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このガイドでは、職場でのコミュニケーションや自己理解に役立つ
HEXACOパーソナリティモデルを分かりやすく解説します

なぜ性格を知ることが大切なの?

職場でのメリット

自己理解を深めることで、より良い働き方やコミュニケーションが可能になります。

テーマ 性格を知るメリット
チームメンバーとの関係が改善 – 自分の特性を理解することで、他者との適切な関わり方を見つけやすくなる
– コミュニケーションスタイルを調整し、円滑なチームワークを築ける
– 相手の性格を理解し、信頼関係を強化できる
上司・部下とのコミュニケーションが円滑に – 自分の強み・弱みを把握し、効果的な伝え方を選べる
– 上司や部下の性格に合わせた対応ができ、誤解を減らせる
– 相手の動機や考え方を理解し、協力しやすくなる
自分の強みを活かした働き方ができる – 自分の適性や得意な業務を知り、より成果を出しやすくなる
– 自分に合ったキャリアの選択ができ、仕事の満足度が向上する
– 強みを活かすことで、周囲からの評価が高まり、成長につながる
ストレス軽減と生産性向上 – 自分に合った仕事の進め方を理解し、不要なストレスを減らせる
– 効果的な休息やリフレッシュ方法を見つけ、心身の健康を維持できる
– モチベーションを高め、より効率的に業務を遂行できる

性格を知ることは、より良い職場環境を築くための重要なステップになります。

個人的なメリット

コーチングで活用できる質問と概要を表にまとめました。これらの質問を使うことで、自己理解を深め、キャリア選択をしやすくし、人間関係の悩みを減らし、成長ポイントを明確にすることができます。

テーマ 概要 活用できる質問
自己理解を深める 自分の価値観や特性を知ることで、より充実した人生を送るための指針を得る – あなたが最も大切にしている価値観は何ですか?
– 自分自身を表す3つの言葉を選ぶとしたら?
– これまでの人生で最も影響を受けた出来事は?
キャリア選択をしやすくする 自分の強みや興味を把握し、理想のキャリアを明確にする – どのような仕事や活動をしているときに最も充実感を得られますか?
– あなたの強みを活かせる職業は何だと思いますか?
– 5年後の理想の自分はどんな姿ですか?
人間関係の悩みを減らす 良好な人間関係を築くための気づきを得て、コミュニケーションを改善する – どのような人と一緒にいると心地よく感じますか?
– 人間関係で困ったとき、どのように対処していますか?
– もっと円滑なコミュニケーションを取るためには、何ができると思いますか?
成長ポイントを明確にする 自分の成長を促す要素を特定し、より効果的にスキルや経験を積む – 最近の挑戦から何を学びましたか?
– あなたのスキルや能力を伸ばすために、次に何をするべきだと思いますか?
– どんな状況で最も成長を感じますか?

 

HEXACO(ヘキサコ)パーソナリティモデルとは?

HEXACOモデルは、人間の性格を6つの特性で理解するフレームワークです。
カナダの研究者によって開発され、世界中の多くの言語で研究が行われている信頼性の高いモデルです。

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HEXACOは6つの性格特性の頭文字を取った名前で、
従来の「ビッグファイブ」に「正直・謙虚さ」という新しい特性を加えたモデルです。

因子 日本語表記 英語表記
H 正直・謙虚さ Honesty-Humility
E 情緒性 Emotionality
X 外向性 Extraversion
A 協調性 Agreeableness
C 誠実性 Conscientiousness
O 開放性 Openness

 

6つの性格特性を詳しく見てみよう (社会人向け解説)

各性格特性の特徴と職場での活かし方を表にまとめました。パーソナリティは、低いからダメというわけではありません。
各個性を活かすことが大切になります。ここでは、社会人向けの解説となっています。

性格特性 高い人の特徴 職場での活かし方 低い人の特徴 職場での活かし方
H 正直・謙虚さ (Honesty-Humility) 嘘をつかず、正直に物事を伝える
他人を利用したり操作しない
お金や地位への執着が少ない
謙虚で自慢しない
ミスを隠さずに報告する
成果を独り占めしない
部下の手柄を素直に認める
自分の利益のために嘘をつくことがある
他人を操って得をしようとする
お金や地位に強い関心がある
自分を特別視しがち
倫理観を養う。チームの信頼関係に悪影響を与えやすいため、誠実さを意識する
E 情緒性 (Emotionality) 他人の気持ちに敏感で共感しやすい
感情表現が豊か
人との絆を大切にする
ストレスを感じやすい
チームメンバーのサポート役
カウンセリング
顧客対応
冷静沈着で動じにくい
ストレスに強い
感情的にならずに判断できる
独立心が強い
プレッシャーのかかる交渉や危機管理
冷静な判断が求められる業務
X 外向性 (eXtraversion) 人と話すのが好きで社交的
エネルギッシュで活動的
リーダーシップを取るのが得意
積極的に発言する
営業
プレゼンテーション
チームリーダー
新メンバーの教育担当
一人の時間を大切にする
深く考えてから発言する
少数の深い関係を好む
集中力が高い
研究開発
企画立案
データ分析
専門性を活かした業務
A 協調性 (Agreeableness) 人を許しやすく寛容
争いを避け、平和を好む
他人の意見を受け入れやすい
チームワークを大切にする
チーム調整役
顧客サポート
異なる部署間の橋渡し役
自分の意見をはっきり主張する
批判的な視点を持つ
競争心が強い
妥協を嫌う傾向がある
品質管理
監査
交渉業務
厳しい基準が求められる業務
C 誠実性 (Conscientiousness) 責任感が強く約束を守る
計画的で整理整頓が得意
完璧主義の傾向がある
粘り強く努力を続ける
プロジェクト管理
事務処理
品質管理
スケジュール管理
柔軟性があり変化に適応しやすい
自由度の高い環境を好む
創造的なアイデアを出すのが得意
ルールにとらわれない発想ができる
クリエイティブ業務
新規事業開発
臨機応変な対応が求められる業務
O 開放性 (Openness to Experience) 新しいことに興味を持ちやすい
創造性や芸術性に富む
抽象的な思考が得意
変化を楽しむ
商品開発
マーケティング
デザイン
研究開発
新規事業立案
実用的で現実的な考え方をする
伝統や既存の方法を重視する
安定した環境を好む
具体的で明確な指示を好む
オペレーション業務
品質管理
ルーティンワーク
安定した業務運営

この表を活用して、個々の性格特性に合った働き方を見つけてみましょう。


職場での活用方法

チーム運営に活用

役割分担の最適化

メンバーの特性に合わせて、得意分野を活かせる役割を割り当てる

コミュニケーション改善

相手の特性を理解して、効果的なコミュニケーション方法を選択

チームバランス

異なる特性を持つメンバーを組み合わせて、補完関係を作る

個人の成長に活用

強みの発見と活用

自分の特性を理解して、得意分野を伸ばす戦略を立てる

課題の克服

苦手な分野を認識して、改善方法や対処法を考える

キャリア開発

自分に合った職種や職場環境を見つけて、長期的なキャリアを設計

実践のコツ

以下の表に、パーソナリティを実践で活かすためのポイントと、1on1で活用できる質問をまとめました。

ポイント 概要 1on1で活用できる質問
自分の特性を正しく理解する 自分の性格や行動パターンを客観的に把握し、強みや課題を認識することが重要。 – あなたが最も自然に振る舞えるのはどんな状況ですか?
– これまでの経験で「自分らしさ」を強く感じた瞬間はどんな時でしたか?
他人の特性を観察し、相手に合わせたアプローチを心がける 相手の性格や行動パターンを理解し、適切なコミュニケーションを取ることで関係性を深める。 – チームメンバーや同僚の特性をどのように捉えていますか?
– 相手の特性に合わせたコミュニケーションを意識したことはありますか?どんな工夫をしましたか?
特性には良い・悪いはなく、それぞれに価値があることを理解する すべての性格特性には強みと活かし方があり、状況によって適切な使い方がある。 – あなたの特性の中で、以前は短所だと思っていたけれど、今は強みだと感じるものはありますか?
– チームの中で異なる特性を持つ人と協力する際、どんな価値を感じますか?
継続的に自己観察を行い、成長とともに特性の変化を把握する 自分の特性は固定されたものではなく、経験や環境によって変化するため、定期的な振り返りが重要。 – 1年前と比べて、自分の特性や行動パターンに変化を感じることはありますか?
– 今後さらに成長するために、どんな特性を伸ばしていきたいですか?

この表を活用することで、1on1の対話がより深まり、パーソナリティを実践で活かすための具体的なアクションにつなげることができます。


HEXACOモデル 自己チェックガイド

以下の質問に答えて、自分の性格特性を簡単にチェックしてみましょう。
ここでは、あくまでもチェックです。

コーチング心理学協会では、本格的な心理尺度の支援を行っています。実際に、分析して見たい方は、講座への参加もおすすめします。

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正解はありませんので、素直な気持ちで答えてください。

性格特性 概要 関連する質問
H 正直・謙虚さ 誠実で謙虚な態度を持ち、人間関係において信頼を重視する – ミスを隠さずに報告することができますか?
– 他人の成果を素直に認められますか?
– お金や地位より信頼を重視する場面はありますか?
E 情緒性 感受性が強く、ストレスや周囲の感情に敏感に反応しやすい – 他人の気持ちに敏感だと感じますか?
– ストレスを感じやすい場面はどんな時ですか?
– 感情を表に出しやすいほうですか?
X 外向性 社交的で活発な性格を持ち、人と関わることを楽しむ – 初対面の人に積極的に話しかけることができますか?
– リーダーシップを取ることが得意ですか?
– エネルギッシュに行動することが多いですか?
A 協調性 他者との調和を大切にし、対立を避けて円滑な関係を築こうとする – 相手を許そうとすることが多いですか?
– 対立が起きたとき、平和的解決を目指しますか?
– チームワークを重視して行動していますか?
C 誠実性 計画的に物事を進め、責任感が強く、ルールを守ることを大切にする – 仕事を計画的に進めるタイプですか?
– 約束を必ず守るよう意識していますか?
– 完璧を目指す傾向がありますか?
O 開放性 新しいことに対して好奇心が強く、柔軟な発想を持つ – 新しいことに興味を持ち、取り組むことが多いですか?
– 創造的なアイデアを考えるのが得意ですか?
– 変化を楽しむタイプですか?

この表を参考に、自分自身や他者の性格特性を理解し、より良いコミュニケーションや働き方を見つける手助けになればと思います。

注意:このチェックリストは簡易的なものです。
より正確な診断には、専門的な測定ツールの使用をお勧めします。

一般社団法人コーチング心理学協会 パーソナリティ心理学コーチングではより、本格的なツールを活用して
クライエントの前向きな支援を行えるようにします。


実践的なアドバイス

パーソナリティを活用する際の実践的アドバイスと、それによって得られるメリットを表にまとめました。これらを意識することで、より良い人間関係や仕事の効率を向上させることができます。

内容 実践法 メリット
観察力を鍛える – 同僚の行動パターンを観察し、特性を把握する
– どんな状況でパフォーマンスが向上するか注目する
– コミュニケーションスタイルの違いを理解する
– ストレス反応の個人差を認識し、適切な対応を考える
– チームメンバーの特性を理解し、円滑なコミュニケーションが取れる
– 個々の強みを活かし、チームの生産性が向上する
– ストレスを軽減し、働きやすい環境を構築できる
コミュニケーション調整 – 相手の特性に合わせた話し方を意識する
– 外向的な人には積極的な対話を試みる
– 内向的な人には時間をかけて説明する
– 感情的な人には共感を示しながら対話する
– 相手に伝わりやすいコミュニケーションが可能になる
– 誤解や対立を減らし、良好な関係を築ける
– チームの協力体制を強化し、仕事の効率が向上する
バランスを保つ – 自分の弱点を補完してくれる人と協力する
– 過度な特性がある場合はバランスを意識して調整する
– 多様な視点を積極的に取り入れる
– 継続的な自己改善を心がける
– 個々の強みを活かしながら、弱点を補うことで成果を最大化できる
– チームの多様性を活かし、創造的なアイデアが生まれる
– 成長を促し、長期的な成功につながる

 

成功のためのポイント

個人レベル

  • ✓ 自己理解を深める
  • ✓ 強みを活かす機会を見つける
  • ✓ 苦手分野への対処法を身に着ける
  • ✓ 継続的な学習と成長を心がける

チームレベル

  • ✓ メンバーの特性を理解する
  • ✓ 多様性を活かした役割分担
  • ✓ 効果的なコミュニケーション
  • ✓ 相互補完的な関係構築


まとめ:HEXACOを活用した成長

重要なポイント

すべての性格特性には価値があり、理解することで個人やチームの強みを活かすことができます。

テーマ 概要
性格特性に良い・悪いはない すべての性格特性は状況によって長所にも短所にもなり得る。個々の特性を理解し、適切に活用することで、より良い成果を生み出せる。
すべての特性には価値がある 各個人の性格特性は独自の視点や能力をもたらし、組織やチームの多様性を促進する。異なる特性が組み合わさることで、創造性や問題解決能力が向上する。
多様性がチームを強くする 性格の異なるメンバーが協力することで、より柔軟な対応や新しいアイデアが生まれる。多様性を受け入れることで、チームの結束力や生産性が向上する。
理解が関係性を改善する 自分や相手の性格を理解することで、適切なコミュニケーションが可能になり、誤解を減らすことができる。人間関係の質を高め、円滑な協力が生まれる。

性格の多様性を活かすことで、より良いチーム環境を作り上げることができます。

自由特性論を活かす

自由特性論を活用し、自分の性格よりも、自分の価値観に寄り添った行動をしてみるのもOKです。
自由特性論(Free Trait Theory)**は、カナダの心理学者ブライアン・リトル(Brian R. Little)によって提唱された理論です。

この理論では、人間は生まれ持った性格特性に従って行動するだけでなく、重要な目標や状況に応じて、性格に反する行動を取ることができると考えます。

自由特性論のポイント

  1. 性格特性と行動の柔軟性
    • 一般的な性格理論(ビッグファイブなど)では、性格は比較的固定されていると考えられます。
    • しかし、自由特性論では、人は自分の価値観や目標に応じて、性格に反する行動を取ることができるとします。
  2. 自由特性的行動
    • 例えば、内向的な人が重要なプレゼンのために外向的に振る舞うことが可能。
    • これは「演じる」ことではなく、自分の価値観や目標に沿った行動の選択と考えられます。
  3. 回復の場(Restorative Niche)
    • 自分の本来の性格と異なる行動を続けると、心理的な疲労が生じる。
    • そのため、自分らしくいられる環境(休息の場)を持つことが重要

自由特性論のコーチングや自己成長への応用

  • 「あなたが目標達成のために、普段の性格とは異なる行動を取った経験はありますか?」
  • 「その行動を続けることで、どのような影響を感じましたか?」
  • 「自分らしくいられる時間や環境をどのように確保していますか?」

次のステップ

次なるステップとして、パーソナリティを活用するための具体的な実践法を、各項目ごとに表にまとめました。これらのアクションを取り入れることで、自己理解を深め、チームとの協力を強化し、成長を促すことができます。

項目 実践法
チームメンバーと特性について話し合う – メンバー同士で性格特性の違いを共有し、相互理解を深める
– それぞれの強みと弱みを話し合い、役割を適切に分担する
– お互いの価値観や働き方の傾向を知ることで、円滑な協力関係を築く
自分の強みを活かせる機会を探す – 自分の得意な業務を洗い出し、それを活かせるプロジェクトを提案する
– 強みを活かせる業務の担当を増やし、成果を最大化する
– 自分の特性に合った学習やスキルアップの機会を見つける
苦手分野の対処法を身につける – 自分の弱点を認識し、それを補完できる方法を探す
– チームメンバーと協力して、苦手な業務をサポートし合う
– 改善のための学習や練習を行い、必要なスキルを身につける
継続的な自己観察を習慣化する – 定期的に自己評価を行い、自分の変化や成長を確認する
– 仕事や人間関係の中での振り返りを習慣化し、気づきを得る
– 新しい環境や経験を通じて、自分の特性の変化を把握する

これらを実践することで、パーソナリティをより効果的に活用し、職場や日常生活でのパフォーマンスを向上させることができます。

 

最後に

HEXACOモデルは、自分と他人を理解するためのツールです。
この知識を活用して、より良い職場環境と人間関係を築き、
みんなが力を発揮できるチームを作っていきましょう。

実際には、以下の講座で実施しているため、実践されたい方は、講座の参加をおすすめします。

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HEXACOモデル入門ガイド

性格を理解して、より良い職場と人間関係を築こう

© 2024 HEXACO入門ガイド –

投稿者プロフィール

徳吉陽河
徳吉陽河
徳吉陽河(とくよしようが)は、コーチング心理学研究会・コーチング心理学協会の創設者の一人であり、日本・世界のおけるコーチング心理学のパイオニア。コーチング心理士、公認心理師・キャリアコンサルタント、認定心理士(心理調査)、ポジティブ心理療法士、として教育・医療・福祉・産業分野で活動する専門家。東北大学大学院博士後期課程で研究し、国際コーチング心理学会、国際ポジティブ心理学会など、世界で学び、研究を発表。教育プログラム、心理尺度開発なども専門としている。著書に『ポジティブ大全』『科学的に正しい脳を活かす「問いのコツ」 結果を出す人はどんな質問をしているのか?』『ナラティヴ・セラピー BOOK』、『コーチング心理学ガイドブック』『コーチング心理学ハンドブック』などの翻訳書などがあり、科学的なエビデンスと物語(ナラティブ)に基づくコーチングとウェルビーイング教育を推進している。累計4000名のコーチ、カウンセリング実績」(ワークショップを含む)、「累計6000回以上のセミナー実績」以上の実績がある。国土交通省 航空保安大学講師、元東北文化学園大学講師、元仙台医療センター看護学校講師、元若者サポートセンター講師など。教育機関、海外・国外の法人企業などで講師を担当実績がある。学校法人・企業法人・医療法人(リハビリ)など、主に管理職に関わる講師を数多く担当。座右の銘は、「我以外皆我師」、失敗・挫折もたくさんしており、「万事塞翁が馬」大切にしている。「自己肯定感が低いからこそ成長できる」ことを大切にしている。

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