スプリント思考と解決志向アプローチの活用 認定資格取得の参考に


解決志向コーチング講座では、スプリント思考(Sprint Thinking)を取り上げています。そのスプリント思考の実践に向けて探究・考察していきます。
「スプリント思考(Sprint Thinking)」は、短期間でアイデアをカタチにし、検証して改善するための問題解決アプローチです。特にGoogle Ventures(GV)が開発した「デザインスプリント(Design Sprint)」に基づく方法が有名です。一般社団法人コーチング心理学協会では、解決志向コーチングにて、スプリント思考の活用法を扱っています。ここでは、スプリント思考について、取り上げ、解決志向コーチングとの関係と活用性をより深く探究してみたいと思います。
コンテンツ一覧
🏃♂️スプリント思考とは?
短期間(一般的には5日間)で「問題の発見 → 解決策の立案 → プロトタイプ作成 → テスト」までを一気にやりきる思考とプロセスのこと。
スピード重視、チーム協働、顧客視点、仮説検証がキーワード。
🔄 スプリント思考の基本ステップ(GV方式)
| 日数 | フェーズ | 内容 |
|---|---|---|
| 🧠 Day 1(理解) | 問題の全体像を共有し、ゴールを明確にする | |
| ✍️ Day 2(発想) | 解決策のアイデアをたくさん出す(スケッチなど) | |
| ✅ Day 3(意思決定) | ベストなアイデアを選び、プロトタイプ設計をする | |
| 🛠 Day 4(試作) | 実際にプロトタイプを作る(簡易版でOK) | |
| 👀 Day 5(検証) | ユーザーにテストして、反応を観察・記録する |
✅ スプリント思考のメリット
| ポイント | 説明 |
|---|---|
| ⏱ 時間節約 | 会議や議論に時間をかけすぎず、すぐに形にできる |
| 🧪 リスク回避 | 早く仮説を試せるため、大きな失敗を防げる |
| 🤝 チーム統一 | 異なる視点を短期間でまとめることができる |
| 🧩 顧客視点 | 最後にユーザー検証を入れることで現実に即す |
💡 実践のヒント
- 1日完結型スプリントにアレンジも可能(例:半日で設計→午後に試作→夕方にユーザー反応)
- 教育・福祉・行政分野でも活用され始めている(例:サービス改善、UX検証)
- コーチングや研修でも、ワークショップ形式で導入可能
🧰 関連する手法
| 関連手法 | つながり・違い |
|---|---|
| デザイン思考 | 「共感→問題定義→発想→試作→テスト」の発想サイクル。スプリントはそれを圧縮 |
| アジャイル開発 | 継続的改善型だが、スプリントは1回で解決の方向性を出す |
| リーンスタートアップ | MVP検証に特化、スプリントはその前段階の方向性探しにも有効 |
*MVP(Minimum Viable Product)検証とは、最小限の機能を持つ製品やサービスを使って、ユーザーの反応や市場ニーズを素早く検証する手法。
✏️ 活用例(ビジネス・教育)
| 分野 | 活用イメージ |
|---|---|
| 商品開発 | 新サービスのアイデアを1週間でプロトタイプ化・ユーザーテスト |
| 学校教育 | 探究学習やPBL(プロジェクト型学習)の短期集中設計 |
| 組織改善 | 職場の課題をチームで可視化し、即改善策を設計&実験 |
**「1日スプリント」**とは、Google Ventures発の5日間の「デザインスプリント」を、たった1日で凝縮して行う超効率的な問題解決・アイデア検証手法です。
時間が限られたチームやプロジェクト、教育現場、研修などで活用しやすく、仮説検証と意思決定を加速させたい場面に非常に有効です。
⏱【1日スプリントの基本構成】(6時間〜8時間バージョン)
| 時間帯 | ステップ | 目的と手法 |
|---|---|---|
| 🕘 9:00〜10:00 | 1. 問題の明確化(理解) | 「何が課題か?」をチームで共有HMW(How Might We)法で再定義ゴールを設定 |
| 🕙 10:00〜11:30 | 2. 解決策の発想(アイデア出し) | ブレインストーミングスケッチ・マンダラート競合・類似事例からヒント |
| 🕦 11:30〜12:00 | 3. 投票・選定(意思決定) | 「いいね投票」や「意思決定マトリクス」でベスト案を選ぶ |
| 🍽 12:00〜13:00 | 昼食休憩(もしくは合間にプロトタイプ設計) | – |
| 🕐 13:00〜15:00 | 4. プロトタイピング(簡易試作) | 紙、パワポ、Miroなどで見た目や流れを形に簡単なユーザーフロー・モックアップ作成 |
| 🕒 15:00〜17:00 | 5. テスト・検証 | 5人程度にインタビュー形式で反応を見る録画・観察でフィードバックを収集 |
| 🕔 17:00〜17:30 | 6. 振り返り・改善点まとめ | 「何がよかったか・改善点」明日からどう動くかアクション設計 |
✅ 成功のためのポイント
| 工夫 | 解説 |
|---|---|
| 🎯 ゴール設定に時間をかけすぎない | 目的を明確にしたら、次に進む決断力が重要 |
| 🗂 ドキュメントツールを準備 | Miro・Figjam・ホワイトボードなどで進行を見える化 |
| 🎤 ユーザー役を事前に準備 | テスト対象をあらかじめアポ取っておくとスムーズ |
| 🔁 「完成」より「検証」が目的 | 100点の完成ではなく、仮説が試せればOK |
💼 こんな場面で効果的
| 活用シーン | 例 |
|---|---|
| サービス・プロダクト開発 | 新しい機能やUIの反応を見る |
| 教育現場 | 探究・PBLで1日集中型アイデア実験 |
| 組織内改善 | 会議体や業務プロセスの見直し実験 |
| ワークショップ | 学びと実践を組み合わせた1日研修 |
🎁 補足:ミニテンプレート(例)
【問い】◯◯の課題を1日でどこまで改善・形にできるか?
【ゴール】「この画面で注文したいと思えるかどうか」
【ユーザー】20〜30代の〇〇経験者
午前:課題共有→アイデア出し→選定
午後:プロトタイピング→5人にテスト→学びを整理
スプリント思考とウェルビーイング(7つの側面)との関係性
スプリント思考とウェルビーイング(7つの側面)との関係性とは?
短期間で仮説検証・試作を行うスプリント思考が、個人や組織のウェルビーイングにどう影響するかを可視化しています。
🏃♂️ スプリント思考 × ウェルビーイング 対応表
| ウェルビーイングの側面 | スプリント思考との関係・影響 |
|---|---|
| 1. 主観的ウェルビーイング(幸福感・満足感) | ✅ 自分たちで「できた!」「進んだ!」という達成感や前進感を得やすい。✅ 小さな成功体験を連続的に味わえる設計。 |
| 2. 心理的ウェルビーイング(自己成長・自律性・目的意識) | ✅ 自ら仮説を立て、実行し、振り返るプロセスが自己効力感を高める。✅ 意思決定と学習のサイクルで自己実現が進む。 |
| 3. 社会的ウェルビーイング(つながり・役割感) | ✅ チームでの共創・協働により、「貢献している」「認められている」という感覚が得られる。 |
| 4. 身体的ウェルビーイング(健康・活力) | ✅ 時間が決められており、無駄な長時間労働を減らせる。✅ 集中と休憩のリズムが整い、エネルギー管理がしやすい。 |
| 5. スピリチュアルウェルビーイング(意味・価値・内的充実) | ✅ 「何のためにやるのか?」を明確にし、共通ビジョンに基づいて行動できる。 |
| 6. キャリア/職業的ウェルビーイング | ✅ 自分のスキルやアイデアが評価されやすく、専門性を発揮しやすい。✅ 新しい仕事や役割にチャレンジしやすい環境。 |
| 7. 経済的ウェルビーイング(安定性・見通し) | ✅ 無駄なコストをかけず、早期にアイデアの実現可能性を検証できるため、リスクを減らせる。 |
✅ スプリント思考の本質とウェルビーイングの共通点
- 「前に進んでいる感覚」(= 主観的幸福)
- 「行動からの学び」(= 心理的な成長と自信)
- 「共に創る力」(= 社会的つながりと意味)
- 「完璧より実験」(= ストレス低減と柔軟性)
スプリント思考の特徴
スプリント思考(特に「デザインスプリント」)は、短期間で課題解決やイノベーション創出を目指す手法として、ビジネスや教育、医療、工業など多様な分野で活用されています。主にGoogle Venturesで開発されたこのアプローチは、迅速なプロトタイピングとユーザー中心の検証を特徴とし、従来のデザイン思考やアジャイル手法とも関連しています。
スプリント思考の特徴とプロセス
- 短期間集中型:通常4~5日間で、課題の明確化からアイデア創出、プロトタイプ作成、ユーザーテストまでを一気に行う(Bordin, 2022; Fernández-Ibáñez et al., 2022; McVay & Jake-Schoffman, 2020; Correio & Fleury, 2019)。
- ユーザー中心:最終ユーザーのニーズやフィードバックを重視し、実用的な解決策を素早く検証する(Bordin, 2022; Fernández-Ibáñez et al., 2022; McVay & Jake-Schoffman, 2020)。
- 多様な分野で応用:新製品開発、既存サービスの改善、教育現場でのプロジェクト学習、医療現場の業務改善など幅広く利用されている(Fernández-Ibáñez et al., 2022; Kneeland et al., 2019; Wallenius, 2022; McVay & Jake-Schoffman, 2020; Noutcha et al., 2021)。
デザインスプリントと他手法との比較
| 特徴 | デザインスプリント(DS) | デザイン思考(DT) |
|---|---|---|
| 期間 | 4~5日 | 数週間~数ヶ月 |
| 目的 | 迅速な検証・意思決定 | アイデア創出・深い共感 |
| アプローチ | アジャイル・リーン要素 | 共感・発散・収束 |
| 活用シーン | 新規事業、要件定義など | 新規アイデア、課題発見 |
| メリット | 迅速、関係者の合意形成 | 創造性、深い洞察 |
| (Charoen, 2021; Wallenius, 2022; Correio & Fleury, 2019)## 効果と利点 |
- 迅速な意思決定と検証:大きな投資やリソース投入前に、アイデアの有効性を短期間で確認できる(Bordin, 2022; Fernández-Ibáñez et al., 2022; Correio & Fleury, 2019)。
- 関係者の合意形成:多様なステークホルダーが一堂に会し、目標や課題を共有できる(Bordin, 2022; Correio & Fleury, 2019)。
- 学習効果・満足度向上:教育現場では、学生の主体性やチームワーク、時間管理能力の向上が報告されている(Fernández-Ibáñez et al., 2022; Wallenius, 2022)。
- 業務効率化:医療現場では、電子カルテの最適化やチームワーク改善、満足度向上に寄与(Kneeland et al., 2019)。
課題と今後の展望
- 導入の難しさ:短期間での集中作業や関係者の巻き込みに課題がある(McVay & Jake-Schoffman, 2020; Correio & Fleury, 2019)。
- 応用範囲の拡大:サステナビリティや循環型ビジネスモデルへの応用も進んでいる(Santa‐Maria et al., 2022)。
- 教育・トレーニング:多様な分野・レベルでの教育的活用が広がっている(Fernández-Ibáñez et al., 2022; Wallenius, 2022; Santa‐Maria et al., 2022)。
まとめ
スプリント思考は、短期間での課題解決やイノベーション創出に有効な手法であり、ユーザー中心・迅速な検証・関係者の合意形成など多くの利点があります。教育や医療、ビジネスなど幅広い分野で応用が進んでおり、今後もさらなる発展が期待されます。
スプリント思考(Design Sprintやアジャイル的マインドセット)に通じる名言
スプリント思考(Design Sprintやアジャイル的マインドセット)に通じる名言を厳選してご紹介します。
すばやく行動し、試し、学ぶというスプリントの本質を表す言葉です。
💬 スプリント思考に響く名言集
| 名言 | 出典/人物 | 解説 |
|---|---|---|
| 「完璧を目指すより、まず終わらせろ。」 | リード・ホフマン(LinkedIn創業者) | スプリントは「完成」より「前進」を優先する。 |
| 「考えるな、試せ。」(Don’t think. Try.) | トム・ケリー(IDEO) | 実験とプロトタイピングの価値を強調する言葉。 |
| 「進んでいる限り、間違ってもいい。」 | ローマの格言 | 仮説を立てて動きながら修正していくことを推奨。 |
| 「1つの試作は、100の会議に勝る。」 | デイヴィッド・ケリー(IDEO) | 試作(プロトタイプ)の力を表現。スプリントの中心概念。 |
| 「最も速く学ぶ人が、最終的に勝つ。」 | エリック・リース(リーンスタートアップ) | スプリント思考と学習のスピードが競争力になるという視点。 |
| 「早く失敗せよ、そして安く学べ。」 | ビジネス界の格言(Fail fast, learn fast, fail cheap) | 小さな失敗を繰り返すことで大きな失敗を避ける。 |
| 「未来は作るものだ。」 | アラン・ケイ(コンピュータ科学者) | スプリントのように、未来に向けて能動的に設計する精神。 |
| 「計画より行動、完璧より進歩。」 | アジャイルマニフェストの精神 | スプリントでは「動きながら学ぶ」ことが重視される。 |
🎯 補足:スプリント的な信条(Mindset)
- Build → Test → Learn(作って、試して、学ぶ)
- Start small, learn fast.(小さく始めて、早く学べ)
- Done is better than perfect.(完璧より完了)
「スプリント思考」×「解決志向アプローチ(Solution-Focused Approach)」
「スプリント思考」×「解決志向アプローチ(Solution-Focused Approach)」**の組み合わせは、
「短期間で解決に向かう力を引き出す」ための非常にパワフルな融合です。
🧩 1. 「スプリント思考」×「解決志向」両者の特徴を整理
| 項目 | スプリント思考(Design Sprint) | 解決志向アプローチ(Solution-Focused) |
|---|---|---|
| 目的 | 課題に対する仮説を検証し、改善へ導く | 解決に役立つリソースや未来の変化に注目 |
| スタイル | タスク主導・短期集中型 | 対話主導・資源発掘型 |
| アプローチ | 問題→仮説→試作→テスト | 望む未来→例外→リソース→小さな一歩 |
| 視点 | ユーザー中心・共創 | クライアント中心・強み活用 |
🛠️ 2. 「スプリント思考」×「解決志向」統合の概要
「未来志向でスタートし、短期集中で形にして検証する」
というステップに再構成できます。
🚀 統合版:Solution-Focused Sprint(例:1日または2日構成)
| 時間帯・ステップ | 内容 | 解説(両者の融合) |
|---|---|---|
| ① 未来のビジョンを描く(9:00〜10:00) | 「望む未来は何か?」ミラクルクエスチョンを使って、理想の状態を言語化 | 解決志向:未来焦点の導入スプリント:ゴールの合意 |
| ② リソースと例外を見つける(10:00〜11:00) | 「うまくいった時はどんなとき?」リソースカードや成功体験からヒントを得る | 解決志向:強みと例外の発掘 |
| ③ アイデアスプリント(11:00〜12:00) | 発想フェーズ。スケッチ、ブレスト、1人1案など | スプリント思考:多様な案出し+解決志向:ポジティブな前提で創造性を刺激 |
| ④ 統合と意思決定(13:00〜14:00) | 投票や意思決定マトリクスで絞り込む | スプリント:構造化された合意形成 |
| ⑤ プロトタイプ試作(14:00〜15:30) | 簡易モックやシナリオを作成 | スプリント:試作=具体的な行動に落とす |
| ⑥ 小さな一歩(15:30〜16:30) | 「今できる一歩は何か?」スケーリング質問と行動設計 | 解決志向:行動変容を支える |
| ⑦ リフレクションと学びの共有(16:30〜17:00) | 「何が役立ったか?」「次は何をするか?」 | 両者共通:振り返りで次に活かす |
✨ 「スプリント思考」×「解決志向」の統合のメリット
| 特徴 | 説明 |
|---|---|
| 🎯 目標が「解決」から始まる | 問題の深掘りでなく、「何がうまくいくか」に焦点 |
| ⏱ 時間とエネルギーを最適化 | 解決に近づくことだけに集中できる |
| 💪 組織や個人の強みを活かす | メンバーの経験や能力が自然と引き出される |
| 💡 アイデアが実行可能な形に | 解決志向→スプリントで「机上の空論」にならない |
🧠 「スプリント思考」×「解決志向」の活用場面の例
| シーン | 応用のしかた |
|---|---|
| 組織開発 | チームの未来ビジョンを描き、行動計画をその場で試作・共有 |
| 学校・教育 | 生徒主体で「理想の学び」を創造し、すぐ形にするPBL型学習 |
| カウンセリング×デザイン | 解決志向でクライアントの望む変化を言語化し、プロトタイプ的な行動案を共創 |
🗣️「スプリント思考 × 解決志向アプローチ」を組み合わせた実践的な質問法
「スプリント思考 × 解決志向アプローチ」を組み合わせた実践的な質問法を、ステップごとに表でまとめました。各ステップで使える質問例を、目的とともに整理しています。
🧠 スプリント×解決志向 質問法一覧表
| ステップ | 目的 | 主な質問(解決志向の視点) | 活用シーン例 |
|---|---|---|---|
| ① 未来を描く(ゴール設定) | 理想の未来・望む変化を言語化する | – 「明日すべてうまくいったとしたら、何が起きていますか?」
– 「何が見えたり、聞こえたり、感じられますか?」 – 「あなたにとって成功とは何ですか?」 |
チーム立ち上げ/プロジェクトキックオフ |
| ② リソースと例外を見つける | すでにある強みや成功要因を活用する | – 「過去に少しでもうまくいったことはありますか?」
– 「そのとき、何が役に立ちましたか?」 – 「小さな成功のサインはどこにありますか?」 |
振り返り/現状分析前 |
| ③ アイデア創出(発散) | 望ましい未来への道筋を広げる | – 「すでに部分的に起きている未来の一部はありますか?」
– 「もし制限がなかったら、どんな解決策が考えられますか?」 – 「このチームなら、何ができると思いますか?」 |
ブレスト/マンダラート活用時 |
| ④ 意思決定(収束) | 未来につながる行動を選ぶ | – 「どのアイデアが一番『前に進める力』を持っていますか?」
– 「いちばん実現可能な第一歩はどれですか?」 – 「この選択がうまくいくとしたら、なぜですか?」 |
投票・選定フェーズ |
| ⑤ 小さな一歩(プロトタイピング・実行) | 実行可能で前進できる行動を明確にする | – 「今日できる最小のステップは何ですか?」
– 「10段階で1つでも進むには、どんな行動が必要ですか?」 – 「次の会議までにやってみたいことは?」 |
行動計画/試作品設計 |
| ⑥ テスト・検証 | 変化や兆しを可視化・実感する | – 「何が変わったと感じましたか?」
– 「どんな反応が見られましたか?」 – 「どの部分に希望を感じましたか?」 |
ユーザーテスト後のフィードバック収集 |
| ⑦ 振り返り・統合 | 学びを次につなげる | – 「今日いちばん役立った発見は何ですか?」
– 「チームとしての強みは何だと思いますか?」 – 「明日から活かせそうなことは?」 |
デブリーフィング/次への橋渡し |
🔑 ポイント
- 解決志向の原則:「過去をほじくらず、未来を描く」「資源に目を向ける」「変化の兆しに気づく」
- スプリント思考の原則:「すばやく仮説検証する」「共創と行動を重視」
まとめ、統合における見込める効果とは?
解決志向とスプリント思考を組み合わせることで、創造的かつ実行可能な変化を、短期間で実現する力が高まる可能性がありそうです。
🚀 解決志向 × スプリント思考の統合による効果
| 観点 | 統合による効果 |
|---|---|
| スピードと柔軟性 | 「すばやく仮説検証」しながら、「変化の兆し」に敏感に反応できる |
| 実行力と希望 | 「未来を描く」ビジョンを持ちつつ、「共創と行動」で具体的な一歩を踏み出せる |
| 資源の活用 | チームや個人の「リソース(強み)」を活かしながら、短期で成果を出す設計ができる |
| 心理的安全性 | 問題を掘り下げず、前向きな対話をベースにすることで、安心して挑戦できる環境が生まれる |
| 学習と改善の循環 | 小さな成功を積み重ねることで、自己効力感が高まり、次の行動へのモチベーションが続く |
この統合は、たとえば以下のような場面で特に効果を発揮します:
- チームビルディング:短期間で信頼関係を築き、共通のゴールに向かって動き出す
- 教育・研修:学習者の強みに焦点を当て、短いサイクルで成果と自信を得る
- 福祉・支援:利用者の希望と資源を活かしながら、現実的な変化を共に創る
- ビジネス開発:仮説検証を繰り返しながら、顧客にとって意味ある価値を素早く届ける
つまり、「希望を描きながら、すぐに動ける」状態をつくるのがこの組み合わせの最大の強みです。
なお、スプリントという表現は、スポーツの世界でも活用されています。
🏃補足:スプリントは、瞬発力・加速力・最大スピードの向上を目的とした短距離走中心のトレーニングスポーツの世界でも活用されています。
スプリントトレーニングは、瞬発力・加速力・最大スピードの向上を目的とした短距離走中心のトレーニングです。以下に、基本的な構成と効果を表にまとめました。
🏃♂️ スプリントトレーニングの基本構成と効果
| 要素 | 内容・例 | 主な効果 |
|---|---|---|
| 筋力トレーニング | スクワット、ジャンプ系、スレッドプッシュなど | 地面を強く蹴る力、加速力の向上 |
| 疾走技術の習得 | スキップ、ハイニー、ドリル(A/Bスキップなど) | 正しいフォーム、効率的な走りの習得 |
| スプリント走 | 30m〜150mの全力疾走(例:80m×3本×2セット) | 最大スピード・加速力の向上 |
| スタート練習 | スタンディングスタート、クラウチングスタート | 初動の爆発力、反応速度の向上 |
| 坂道・抵抗走 | 坂道ダッシュ、パラシュート走、スレッド走など | 加速局面の強化、筋力とフォームの改善 |
| インターバル形式 | 30秒全力+4分休憩 × 4〜6本(SIT:スプリントインターバルトレーニング) | 有酸素・無酸素能力の向上、持久力の強化 |
💡 補足ポイント
- レスト(休憩)時間は非常に重要で、疾走時間の10〜15倍を目安に設定すると効果的です。
- 週2〜3回の頻度で、疲労を溜めすぎないように注意しましょう。
- フォームの質>量:がむしゃらに走るより、正しい姿勢と動作を意識することが大切です。
スプリントトレーニングは、陸上競技だけでなく、サッカーやバスケなどの球技、さらには健康増進やダイエットにも応用できます。
References
Bordin, S. (2022). Design Sprint: Fast Problem-solving through Collaboration. **.
Fernández-Ibáñez, M., López-Vázquez, J., Arce, E., & Suárez-García, A. (2022). Design Sprint: enhancing STEAM and engineering education through agile prototyping and testing ideas. Thinking Skills and Creativity. https://doi.org/10.1016/j.tsc.2022.101039
Kneeland, P., Pell, J., Sieja, A., Markley, K., Redig, B., Lin, C., & Gonzalez, C. (2019). Optimization Sprints: Improving Clinician Satisfaction and Teamwork by Rapidly Reducing Electronic Health Record Burden. Mayo Clinic Proceedings, 94, 793–802. https://doi.org/10.1016/j.mayocp.2018.08.036
Santa‐Maria, T., Baumgartner, R., & Vermeulen, W. (2022). The Circular Sprint: Circular business model innovation through design thinking. Journal of Cleaner Production. https://doi.org/10.1016/j.jclepro.2022.132323
Charoen, D. (2021). Design Thinking And Design Sprint: A Comprehensive Review. **.
Wallenius, L. (2022). DESIGN THINKING SPRINTS IN HIGHER EDUCATION – THREE CASES AND APPROACHES. ICERI2022 Proceedings. https://doi.org/10.21125/iceri.2022.0172
McVay, M., & Jake-Schoffman, D. (2020). Using the Design Sprint process to enhance and accelerate behavioral medicine progress: a case study and guidance.. Translational behavioral medicine. https://doi.org/10.1093/tbm/ibaa100
Noutcha, M., Phan-Ngoc, T., Kieffer, S., & Henreaux, E. (2021). Design Sprints Integrating Agile and Design Thinking: A Case Study in the Automotive Industry. **, 189-195. https://doi.org/10.1007/978-3-030-80012-3_23
Correio, L., & Fleury, A. (2019). Design Sprint versus Design Thinking: A comparative analysis. Revista Gestão da Produção Operações e Sistemas. https://doi.org/10.15675/gepros.v14i5.2365
投稿者プロフィール

- 徳吉陽河(とくよしようが)は、コーチング心理学研究会・コーチング心理学協会の創設者の一人であり、日本・世界のおけるコーチング心理学のパイオニア。コーチング心理士、公認心理師・キャリアコンサルタント、認定心理士(心理調査)、ポジティブ心理療法士、として教育・医療・福祉・産業分野で活動する専門家。東北大学大学院博士後期課程で研究し、国際コーチング心理学会、国際ポジティブ心理学会など、世界で学び、研究を発表。教育プログラム、心理尺度開発なども専門としている。著書に『ポジティブ大全』『科学的に正しい脳を活かす「問いのコツ」 結果を出す人はどんな質問をしているのか?』『ナラティヴ・セラピー BOOK』、『コーチング心理学ガイドブック』『コーチング心理学ハンドブック』などの翻訳書などがあり、科学的なエビデンスと物語(ナラティブ)に基づくコーチングとウェルビーイング教育を推進している。累計4000名のコーチ、カウンセリング実績」(ワークショップを含む)、「累計6000回以上のセミナー実績」以上の実績がある。国土交通省 航空保安大学講師、元東北文化学園大学講師、元仙台医療センター看護学校講師、元若者サポートセンター講師など。教育機関、海外・国外の法人企業などで講師を担当実績がある。学校法人・企業法人・医療法人(リハビリ)など、主に管理職に関わる講師を数多く担当。座右の銘は、「我以外皆我師」、失敗・挫折もたくさんしており、「万事塞翁が馬」大切にしている。「自己肯定感が低いからこそ成長できる」ことを大切にしている。
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