発達障害支援コーチング 発達障害が増えている理由とは 認定資格取得の参考に

発達障害支援コーチング

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発達障害が増えている理由とは?

近年、「発達障害と診断される人が増えている」といった話題を耳にする機会が増えています。「なぜこんなに多くなったのか」と疑問に感じている人も少なくありません。

この背景には、医療や教育現場での理解の進展、社会的な認識の変化、そして支援体制の充実など、さまざまな要因が関係しています。

この記事では、発達障害の診断件数が増加している理由や、社会・環境の変化、そして誤解されやすいポイントについて解説します。

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診断件数が増加している現状

発達障害と診断される件数は年々増加しています。たとえば、子どもの例で見ると、注意欠如・多動症(ADHD)により、公立小学校で通級指導を受ける児童数は、令和元年度には20,626人でしたが、令和5年度には34,654人にまで増加しています(文部科学省「令和5年度特別支援教育資料」より)。

この背景には、子どもの特性に対する早期発見の機会が増えたことや、保護者や教育関係者の理解が深まったことがあると考えられます。

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実感として「増えた」という印象

医療機関や学校、福祉施設などの現場からは、「以前より明らかに増えている」という声も聞かれます。しかしこれは、軽度の特性が見逃されにくくなったために、結果として増加しているように感じる面もあるでしょう。

また、保護者の関心や情報収集が活発化したことも、相談件数の増加に影響していると考えられます。


「実数が増えた」のではなく「見つかる数が増えた」可能性

診断件数の増加は、「発達障害の人そのものが増えた」というよりも、「以前は見過ごされていた人が発見されるようになった」ことが大きな要因とされています。

たとえば次のような変化が挙げられます:

  • 診断基準が明確化された

  • 医療技術やアセスメント方法が進化した

その結果、支援を必要とする人が早期に発見され、適切な対応につながるケースが増えてきたのです。


受診や相談の機会の拡大と地域差

教育現場での観察が丁寧になり、医療機関の情報も広く共有されるようになったことで、相談や受診へのハードルは以前よりも低くなりました。

子どもが通う保育園や学校の指摘から、専門機関につながるケースも増えています。気づきが早期化しているのです。

一方で、発達障害に対応できる外来や支援機関の整備には地域差があります。都市部と地方では支援の質や相談機会にばらつきがあり、こうした差異が診断件数に影響している可能性もあります。


増加の背景①:診断技術と認識の変化

発達障害の診断が増えている背景には、医学的な枠組みの変化や、社会的な認識の深化が影響しています。


診断基準の拡張(DSMの改訂など)

発達障害の診断には、「DSM(精神疾患の診断・統計マニュアル)」などが用いられます。近年ではこの診断基準が見直され、以前よりも多様な特性を持つ人が診断の対象となりました。

たとえば、DSM-5では「自閉症スペクトラム障害(ASD)」という概念が導入され、より広範な症状が評価の対象になっています。


特性への理解の深化

発達障害は重度のケースだけではなく、軽度や境界的な状態も含まれます。かつては「性格の問題」や「しつけの問題」として片づけられていた事例が、現在では医療的な観点から理解されるようになりました。

このような理解の変化により、生活に大きな支障がない人でも医療機関を受診するケースが増えています。


気づきの早期化

以前であれば、家庭内で「育てにくい子」として扱われていた場合でも、今では保護者や教育機関が違和感に気づき、専門機関への相談につながるケースが増えています。

インターネットによる情報拡散や、発達障害に関する研究の充実が、このような早期対応を後押ししています。


増加の背景②:社会的・環境的な要因

発達障害の診断数増加には、社会の変化や現代的な生活環境も大きく関係しています。


社会で求められる力の変化

現代では、臨機応変な対応や複数タスクの同時処理といった柔軟なスキルが求められる場面が増えています。これにより、特性が以前よりも目立ちやすくなっています。


家庭・育児環境の変化

核家族化や共働き世帯の増加によって、子どもの行動を細かく見守る時間が減っている家庭もあります。一方で、情報へのアクセスが容易になり、違和感に早く気づいて相談する家庭も増えています。


情報刺激と脳の発達

デジタル機器やインターネットの普及により、現代の子どもは幼い頃から大量の情報刺激を受けています。このような情報環境が脳の発達や感覚処理に影響を及ぼしている可能性も指摘されています。


教育制度とのギャップ

日本の教育現場では、集団行動や協調性が重視されます。しかし、発達障害のある子どもにとっては、こうした枠に適応するのが難しい場合もあります。

そのため、行動面での「違い」が早期に注目され、診断や支援につながる機会が増えているのです。


誤解を避け、正しい理解を持つために

「診断数の増加=障害の増加」ではない

診断件数が増えているのは、見過ごされていた人たちが支援の対象になったという背景があるためです。障害を持つ人の実数が急激に増えたわけではありません。


「発達障害」というラベルの独り歩きに注意

発達障害には多様なタイプと特性があり、その程度も人によって異なります。部分的な行動だけを見て「発達障害だ」と決めつけるのは危険で、差別や偏見につながる恐れもあります。


社会全体で支える意識を

発達障害への理解と支援は、医療や教育の現場だけでなく、社会全体で担っていくべき課題です。誰もが自分らしく暮らせるよう、環境や関わり方を工夫することが求められています。


発達障害を「強み」として活かす支援

発達障害のある人は、苦手な面がある一方で、集中力や独自の視点など、特定分野で強みを発揮することもあります。

支援の目的は「普通」に近づけることではなく、「その人らしさを活かす」こと。柔軟な働き方や多様性を認め合う社会こそ、本人にとっても社会全体にとってもプラスとなるのです。


相談できる場所は?

発達障害に関する悩みや疑問は、以下のような場所で相談できます。

  • 地域の発達障害者支援センター

  • 保健所

  • 精神科・心療内科(理解のある医師のもとで相談可能)

子どもの場合は:

  • 教育センター

  • 学校の特別支援コーディネーター

  • 児童相談所

大人の場合は:

  • 就労移行支援事業所

  • 障害者就業・生活支援センター

  • 若者サポートセンター

投稿者プロフィール

徳吉陽河
徳吉陽河
徳吉陽河(とくよしようが)は、コーチング心理学研究会・コーチング心理学協会の創設者の一人であり、日本・世界のおけるコーチング心理学のパイオニア。コーチング心理士、公認心理師・キャリアコンサルタント、認定心理士(心理調査)、ポジティブ心理療法士、として教育・医療・福祉・産業分野で活動する専門家。東北大学大学院博士後期課程で研究し、国際コーチング心理学会、国際ポジティブ心理学会など、世界で学び、研究を発表。教育プログラム、心理尺度開発なども専門としている。著書に『ポジティブ大全』『科学的に正しい脳を活かす「問いのコツ」 結果を出す人はどんな質問をしているのか?』『ナラティヴ・セラピー BOOK』、『コーチング心理学ガイドブック』『コーチング心理学ハンドブック』などの翻訳書などがあり、科学的なエビデンスと物語(ナラティブ)に基づくコーチングとウェルビーイング教育を推進している。累計4000名のコーチ、カウンセリング実績」(ワークショップを含む)、「累計6000回以上のセミナー実績」以上の実績がある。国土交通省 航空保安大学講師、元東北文化学園大学講師、元仙台医療センター看護学校講師、元若者サポートセンター講師など。教育機関、海外・国外の法人企業などで講師を担当実績がある。学校法人・企業法人・医療法人(リハビリ)など、主に管理職に関わる講師を数多く担当。座右の銘は、「我以外皆我師」、失敗・挫折もたくさんしており、「万事塞翁が馬」大切にしている。「自己肯定感が低いからこそ成長できる」ことを大切にしている。

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