HEXACOモデルパーソナリティモデルを活用したコーチング入門 認定資格取得の参考に
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新版パーソナリティ心理学コーチングでは、ビックファイブと6つのパーソナリティのHEXACOモデルを活用します。
HEXACOモデル(6つのパーソナリティ)を活用したコーチング法は、クライエントの性格特性を理解し、それに合わせた関わり方・成長支援を行うための強力なフレームワークです。ここでは以下の構成で解説します。
🔷1. HEXACOモデルとは?
HEXACOモデルは、性格特性を6つの因子で捉えるビッグファイブの発展版です:

| 因子 | 特徴 |
|---|---|
| H(誠実性) | 誠実、公平、謙虚、利他的 |
| E(情緒性) | 不安、依存、共感、情緒的な結びつき |
| X(外向性) | 社交性、自己主張、エネルギーの高さ |
| A(協調性) | 寛容、温厚、対人関係での円滑さ |
| C(誠実性) | 責任感、勤勉さ、自己制御力 |
| O(開放性) | 創造性、好奇心、美的感受性、柔軟な思考 |
🔷2. HEXACOに基づくコーチングの視点
因子 コーチングでの観察ポイント 有効なアプローチ例
以下のように表にまとめました。
| 因子 | 特徴 | 実践的なアプローチ |
|---|---|---|
| H(誠実性) | 利他的行動や倫理観を大切にする | 価値観探究ワーク、行動の動機の確認 |
| E(情緒性) | 不安や心配への感受性が高い | 安心感を与える傾聴、感情ラベリング |
| X(外向性) | 人前での行動や活発さ | リーダーシップ発揮機会、ネットワーキング支援 |
| A(協調性) | 対立を避ける傾向、柔和さ | アサーティブネスの強化、境界線の設定 |
| C(誠実性) | 継続力や計画性 | SMART目標の設定、自己管理ワーク |
| O(開放性) | 創造性、新しい視点への興味 | ビジョン構築、ブレインストーミング |
🔷3. 実践例:HEXACOを活用したコーチングセッション
✅ 例1:開放性が高く、誠実性が低いクライエント
傾向:アイデア豊富だが実行に課題
アプローチ:
「アイデアを1つだけ選び、期限を決めて試す」フレームを導入
行動の小さな習慣化をサポート(例:「3分ルール」)
✅ 例2:情緒性が高く、外向性が低いクライエント
傾向:内省的で不安も抱えやすい
アプローチ:
感情日記の導入
セルフ・コンパッションの強化(例:「もし友人だったら…?」の問い)
🔷4. HEXACOを活用した質問例(コーチングセッション用)
ワークショップでは具体的に実施していきますが、入門では、以下のように実施できます。
HEXACO因子 コーチング質問例
| 因子 | 質問 |
|---|---|
| H(誠実性) | あなたが「正しいこと」を大事にした経験はありますか? |
| E(情緒性) | 最近、不安になったとき、どんなふうに対処しましたか? |
| X(外向性) | どんなときにエネルギーが湧いてくると感じますか? |
| A(協調性) | 人と意見が違うとき、どのように対応していますか? |
| C(誠実性) | 今、最も達成したい目標は何ですか? どのくらい進んでいますか? |
| O(開放性) | 最近、新しく挑戦してみたことは何ですか? |
🔷5. 活用のステップ
| 手順 | 内容 |
|---|---|
| 性格測定の実施 | HEXACOなどの性格測定を行い、個人の特性を分析 |
| プロフィール分析 | 測定結果をもとに強みと課題を整理 |
| コーチング戦略の立案 | 各因子(誠実性・外向性など)に応じた具体的なアプローチを計画 |
| 目標設定・課題克服支援 | モチベーション強化のための戦略を立て、実行支援 |
| 振り返りとフィードバック | 定期的な評価を行い、自己理解を深める |
🔷6. 応用例:組織やチームへの導入
チームメンバーの性格傾向を把握し、最適な役割配置に活用
リーダーの対人スキル育成(例えば協調性や誠実性への自覚強化)
パフォーマンス面での個別支援計画(例:自己管理能力の向上支援)
投稿者プロフィール

- 徳吉陽河(とくよしようが)は、コーチング心理学研究会・コーチング心理学協会の創設者の一人であり、日本・世界のおけるコーチング心理学のパイオニア。コーチング心理士、公認心理師・キャリアコンサルタント、認定心理士(心理調査)、ポジティブ心理療法士、として教育・医療・福祉・産業分野で活動する専門家。東北大学大学院博士後期課程で研究し、国際コーチング心理学会、国際ポジティブ心理学会など、世界で学び、研究を発表。教育プログラム、心理尺度開発なども専門としている。著書に『ポジティブ大全』『科学的に正しい脳を活かす「問いのコツ」 結果を出す人はどんな質問をしているのか?』『ナラティヴ・セラピー BOOK』、『コーチング心理学ガイドブック』『コーチング心理学ハンドブック』などの翻訳書などがあり、科学的なエビデンスと物語(ナラティブ)に基づくコーチングとウェルビーイング教育を推進している。累計4000名のコーチ、カウンセリング実績」(ワークショップを含む)、「累計6000回以上のセミナー実績」以上の実績がある。国土交通省 航空保安大学講師、元東北文化学園大学講師、元仙台医療センター看護学校講師、元若者サポートセンター講師など。教育機関、海外・国外の法人企業などで講師を担当実績がある。学校法人・企業法人・医療法人(リハビリ)など、主に管理職に関わる講師を数多く担当。座右の銘は、「我以外皆我師」、失敗・挫折もたくさんしており、「万事塞翁が馬」大切にしている。「自己肯定感が低いからこそ成長できる」ことを大切にしている。
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