ナラティヴコーチングにおけるリメンバリング ~漫画ワンピースの仲間たちから事例から学ぶ~
リメンバリングとは

「リメンバリング(Re-membering)」は単なる「思い出す」という意味ではなく、より深い意味を持っています。これはナラティヴセラピー・ナラティヴコーチングにおける重要な概念で、「Re-member(再び‐メンバーにする)」という語源からも分かるように、人生の物語の中で重要な役割を果たした人々や経験を「再びメンバーとして迎え入れる」プロセスを意味します。
リメンバリングの本質:
- 自分の人生を「会員制のコミュニティ」のように考え、どの記憶や人々を「メンバー」として招き入れるかを意識的に選ぶ
- 過去の重要な関係性を現在に活かす
- 自分のアイデンティティを形作る物語を主体的に構築する
- 自分の価値観や行動指針の元となる記憶との関係を強化する
- ぞれぞれが持つ役割、強みを活用したコラボレーション
このリメンバリングという概念は、人気漫画「ONE PIECE(ワンピース)」の登場人物たちの物語にも見事に表れています。彼らは皆、自分の過去の重要な人々や経験を「リメンバリング」することで、現在の自分を形作り、困難を乗り越え、成長しています。

麦わらの一味とリメンバリング
ワンピースの主要キャラクターたちは、それぞれ重要な過去の記憶と人間関係を持っています。彼らがどのようにリメンバリングを通して成長したのか、詳しく見ていきましょう。
モンキー・D・ルフィと「赤髪のシャンクス」
ルフィの役割と背景

麦わらの一味の船長。「海賊王になる」という明確な夢を持ち、仲間を信頼し、自由を何より大切にする人物です。
重要な記憶:幼少期に出会った海賊「赤髪のシャンクス」との思い出。特に、シャンクスが海の主から自分を守るために左腕を犠牲にしたシーン、そして別れ際に「麦わら帽子」を預けられ「立派な海賊になったら返しに来い」と約束したこと。
具体的なシーン例:
ルフィがアーロンに対峙するシーンや、エニエス・ロビーでロビンを救うために世界政府に戦いを挑むシーン。これらの困難な状況で、ルフィは無意識的にシャンクスの教えをリメンバリングし、「仲間を大切にする」「自分の信念を曲げない」という行動原理を表現しています。
「俺の仲間を返せ!」
これらのセリフには、シャンクスの「自分の夢を貫き通す強さ」と「仲間を大切にする精神」が色濃く反映されています。
リメンバリングの意義と目的
- アイデンティティの形成: シャンクスの存在は、ルフィの「海賊としての在り方」の基盤となっています
- 行動指針の確立: 「仲間を大切にする」という価値観はシャンクスのリメンバリングから生まれています
- 困難時の精神的支え: 絶望的な状況でも、シャンクスとの約束を思い出すことで前進する力を得ています
ルフィにとってシャンクスの記憶は、単なる過去の思い出ではなく、常に現在の自分の一部として機能しています。これこそが、ナラティヴコーチングにおける「リメンバリング」の本質と言えるでしょう。
ロロノア・ゾロと「クイナ」
ゾロの役割と背景
麦わらの一味の戦闘員、剣士。「世界一の剣豪になる」という夢を持ち、ルフィの右腕として船員を守る役割を果たしています。
重要な記憶:幼馴染のクイナとの約束と彼女の死。道場でのクイナとの修行、そして「二人のうちどちらかが世界一の剣豪になる」という約束をしたこと。しかしクイナが階段から落ちて亡くなった後、その夢を引き継ぐことになります。
具体的なシーン例:
バロックワークスのMr.1との死闘で、ゾロが「呼吸を聞く」ことを悟るシーン。このとき、師匠から教わった「万物の呼吸を聞け」という言葉と、クイナとの約束を同時にリメンバリングしています。
「この傷が癒えるまで、二度と負けん・・・!!」
スリラーバークでも、苦戦の末に新しい技「阿修羅」を編み出しましたが、このときもクイナの記憶と約束が彼の精神的支柱となっていました。
リメンバリングの意義と目的
- 使命感の確立: クイナとの約束は単なる目標を超え、ゾロのアイデンティティの根幹
- 精神的成長: 困難な状況で「クイナならどうするか」という視点を持つことで壁を乗り越える
- 価値観の形成: 「約束は必ず守る」「死ぬまであきらめない」という信念はクイナとの記憶に基づいている
ゾロにとってクイナとの記憶は、「リメンバリング」を通じて彼の剣士としての道を照らし続ける灯火となっています。彼は過去の記憶を「再びメンバーとして迎え入れる」ことで、現在の苦難を乗り越える力を得ているのです。
ナミと「ベルメール」
ナミの役割と背景
麦わらの一味の航海士。天候を読み、航路を決める重要な役割を担っています。「世界地図を描く」という夢を持ち、チームの方向性を示す存在です。
重要な記憶:養母ベルメールとの思い出と、彼女が魚人アーロンに殺された悲しい記憶。特に「家族は血のつながりだけじゃない」というベルメールの教え、みかん畑での生活、そして「村を救うために」アーロン海賊団で働いていた8年間の記憶。
具体的なシーン例:
アーロンパーク編でルフィを信じて自分の腕を刺したシーン。このとき、ナミは自分を信じてくれたベルメールの愛情をリメンバリングし、初めて他者(ルフィ)を完全に信頼する決断をします。
また、ウォーターセブン編で、みんなでゴーイングメリー号に乗って脱出するシーンでも、ベルメールから教わった「家族」の意味を実感し、船を失っても仲間がいることの大切さを悟ります。
リメンバリングの意義と目的
- 価値観の継承: ベルメールの「家族の絆」という教えがナミの行動基準に
- 恐怖の克服: 過去のトラウマを乗り越え、新しい信頼関係を築く力
- 夢の原点: 世界地図を描くという夢は、ベルメールが認めてくれた才能からスタートした
ナミはベルメールの思い出を「リメンバリング」することで、過去のトラウマを乗り越え、新しい「家族」としての麦わらの一味との絆を深めています。彼女の航海士としての自信と、仲間を大切にする心は、このリメンバリングから力を得ているのです。
サンジと「赫足のゼフ」
サンジの役割と背景
麦わらの一味のコック。「オールブルー(全ての海の魚が集まる伝説の海)を見つける」という夢を持ち、仲間の健康と栄養を守る重要な役割を担っています。
重要な記憶:幼少期に遭難船で過ごした85日間と、自分を救うために片足を犠牲にした元海賊「赫足のゼフ」との思い出。海上レストラン「バラティエ」での修行、そして「誰にでも食事を提供する」というゼフの教え。
具体的なシーン例:
空島編でルフィと衝突した際、「食べ物を粗末にするな」とルフィに怒るシーン。このとき、サンジは無人島で餓死しかけた経験と、そんな自分にゼフが食料を与えてくれたことをリメンバリングしています。
また、ホールケーキアイランド編でヴィンスモーク家との再会の際も、実の父ジャッジよりも、自分を育ててくれたゼフを「父親」と認識する場面があります。ここでも、サンジのアイデンティティを支えているのはゼフとのリメンバリングであることが分かります。
リメンバリングの意義と目的
- 料理人としての倫理観: 「食べ物を大切にする」「空腹の人を見捨てない」という信条
- 真の家族の定義: 血のつながりよりも絆を重視する価値観
- 自己犠牲の精神: 仲間のために己を犠牲にする覚悟はゼフから学んだもの
サンジにとってゼフとの記憶は、彼のアイデンティティの核心部分を形成しています。彼はゼフとの記憶を「リメンバリング」することで、料理人としての誇りを持ち続け、「食」を通じて仲間を支え続けるのです。
チョッパーと「ヒルルク医師」
チョッパーの役割と背景
麦わらの一味の船医。「あらゆる病気を治せる医者になる」という夢を持ち、仲間の健康を守る役割を担っています。もともとはトナカイでしたが、ヒトヒトの実を食べて人間の能力を得ました。
重要な記憶:「Dr.ヒルルク」と「Dr.くれは」という二人の医師との思い出。特に詐欺師だったヒルルクが本当の医者になろうとする姿勢、「どんな病も治せる医者になれ」という教え、そして「死ぬのは人が忘れられたときだ」という言葉。
具体的なシーン例:
エニエス・ロビー編でチョッパーが自らの「怪物性」を受け入れて戦うシーン。このとき、「違いを恐れるな」というヒルルクの教えをリメンバリングしています。
「人は忘れられた時に死ぬんだ!」
また、スリラーバーク編でオーズとの戦いで負傷した際に、「医者として仲間を救いたい」という思いが強まり、ヒルルクの「医者の精神」をリメンバリングする場面があります。
リメンバリングの意義と目的
- アイデンティティの再定義: 「怪物」という自己認識から「仲間を救う医者」への変化
- 多様性の受容: 外見や種族の違いを超えた絆の大切さを実感
- 医師としての使命感: ヒルルクのリメンバリングによって強化された医師としての決意
チョッパーにとってヒルルクとの記憶は、「リメンバリング」を通じて自己否定から自己肯定へと変化する契機となりました。「人の役に立ちたい」という彼の医師としての原点は、このリメンバリングによって常に彼の中で生き続けているのです。
ニコ・ロビンと「オハラの学者たち」
ロビンの役割と背景
麦わらの一味の考古学者。「真の歴史の解明」という目標を持ち、ポーネグリフを解読する貴重な能力と知識で、一味の歴史探求を支えています。
重要な記憶:故郷オハラでの学者たちとの生活、特に母サウロ、そしてオハラが「歴史の解読」を理由に政府によって壊滅させられた「バスターコール」の悲劇。20年間「世界の敵」として生き続けた孤独な日々。
具体的なシーン例:
エニエス・ロビー編で、仲間に「生きたい」と叫ぶシーン。このとき、サウロの「誰にでも仲間はいる」という言葉をリメンバリングし、初めて自分の命を大切にしたいと思います。
「私も…生きていたい!!!」
また、魚人島編で子どもたちに歴史を教えるシーン。このとき、オハラの学者たちの「知識は次世代に伝えるべき」という信念をリメンバリングし、教師としての自分を見出しています。
リメンバリングの意義と目的
- トラウマの再解釈: 「世界は敵」から「仲間がいる世界」への認識変化
- 使命の継承: オハラの学者たちの遺志を引き継ぎ、歴史の真実を解明する決意
- 信頼の構築: サウロの教えをリメンバリングすることで、麦わらの一味への信頼を深める
ロビンにとってオハラの記憶は、長年「トラウマ」として彼女を縛っていましたが、麦わらの一味との出会いによって、それが「使命感」へと変化しました。彼女のリメンバリングは、過去の解釈を書き換え、新しい自分を生み出す最も劇的な例と言えるでしょう。
ウソップと「ヤソップ」
ウソップの役割と背景
麦わらの一味の狙撃手。「勇敢な海の戦士になる」という夢を持ち、抜群の射撃の腕前と創意工夫で仲間を支えています。
重要な記憶:幼少期に海に出た父「ヤソップ」の話、母バンキーナとの暮らし、そして母の死後も「海賊が来る」と嘘をついて村を元気づけていた日々。特に「嘘つき」というレッテルと「本当の勇気」を見出す過程。
具体的なシーン例:
アーロンパーク編で、魚人との戦いから逃げ出したものの、再び戻って仲間と共に戦うシーン。このとき、「夢は本物になれる」という自分の言葉と、父ヤソップの勇敢な姿をリメンバリングしています。
また、エニエス・ロビー編でルフィとの決闘後、ソゲキングとしてではなく自分自身として戻るシーン。ここで、「自分は弱いながらも必要とされている」という気づきがあり、麦わらの一味での自分の役割を再確認します。
リメンバリングの意義と目的
- 弱さと向き合う勇気: 父の記憶をリメンバリングすることで、本当の勇気を見出す
- 自己価値の発見: 「嘘つき」というアイデンティティから「仲間に必要とされる狙撃手」への変化
- 理想と現実の統合: ソゲキングという仮面を通して、理想の自分と現実の自分を統合
ウソップにとって父ヤソップの記憶は、憧れと同時に自分の弱さを感じる原因でもありました。しかし、リメンバリングを通じて、彼は「父のような勇敢さ」を自分なりの形で表現することを学び、成長していきました。
フランキーと「トム」
フランキーの役割と背景
麦わらの一味の船大工。「夢の船を作る」という目標を持ち、サウザンド・サニー号のメンテナンスと開発を担当しています。
重要な記憶:師匠の魚人船大工「トム」との思い出。特に「船は作り手の誇りを背負って走るものだ」という教え、「海列車」の設計と建造、そしてトムが「オロジャクソン」を作った罪で処刑されたこと。
具体的なシーン例:
エニエス・ロビー編で、自分の作った武器が政府に悪用されたことへの贖罪として設計図を燃やすシーン。このとき、トムの「船の責任は作り手にある」という教えをリメンバリングしています。
「船は海を自由に旅するためにあるんだ!」
また、スリラーバーク編でサニー号を修理する際も、「船は大切な仲間」というトムの教えをリメンバリングし、最高の船を仲間に提供しようとする姿勢が見られます。
リメンバリングの意義と目的
- 職人としての誇り: トムの「DON!」精神を継承し、自分の仕事に誇りを持つ
- 過去の贖罪: トムの死の間接的原因となった自責の念から、「仲間を守る船を造る」という前向きな使命へ
- 技術と心の調和: 「技術は人を幸せにするためにある」というトムの教えをサニー号に込める
フランキーにとってトムとの記憶は、悲しみと共に大きな学びをもたらしました。彼はトムの教えをリメンバリングすることで、過去の失敗を乗り越え、船大工としての新たな使命を見出したのです。
ブルックと「ルンバー海賊団」
ブルックの役割と背景
麦わらの一味の音楽家。「ラブーンとの再会」という約束を果たすため、50年以上も骸骨の姿で生き続けている不死身の剣士です。
重要な記憶:ルンバー海賊団での日々、特に「喜びも悲しみも分かち合う」という仲間との絆、双子岬でのラブーンとの別れと約束、そして毒に侵された仲間たちとの最期の演奏会。50年間の孤独な漂流生活。
具体的なシーン例:
スリラーバーク編で、影を取り戻すために戦うシーン。このとき、「ラブーンとの約束」をリメンバリングし、再び海に出る決意を固めます。
「約束は守る。それが海賊の誇りだ!」
また、魚人島編で「魂の王」として音楽の力で人々を鼓舞するシーン。ここでは、ルンバー海賊団の「音楽は心をつなぐ」という精神をリメンバリングしています。
リメンバリングの意義と目的
- 約束の継承: 死んだ仲間との約束を守るという強い使命感
- 孤独の克服: 50年の孤独を経て、新しい「家族」を見つける勇気
- 音楽の力: 「音楽は心をつなぐ」というルンバー海賊団の精神を麦わらの一味で実践
ブルックにとってルンバー海賊団の記憶は、50年以上もの孤独を耐え抜く支えとなりました。新たな仲間との出会いによって、過去の記憶がより鮮明に「リメンバリング」され、約束を果たす希望が再び灯ったのです。
ジンベエと「フィッシャー・タイガー」
ジンベエの役割と背景
麦わらの一味の操舵手。元王下七武海で、「人魚と人間の共存」という理想を持ち、海での航海技術と海流の知識で一味を支えています。
重要な記憶:タイヨウの海賊団船長「フィッシャー・タイガー」との思い出と、彼の死。特に「差別の連鎖を断て」という教え、「魚人の解放」への情熱、そしてタイガーが人間からの輸血を拒んで死んだ悲しい結末。
具体的なシーン例:
魚人島編でホーディ・ジョーンズと対峙するシーン。このとき、「憎しみの連鎖を断て」というタイガーの遺志をリメンバリングし、過激派に対して「真の平等」を説きます。
「タイガーの夢は憎しみではなく、理解だったはずだ」
また、マリンフォード頂上戦争でルフィを救出する際にも、「差別の連鎖を断て」というタイガーの遺志と、「魚人と人間の架け橋になれ」というオーティの願いをリメンバリングしています。
リメンバリングの意義と目的
- 平等への信念: タイガーの「差別の連鎖を断て」という教えを実践する
- 和解の架け橋: 人間と魚人の相互理解を促進するという使命感
- 個人の尊厳: 種族や出自ではなく、個人の行動で判断するという価値観
ジンベエにとってタイガーとの記憶は、彼の政治的・社会的信条の基盤となっています。リメンバリングを通じて、彼はタイガーの遺志を継承しながらも、より現実的な共存の道を模索しているのです。
キャラクター間の関係性とリメンバリング

麦わらの一味の各メンバーは、個々の重要な記憶をリメンバリングするだけでなく、互いの関係性を通じても成長しています。
互いの夢の尊重
ルフィを中心に、各メンバーは互いの夢を尊重し、支え合っています。これは、それぞれが過去の重要な人物との約束や教えを「リメンバリング」することで強化されています。例えば、ルフィはゾロの「世界一の剣豪になる」という夢を最初から認め、尊重しています。
共有された危機と思い出
アラバスタ、スカイピア、エニエス・ロビーなど、共に乗り越えた危機は、新たな「リメンバリング」の素材となります。特にメリー号との別れのシーンでは、全員が船との思い出をリメンバリングし、新たな旅立ちへの決意を固めました。
トラウマの克服と仲間の支え
ロビンのオハラのトラウマ、チョッパーの「怪物」としての自己認識、ナミのアーロンの支配…これらのトラウマは、仲間との絆によって新たな意味を与えられます。これは「集合的リメンバリング」と呼べるもので、個人の記憶が仲間との共有によって癒され、強化される過程です。
ナラティヴコーチングの実践:ワンピース式アプローチ
ワンピースの世界観から学ぶ、ナラティヴコーチングのリメンバリング実践方法を考えてみましょう。
1. 「人生のクルー」を意識的に選ぶ
ルフィが仲間を集めるように、あなたの人生に良い影響を与えた人々を意識的に「人生のクルー」として迎え入れましょう。彼らの教えや価値観を現在の自分に活かします。
実践例: 重要な決断をするとき「この人ならどうアドバイスするだろう?」と考える時間を持つ。
2. 「冒険の地図」を描き直す
ナミが航海図を描くように、あなたの過去の経験を新たな視点で意味づけし、人生の物語を書き換えましょう。困難な経験も、成長のチャンスとして再解釈します。
実践例: 過去の失敗や挫折について「この経験から何を学んだか?」という視点で日記を書く。
3. 「内なる声」に耳を傾ける
ゾロがクイナの声を思い出すように、あなたの中にある重要な人々の「声」や「教え」に耳を傾ける時間を定期的に持ちましょう。
実践例: 瞑想の時間を使って、人生で影響を受けた人からもらった言葉を思い出す。
4. 「仲間の宝物」を共有する
麦わらの一味が互いの夢を尊重するように、あなたの周りの人々との間で、大切な記憶や価値観を共有しましょう。
実践例: 家族や友人と「人生で最も影響を受けた人」について話し合う機会を作る。
5. 「海図」を更新する
新たな経験を通じて、以前の理解や解釈を積極的に更新しましょう。ルフィたちが冒険で成長するように、あなたも新たな出会いや経験を通じて自分の物語を豊かにします。
実践例: 年に一度、自分の価値観や目標を見直し、新しい経験を踏まえて更新する。
まとめ:ワンピースとリメンバリングの共通点
ワンピースの物語とナラティヴコーチングにおけるリメンバリングには多くの共通点があります。
人生は継続的に書き換えられる物語
ワンピースでは各キャラクターが、過去の記憶を現在の行動の指針とし、新しい経験によって自分の物語を書き換えていきます。これはまさにナラティヴコーチングの「人生の物語は常に再著述(リオーサリング)されうる」という考えと一致しています。
記憶が現在の自分を形作る
ルフィのシャンクスとの記憶、サンジのゼフとの記憶など、重要な人物との記憶が彼らのアイデンティティの核心部分を形成しています。リメンバリングはこの「過去の重要な関係性を現在に活かす」プロセスそのものです。
困難を乗り越える力の源泉
ワンピースのキャラクターたちが危機に直面したとき、過去の重要な記憶をリメンバリングすることで力を得るように、私たちも人生の困難に直面したとき、重要な記憶や関係性から力を得ることができます。
自分の人生の主人公になる
ルフィが「海賊王になる!」と宣言するように、リメンバリングは自分の人生の主人公として、自分の物語を主体的に生きるプロセスを助けます。ナラティヴコーチングとワンピースは、どちらも「自分の物語は自分で決める」という自己決定の力を重視しています。
最後に
ワンピースの世界で、キャラクターたちが過去の重要な人々との記憶を大切にしながらも、常に前を向いて進んでいくように、私たちも人生の航海において、重要な記憶をリメンバリングしながら自分の道を切り開いていくことができるのです。
“記憶は単なる過去ではなく、未来への道しるべとなる”
投稿者プロフィール

- 徳吉陽河(とくよしようが)は、コーチング心理学研究会・コーチング心理学協会の創設者の一人であり、日本・世界のおけるコーチング心理学のパイオニア。コーチング心理士、公認心理師・キャリアコンサルタント、認定心理士(心理調査)、ポジティブ心理療法士、として教育・医療・福祉・産業分野で活動する専門家。東北大学大学院博士後期課程で研究し、国際コーチング心理学会、国際ポジティブ心理学会など、世界で学び、研究を発表。教育プログラム、心理尺度開発なども専門としている。著書に『ポジティブ大全』『科学的に正しい脳を活かす「問いのコツ」 結果を出す人はどんな質問をしているのか?』『ナラティヴ・セラピー BOOK』、『コーチング心理学ガイドブック』『コーチング心理学ハンドブック』などの翻訳書などがあり、科学的なエビデンスと物語(ナラティブ)に基づくコーチングとウェルビーイング教育を推進している。累計4000名のコーチ、カウンセリング実績」(ワークショップを含む)、「累計6000回以上のセミナー実績」以上の実績がある。国土交通省 航空保安大学講師、元東北文化学園大学講師、元仙台医療センター看護学校講師、元若者サポートセンター講師など。教育機関、海外・国外の法人企業などで講師を担当実績がある。学校法人・企業法人・医療法人(リハビリ)など、主に管理職に関わる講師を数多く担当。座右の銘は、「我以外皆我師」、失敗・挫折もたくさんしており、「万事塞翁が馬」大切にしている。「自己肯定感が低いからこそ成長できる」ことを大切にしている。









