認知行動療法と認知行動コーチング入門ガイド
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メンタルと行動を科学的に変える。「認知行動コーチング」5つの驚くべき力
「今年こそは新しい習慣を身につけたい」「もっと自信を持って行動できるようになりたい」。私たちは常に自分をより良くしたいと願っています。しかし、目標を立てても三日坊主で終わってしまったり、いざという時にネガティブな考えが頭をよぎって一歩を踏み出せなかったり、そんなもどかしい経験をしたことはないでしょうか。
その壁を乗り越える鍵は、単なる精神論ではなく、科学的なアプローチにあります。もし、目標達成をサポートする「コーチング」と、思考のクセを修正する心理療法「認知行動療法(CBT)」という、二つの強力な手法を組み合わせることができたらどうでしょう。
この統合されたアプローチこそが「認知行動コーチング(CBC)」です。それは、個人の成長に対して、より構造的で科学的な道筋を示してくれます。この記事では、あなたの自己変革を加速させる、認知行動コーチングが持つ5つの驚くべき力をご紹介します。
1. 発見①:単なる対話ではない。心理学を統合した「科学的ハイブリッド」
認知行動コーチング(CBC)と聞くと、モチベーションを高めるための対話術を想像するかもしれません。しかし、その本質はもっと深く、科学的なものです。
CBCは、単一の手法ではなく、様々な心理学分野を統合した「ハイブリッドアプローチ」です。その土台にはコーチング心理学があり、そこに認知心理学、教育心理学、ポジティブ心理学、行動心理学、認知科学、行動分析、そして認知行動療法(CBT)といった領域の知見が組み合わされています。
この多角的な統合により、CBCは単なる自己啓発のテクニックとは一線を画します。自己成長、問題解決、そしてパフォーマンス向上を目指すための、科学的根拠に基づいたパワフルな手法となるのです。
2. 発見②:「内なる声」を意図的に書き換える具体的な技術
私たちの感情や行動は、「自己対話(セルフ・トーク)」、つまり「内なる声」に大きく影響されています。認知行動コーチングは、この内なる声に意識的に介入し、書き換えるための具体的な技術を提供します。
例えば、何か新しい挑戦を前にして「私は何をやっても失敗する」という否定的な声が聞こえてきたとします。これは行動のブレーキとなり、挑戦そのものを諦めさせてしまうかもしれません。
ここで認知行動療法の手法を用い、この思考をより現実的で建設的なものに置き換えます。例えば、次のように考え直すのです。「過去に成功した経験もある。今回の挑戦も最善を尽くせば、良い結果が得られる可能性がある」。この小さな思考の転換が、自己効力感を高め、目標達成に向けた積極的な行動を促す力強い一歩となります。
3. 発見③:曖昧な願望を「達成可能な計画」へと落とし込む
「もっと成長したい」「変わりたい」といった漠然とした願望を、具体的な行動計画に変えるプロセスこそ、認知行動コーチングの真骨頂です。ここではコーチングと認知行動療法が見事に連携します。
まず、コーチングのフレームワークが役立ちます。例えば「SMART」モデル(Specific-具体的、Measurable-測定可能、Achievable-達成可能、Relevant-関連性がある、Time-bound-期限がある)を用いて、「体重を減らす」といった曖昧な目標を「3ヶ月で5キロ減らす」という明確で達成可能な計画へと具体化します。
次に、その計画の達成を妨げる可能性のある、内なる障害物を取り除きます。ここで認知行動療法が活用され、目標達成を阻害する否定的な思考パターンや信念を特定し、克服する手助けをします。この二つのアプローチがどのように連携するのか、その本質を捉えたのが次の言葉です。
コーチングによって得られる深い自己理解は、認知行動療法と組み合わせることで、より具体的な行動変化へとつながる土台を築くことができます。
4. 発見④:効果は実証済み。職場の不安やストレスも軽減する
認知行動コーチングは、個人の目標達成だけでなく、プロフェッショナルな現場や臨床的な場面においても、その有効性が科学的に証明されています。これは単なる理論ではなく、実証されたツールなのです。
海外の研究では、以下のような具体的な効果が報告されています。
- ストレス管理とウェルビーイングの向上: ビデオや電話を通じて行われた認知行動コーチングのプログラムでも、参加者の知覚するストレスが減少し、約61.9%に信頼できる改善が見られたことが示されています。
- 職場での不安と抑うつの軽減: 公務員を対象とした研究では、認知行動コーチングが職場における不安や抑うつを著しく軽減させ、心理的な健康の改善に貢献することが確認されました。
これらの研究結果は、認知行動コーチングが個人の目標達成を支援するだけでなく、要求の厳しい環境で働く人々のメンタルヘルスを改善するための、信頼できる実践的な手法であることを証明しています。
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5. 発見⑤:学び方は意外と身近。「カードゲーム」や「アプリ」も活用
「心理学」や「セラピー」と聞くと、少し専門的で敷居が高いと感じるかもしれません。しかし、認知行動コーチングを学ぶ方法は、驚くほど身近で実践的です。
現代の認知行動コーチングのトレーニングでは、理論をより楽しく、直感的に理解するための工夫が凝らされています。単に講義を聞くだけでなく、参加者が主体的に学べるように設計されたツールが積極的に活用されています。
具体的には、以下のような教材が用いられます。
- ワークシート (Worksheets)
- カード (Cards)
- ゲーム (Games)
- 心理テスト (Psychological Tests)
- ワークアプリ (Work Apps)
このようなアプローチにより、初心者から教育、医療、ビジネスなどの専門家まで、誰もが楽しみながら実践的なスキルを習得できます。認知行動コーチングは、特別な人のためのものではなく、誰もが活用できる開かれた知恵なのです。
認知行動コーチングは、自己成長のための強力で、科学的根拠のあるフレームワークを提供します。目標達成に向けた対話と、思考パターンを書き換える具体的な技術を組み合わせることで、曖昧な願望は達成可能な計画へと変わり、研究で証明されているように、職場のストレスさえも軽減されるのです。このアプローチは、あなたが自分自身の可能性を最大限に引き出すための、新しい扉を開けてくれるでしょう。
あなたがまず最初に見直してみたい「内なる声」は、どんな言葉ですか?
投稿者プロフィール

- 徳吉陽河(とくよしようが)は、コーチング心理学研究会・コーチング心理学協会の創設者の一人であり、日本・世界のおけるコーチング心理学のパイオニア。コーチング心理士、公認心理師・キャリアコンサルタント、認定心理士(心理調査)、ポジティブ心理療法士、として教育・医療・福祉・産業分野で活動する専門家。東北大学大学院博士後期課程で研究し、国際コーチング心理学会、国際ポジティブ心理学会など、世界で学び、研究を発表。教育プログラム、心理尺度開発なども専門としている。著書に『ポジティブ大全』『科学的に正しい脳を活かす「問いのコツ」 結果を出す人はどんな質問をしているのか?』『ナラティヴ・セラピー BOOK』、『コーチング心理学ガイドブック』『コーチング心理学ハンドブック』などの翻訳書などがあり、科学的なエビデンスと物語(ナラティブ)に基づくコーチングとウェルビーイング教育を推進している。累計4000名のコーチ、カウンセリング実績」(ワークショップを含む)、「累計6000回以上のセミナー実績」以上の実績がある。国土交通省 航空保安大学講師、元東北文化学園大学講師、元仙台医療センター看護学校講師、元若者サポートセンター講師など。教育機関、海外・国外の法人企業などで講師を担当実績がある。学校法人・企業法人・医療法人(リハビリ)など、主に管理職に関わる講師を数多く担当。座右の銘は、「我以外皆我師」、失敗・挫折もたくさんしており、「万事塞翁が馬」大切にしている。「自己肯定感が低いからこそ成長できる」ことを大切にしている。
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