キャリアコーチングとビジネスコーチングの違いとは? コーチング心理学入門 認定資格の取得の参考に

よくお問い合わせがあるキャリアコーチングとビジネスコーチングの違いを、目的やアプローチの観点から比較してまとめました。
| 項目 | ビジネスコーチング | キャリアコーチング |
|---|---|---|
| 主な目的 | 組織やチーム、個人の業務パフォーマンス向上 | 個人のキャリアの方向性や転職・成長支援 |
| 対象者 | 経営者、管理職、リーダー、チーム | 新卒、転職希望者、キャリアに悩む社会人など |
| 焦点 | 組織の目標達成、リーダーシップ、意思決定支援 | 自己理解、キャリア選択、ライフプラン |
| ゴールの設定 | 企業・組織目標に基づいたKPI・成果 | 本人の価値観や希望に基づいたキャリアビジョン |
| セッション内容 | マネジメント課題、戦略実行、業績改善など | キャリアパス設計、強みの明確化、転職相談など |
| 成果の測定方法 | 売上・生産性・従業員満足度などの業績指標 | キャリア満足度、職業適合、転職成功率など |
| 期間と頻度 | 中〜長期(6ヶ月〜1年以上)で月1〜2回が多い | 短期〜中期(数週間〜6ヶ月)で週1〜2回もあり得る |
| 用いられる手法 | GROWモデル、行動分析、フィードバック重視 | キャリアアンカー、ライフライン分析、自己分析など |
| 成果の受益者 | 主にクライアント企業やチーム、部門全体 | 主に本人(クライアント) |
| 活用シーン | 組織改革、人材育成、エグゼクティブ支援など | 転職活動、職務適性確認、自己再発見など |
-
ビジネスコーチングは「組織やリーダーの業績向上」に焦点を当てたコーチング
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キャリアコーチングは「個人の職業人生における選択や満足度」に焦点を当てたコーチング
どちらも「対話を通じた気づき」を重視しますが、目的や対象が異なります。
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キャリアコーチングとキャリアコンサルタントの違い
こちらもよくお問い合わせがありますが、
キャリアコーチングとキャリアコンサルタントの違いについて、以下の表にまとめました。
| 項目 | キャリアコーチング | キャリアコンサルタント |
|---|---|---|
| 目的 | クライアントが自分の目標や方向性を明確にし、達成できるようにサポートする | クライアントのキャリアに関する問題解決やアドバイスを提供する |
| アプローチ | クライアントの自己探求を促進し、自発的な行動を引き出す | 専門的な知識やスキルを活用し、キャリアに関する問題を解決する |
| 手法 | 質問やフィードバックを通じて自己認識を深める、行動計画の策定 | キャリアに関するアドバイス、情報提供、能力診断、評価ツールの使用 |
| 資格・認定 | コーチングに関する訓練を受けることが一般的 | 国家資格(キャリアコンサルタント)を有する場合が多い |
| 職業的な立場 | 支援者としてクライアントとパートナーシップを組む | 専門家として、アドバイザーや相談者の立場に立つ |
| 焦点 | クライアントの成長、自己発見、モチベーション向上に焦点を当てる | 職業選択、転職、キャリアの発展や向上に焦点を当てる |
| 対象者 | 幅広い職業人(学生からシニア層まで) | 主に転職希望者やキャリアに課題を抱える人々 |
| 目標設定 | クライアントが自分自身で目標を設定し、達成に向けてサポートする | クライアントのキャリア目標を専門的に設定し、解決策を提供する |
このように、キャリアコーチングは自己発見や成長を促すプロセスであり、キャリアコンサルタントは具体的なキャリアに関する課題解決や専門的アドバイスを提供します。それぞれのアプローチは異なりますが、どちらもクライアントのキャリアにとって重要な役割を果たします。
より、目標達成、自己認識を高め、主体性、自発的な成長を促すアプローチがコーチングに関わります。
とりわけ、コミュニケーション能力開発、組織開発に関わることがわかります。
キャリアコンサルタントがコーチング心理学を学ぶメリットは?
| メリット | 説明 |
|---|---|
| クライアントの自己認識向上 | コーチング心理学を学ぶことで、クライアントの自己認識を深め、目標達成に向けての意識を高める。 |
| エビデンスに基づくアプローチ | 科学的な心理学理論を元にしたアプローチで、より効果的なサポートが可能になる。 |
| 感情の管理と心理的安全性の向上 | クライアントが自分の感情に気づき、心理的安全性を高めることで、より安心して話し合いができる。 |
| 自己肯定感の向上サポート | コーチング心理学を通じて、クライアントの自己肯定感や自信を高めるための技術を学び、支援できる。 |
| 行動変容の促進 | クライアントが自発的に行動し、持続的に目標を達成するための心理学的アプローチを習得できる。 |
| クライアントのモチベーション向上 | モチベーションを高める心理学的手法を学び、クライアントの目標達成に向けた意欲を引き出せる。 |
| 心理的障壁の克服 | クライアントが抱える心理的な障害やブロックを理解し、それを克服するための方法を学べる。 |
さらに、キャリコーチングの視点でも紹介します。
キャリアコンサルタントがキャリアコーチングを学ぶメリットには、以下の点が挙げられます:
1. クライアント中心のアプローチの強化
キャリアコーチングはクライアントの自己発見を促進し、自己決定を尊重します。このアプローチを学ぶことで、キャリアコンサルタントはクライアントの選択肢を広げ、より主体的に問題解決に取り組む手助けができます。
2. 質問力と聴き方のスキル向上
キャリアコーチングでは、強力な質問技法や深い聴き方が求められます。これにより、キャリアコンサルタントはクライアントが自己の可能性を引き出す手助けができ、アドバイスを提供するのではなく、クライアント自身が答えを見つける過程をサポートできます。
3. 自己成長を促進
コーチングの理論と実践を学ぶことで、キャリアコンサルタント自身の自己認識や自己成長を促進できます。これにより、クライアントに対してより効果的にサポートできるようになり、専門家としてのスキル向上が期待できます。
4. キャリアの選択肢の拡充
キャリアコンサルタントは、アドバイザーとしてキャリアに関する知識を提供しますが、コーチングを学ぶことで、クライアントに対するサポートの幅が広がります。コーチングは目標設定や行動計画のサポートに特化しているため、より実践的な支援が可能となります。
5. モチベーションとコミットメントの向上
キャリアコーチングでは、クライアントが目標に対してコミットメントを持ち、モチベーションを維持する方法に焦点を当てます。このスキルを習得することで、キャリアコンサルタントはクライアントが長期的に目標を達成する手助けを強化できます。
6. 柔軟な支援スタイルの習得
キャリアコンサルタントがコーチングを学ぶことで、アドバイスに偏らず、クライアントの状況に合わせた柔軟な支援方法が提供できるようになります。コーチング技法を取り入れることで、より広範なニーズに対応できるようになります。
7. キャリア発展のサポート
コーチングを通じて、キャリアコンサルタントはクライアントが自身のキャリア発展において具体的なアクションを取るサポートができます。コーチングでは、クライアントが自己の強みを発見し、それを活かす方法を考えるため、より実践的な支援が可能になります。
これらのメリットにより、キャリアコンサルタントはクライアントとの信頼関係を築き、効果的な支援を提供できるようになります。また、コーチングを学ぶことで自身のスキルも向上し、キャリアコンサルタントとしての成長を促進できます。
投稿者プロフィール

- 徳吉陽河(とくよしようが)は、コーチング心理学研究会・コーチング心理学協会の創設者の一人であり、日本・世界のおけるコーチング心理学のパイオニア。コーチング心理士、公認心理師・キャリアコンサルタント、認定心理士(心理調査)、ポジティブ心理療法士、として教育・医療・福祉・産業分野で活動する専門家。東北大学大学院博士後期課程で研究し、国際コーチング心理学会、国際ポジティブ心理学会など、世界で学び、研究を発表。教育プログラム、心理尺度開発なども専門としている。著書に『ポジティブ大全』『科学的に正しい脳を活かす「問いのコツ」 結果を出す人はどんな質問をしているのか?』『ナラティヴ・セラピー BOOK』、『コーチング心理学ガイドブック』『コーチング心理学ハンドブック』などの翻訳書などがあり、科学的なエビデンスと物語(ナラティブ)に基づくコーチングとウェルビーイング教育を推進している。累計4000名のコーチ、カウンセリング実績」(ワークショップを含む)、「累計6000回以上のセミナー実績」以上の実績がある。国土交通省 航空保安大学講師、元東北文化学園大学講師、元仙台医療センター看護学校講師、元若者サポートセンター講師など。教育機関、海外・国外の法人企業などで講師を担当実績がある。学校法人・企業法人・医療法人(リハビリ)など、主に管理職に関わる講師を数多く担当。座右の銘は、「我以外皆我師」、失敗・挫折もたくさんしており、「万事塞翁が馬」大切にしている。「自己肯定感が低いからこそ成長できる」ことを大切にしている。
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