わかりやすい「ビジネスコーチング」の基本がわかる完全ガイド<

 

 

🔰わかりやすい「ビジネスコーチング」の基本がわかる完全ガイド

未来の仕事で役立つ!コミュニケーションスキルの新常識

「ビジネスコーチング」という言葉を聞いたことはありますか?就活や将来の仕事で重要になるこのスキル、実は大学生のうちから身につけておくととても役立ちます。この記事では、ビジネスの世界で注目されているコーチングについて、大学生でもわかりやすく解説します。

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1. ビジネスコーチングとは?

ビジネスコーチングの様子

ビジネスコーチングとは、相手の可能性とやる気を引き出し、自発的な目標達成をサポートするコミュニケーション手法です。アドバイスや指示を与えるのではなく、質問を通して相手自身の答えを見つけ出す手助けをします。

コーチング(coaching)という言葉は、もともと「馬車」を意味する「コーチ(Coach)」から来ています。大切な人や荷物を目的地まで運ぶ意味から、「目標にたどり着けるように支援すること」を指すようになりました。

ビジネスコーチングの本質

「答えを与える」のではなく、「答えを引き出す」ことがコーチングの本質です。これにより相手は自分で考え、行動する力を身につけることができます。

2. コーチングとティーチング・コンサルの違い

コーチングと似た言葉として「ティーチング」や「コンサルティング」がありますが、これらは明確に異なります。

手法 特徴 典型的な言葉
コーチング 質問を通じて相手の答えを引き出し、自発的な行動を促す 「あなたはどう思いますか?」「どんな選択肢がありそうですか?」
ティーチング 知識や経験をもとに教え導く 「このようにやるべきです」「正解はこうです」
コンサルティング 問題の解決策を提供する 「この問題はこう解決すべきです」「最適な方法はこれです」
カウンセリング 悩みや問題の解消を目的とした対話 「なぜそう感じるのですか?」「その気持ちについて話してみませんか」

「ティーチングが正解を先に教えるのに対し、コーチングは正解にたどり着くまでの思考力を鍛えるものです」

3. ビジネスコーチングの基本スキル

コーチングの基本スキル

効果的なコーチングには主に3つの基本スキルが必要です。これらは「コーチングの3大スキル」とも呼ばれています。

1. 傾聴

単に「聞く」のではなく、相手の気持ちになって話に耳を傾けること。相手の言葉の奥にある本当の思いを理解する姿勢が重要です。

  • 最後まで途中で遮らない
  • 適度に相づち、うなずきを入れる
  • 話の要点を短くまとめて繰り返す

2. 質問

相手の思考を促し、気づきを引き出すための質問を投げかけること。「なぜ」ではなく「何」を使った質問が効果的です。

  • 「なぜできないの?」→「何があれば可能?」
  • 限定質問より拡大質問を使う
  • 答えのない質問を投げかける

3. 承認

相手の考えや行動を認め、自信を持って進めるよう励ますこと。具体的な事実や行動を取り上げて評価します。

  • 過去と現在を比較して成長を評価
  • 具体的な事実や行動を取り上げる
  • 「できるようになったね」と励ます

上級者向けスキル:

コーチングの経験を積むと、「フィードバック」と「リクエスト」という2つのスキルも加わり、5つのスキルが揃います。これらを「コーチングの5大スキル」と呼びます。

4. ビジネスコーチングのメリット

ビジネスコーチングのメリット

自分自身の成長

  • 自己肯定感の向上
  • 主体性と責任感の発達
  • 問題解決能力の向上
  • 潜在能力の発見と発揮
  • コミュニケーション能力の向上

組織にとってのメリット

  • チームワークの強化
  • 自発的に行動する社員の増加
  • 組織全体の活性化
  • 新しいアイデア創出の促進
  • 目標達成率の向上

大学生の段階でコーチングスキルを身につけることで、サークル活動やグループ学習での人間関係がスムーズになるだけでなく、将来の就職活動や職場でも大きな武器になります。

5. GROWモデル:コーチングの実践方法

GROWモデル

ビジネスコーチングで最もよく使われる手法に「GROWモデル」があります。これは効果的なコーチングの流れを示す枠組みで、初心者でも実践しやすいのが特徴です。

G: Goal(ゴール)

まずは目標を明確にします。何を達成したいのか、どんな状態になりたいのかを具体的に設定します。

質問例:

  • 「今日の話し合いで何を達成したいですか?」
  • 「理想の結果はどのようなものですか?」
  • 「どのような状態になれば成功だと感じますか?」

R: Reality(現実)

現状を把握します。今どういう状況なのか、何が起きているのかを正確に理解します。

質問例:

  • 「現在の状況を教えてください」
  • 「これまでに何を試しましたか?」
  • 「何が障害になっていますか?」

O: Options(選択肢)

可能な選択肢を探ります。目標達成のために取れる方法や行動を幅広く考えます。

質問例:

  • 「どのような選択肢がありますか?」
  • 「他に考えられる方法はありますか?」
  • 「もし制約がなければ、何ができますか?」

W: Will(意志)

行動計画を立て、実行への意志を確認します。具体的に何をするのか、いつまでにするのかを決めます。

質問例:

  • 「最初にどんな行動を取りますか?」
  • 「いつまでにそれを実行しますか?」
  • 「障害が出てきたらどう対処しますか?」

GROWモデルの優れている点は、シンプルながらも効果的な構造を持っていること。会話の流れがわかりやすく、初心者でも実践しやすいのが特徴です。

6. 大学生活でのコーチング活用法

大学生活でのコーチング

ビジネスコーチングは就職してから役立つだけでなく、大学生活でもすぐに活用できます。

グループ学習での活用

グループワークやゼミでの発表準備など、チームでの活動で他のメンバーの意見を引き出し、より良いアウトプットを生み出せます。

実践例:

「この課題について、あなたはどんなアプローチが良いと思う?」
「その案のメリットは何だと思う?」

サークル活動での活用

リーダーポジションでのメンバーマネジメントや、イベント企画などでチームの力を最大化できます。

実践例:

「次のイベントで何を達成したい?」
「そのために必要なことは何だと思う?」

就職活動での活用

自己分析や志望動機の作成、面接対策など、就活の各フェーズでコーチング思考が役立ちます。

実践例:

「この会社のどんな点に魅力を感じる?」
「自分の強みをどう活かせると思う?」

友人関係での活用

悩みを持つ友人の相談に乗るときにコーチングスキルを活用して、自分で解決策を見つけられるようサポートできます。

実践例:

「その状況をどう変えたい?」
「今できることは何があると思う?」

7. 初心者がやりがちなミス

コーチングを学び始めると、以下のような間違いをしがちです。自分に当てはまるものがないか確認してみましょう。

コーチング初心者のよくある5つの落とし穴

1. アドバイスしすぎてしまう

質問ではなく、すぐに自分の考えや解決策を提案してしまう。

NG例:「それなら、こうすればいいよ」
OK例:「あなたならどう解決できそう?」

2. 浅い質問しかしない

表面的な質問にとどまり、相手の深い考えや本音を引き出せていない。

NG例:「調子はどう?」
OK例:「今の課題で最も挑戦的なことは何?」

3. 傾聴せずに次の質問を考えている

相手の話を真剣に聞かず、次に何を質問しようかと考えてしまう。

NG:相手の話を聞きながら次の質問を考えている
OK:相手の話に完全に集中し、話の内容から次の質問を導き出す

4. 目標設定があいまい

具体的で明確な目標設定ができていない。

NG例:「もっと良くなりたい」
OK例:「3ヶ月後までにTOEICスコアを100点上げたい」

5. 結論を急ぎすぎる

プロセスを楽しまず、すぐに解決策や結論に到達しようとする。

NG:短時間で解決策を出そうとする
OK:相手のペースを尊重し、じっくり考える時間を与える

8. 学習リソース

コーチングの勉強

ビジネスコーチングを学ぶためのリソースはたくさんあります。大学生の皆さんにおすすめの勉強法をいくつか紹介します。

おすすめ書籍

  • 『コーチングの基本』
  • 『質問力を鍛える』
  • 『1分間コーチング』
  • 『コーチングマネジメント』

実践練習

  • 友人同士でコーチング実践
  • サークル活動での活用
  • コーチングサークルへの参加
  • インターンシップでの実践

資格は必要?

コーチングを実践するのに資格は必須ではありません。ただし、本格的にコーチングを学びたいなら、民間の認定資格コースを受講するのも一つの方法です。大学生のうちからコーチングスキルを学び始めることで、就職後にさらに発展させていくことができるでしょう。

9. まとめ

ビジネスコーチングは、単なるビジネススキルではなく、あらゆる人間関係を良好に保つための優れたコミュニケーション手法です。大学生の今から練習を始めることで、将来のキャリアにおいて大きなアドバンテージになるでしょう。

特に重要なのは以下の3点です:

  1. 相手に答えを教えるのではなく、質問を通じて自分で答えを見つけるサポートをする
  2. 傾聴・質問・承認の3つの基本スキルをバランスよく使う
  3. GROWモデルを活用して、効果的な会話の流れを作る

大学時代は自分自身を大きく成長させる貴重な時間です。コーチングのスキルを身につけることで、自己理解を深め、他者との関係をより良くし、将来のキャリアに向けた準備もできます。ぜひこの記事を参考に、コーチングを日々の生活に取り入れてみてください。

あなたもコーチングを始めよう!

友達や先輩・後輩との会話の中で、今日から少しずつコーチングスキルを実践してみませんか?

明日からの大学生活が変わります!

この記事を書いた人

大学キャリアセンター監修。就活アドバイザーとしての経験を活かし、学生向けのキャリア支援コンテンツを多数執筆。ビジネスコーチングの資格保有者。

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投稿者プロフィール

徳吉陽河
徳吉陽河
徳吉陽河(とくよしようが)は、コーチング心理学研究会・コーチング心理学協会の創設者の一人であり、日本・世界のおけるコーチング心理学のパイオニア。コーチング心理士、公認心理師・キャリアコンサルタント、認定心理士(心理調査)、ポジティブ心理療法士、として教育・医療・福祉・産業分野で活動する専門家。東北大学大学院博士後期課程で研究し、国際コーチング心理学会、国際ポジティブ心理学会など、世界で学び、研究を発表。教育プログラム、心理尺度開発なども専門としている。著書に『ポジティブ大全』『科学的に正しい脳を活かす「問いのコツ」 結果を出す人はどんな質問をしているのか?』『ナラティヴ・セラピー BOOK』、『コーチング心理学ガイドブック』『コーチング心理学ハンドブック』などの翻訳書などがあり、科学的なエビデンスと物語(ナラティブ)に基づくコーチングとウェルビーイング教育を推進している。累計4000名のコーチ、カウンセリング実績」(ワークショップを含む)、「累計6000回以上のセミナー実績」以上の実績がある。国土交通省 航空保安大学講師、元東北文化学園大学講師、元仙台医療センター看護学校講師、元若者サポートセンター講師など。教育機関、海外・国外の法人企業などで講師を担当実績がある。学校法人・企業法人・医療法人(リハビリ)など、主に管理職に関わる講師を数多く担当。座右の銘は、「我以外皆我師」、失敗・挫折もたくさんしており、「万事塞翁が馬」大切にしている。「自己肯定感が低いからこそ成長できる」ことを大切にしている。

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