アートインクワイアリー 言葉やアートから強みや可能性を見つける質問法 認定資格取得の参考に

「アート・インクワイアリー(Art Inquiry)」とは、アート(絵・言葉・写真・物語など)を媒介として自己理解や他者理解を深め、強みや可能性に気づく探究的な質問法です。特にコーチングやカウンセリング、教育、組織開発の分野で活用されています。
当協会では、カードゲームを活用したコーチングなどで実施したりしています。主に関連する講座は以下です。
コンテンツ一覧
🌟 アート・インクワイアリーとは何か?
アート・インクワイアリーは、以下の要素を組み合わせたアプローチです:
| 要素 | 説明 |
|---|---|
| アート(Art) | 絵画・写真・オブジェ・詩・音楽など、言葉以外の表現手段を用いる |
| インクワイアリー(Inquiry) | ジャッジのない好奇心と問いかけで、本質を探るプロセス |
| ナラティブ的視点 | 人は物語で意味づけするという前提から、意味を紡ぎ直す |
| ポジティブ心理学的視点 | 強み、レジリエンス、価値観、可能性に焦点を当てる |
🔍 主な活用シーン
- パーソナルコーチング(強みの発見・自己理解)
- キャリア支援(価値観・未来志向の構築)
- チームビルディング(相互理解・関係性強化)
- 教育現場(子どもの自己表現・承認)
- メンタルヘルス(非言語的表現を通じた癒し)
💬 具体的な質問例(アートを用いた問い)
| ステップ | 質問例 | 意図 |
|---|---|---|
| 1. 観察 | 「この作品の中で、あなたが気になる部分はどこですか?」 | 感情や直感の入り口を開く |
| 2. 解釈 | 「その部分は、どんな物語や意味を持っているように見えますか?」 | 無意識の内面を言語化する |
| 3. 内省 | 「それは、あなた自身のどんな強みや価値観と関係していると思いますか?」 | 自己理解とリフレクション |
| 4. 応用 | 「この気づきを、今のあなたの課題や目標にどう活かせそうですか?」 | 行動変容への接続 |
🎨 例:絵を使った対話の流れ
- 絵を一枚提示(例:抽象画や風景)
- 感じたこと・思い出したことを自由に話してもらう
- 話の中から強み・価値観・欲求を拾い出す
- その強みを「いつ・どこで・どう活かすか?」を問う
✨ ポイント
- 正解や分析を求めない(感じたことを大事に)
- 問いかけはオープンに(閉じない、導かない)
- アート=自由な自己投影の媒体
- 自分でも気づかなかった価値・強み・望みに触れやすい
🔧 活用ツール例
- ポストカードアート
- カード
(コーチングで活用できるカード、ストレングス+カード、エニアグラムカード、Points of You®、OHカードなど) - 自作の絵・詩
- 写真アルバム
- スクラップブックやビジョンボード
🎓 アート・インクワイアリーの理論的背景と影響を受けた領域
| 分野/概念 | 主な提唱者・影響 | 概要 |
|---|---|---|
| アート・ベースド・リサーチ(Art-Based Inquiry / Arts-Based Research) | エリオット・アイスナー(Elliot Eisner)、ショーン・マクナイフ(Shaun McNiff)など | 芸術を通して研究や自己探求を行うアプローチ。アートを「知の形式」として捉える |
| エクスプレッシブ・アーツ・セラピー | ショーン・マクナイフ(Shaun McNiff) | アートを通じて心の内面と対話するセラピーの方法論 |
| ナラティブ・アプローチ(Narrative Therapy) | マイケル・ホワイト、デイヴィッド・エプストン | 人生を物語として捉え、再構成していく対話的実践。アートは「語られない物語」の可視化に活用される |
| 対話型アート鑑賞(Visual Thinking Strategies) | フィリップ・イェナウィン(Philip Yenawine)、アビゲイル・ハウゼン(Abigail Housen) | アート作品に対する問いを通じて、観察力・思考力・表現力を育てる教育的手法 |
| Points of You® などのアートベースド・コーチングツール | ユーガル・デュロン & エフラット・シャニ | 写真カードを用いた直感とストーリーテリングによる気づきの促進 |
🌱 「アート・インクワイアリー」という名称の使われ方(実践者)
- 教育・アートセラピー領域での探究活動として、欧米の大学・アート教育者が使用
- コーチングや組織開発の文脈では、「アートを媒介とした探究的対話」として日本でも実践が進んでいる(明確な学会定義はまだ未確立)
✅ 日本での実践例(参考)
- 芸術教育家・アートセラピスト・ファシリテーターによる独自のアート対話手法
- 絵や写真・詩を通じたキャリアカウンセリング、リフレクションワーク
- 「アート思考」や「ビジュアルファシリテーション」との融合的実践
🔍 結論
「アート・インクワイアリー」には一人の明確な創始者はいません。
代わりに、複数の学問分野や実践の交差点に位置しており、教育、心理、アート、ナラティブ、コーチングなどの融合実践から生まれた概念です。
ご希望があれば、これらを踏まえて日本語での紹介資料や研修テキストも作成できます。必要でしたらお知らせください。
アート・インクワイアリー(Art Inquiry)を「強み」への応用
アート・インクワイアリー(Art Inquiry)を「強み」への応用として活用する場合、それは単なる表現活動ではなく、個人やチームの“ポジティブな本質”を可視化し、未来の可能性を引き出す探求プロセスになります。
🎨 強みへの応用ポイント
| ステップ | 応用内容 | 目的・効果 |
|---|---|---|
| 1. 強みの発見(Discovery) | 絵・コラージュ・詩などを通じて「自分らしさが発揮された瞬間」を表現 | 無意識にある強みや価値観を可視化し、言語化するきっかけに |
| 2. 可能性の想像(Dream) | アートで「理想の自分」や「最高のチーム状態」を描く | 強みが最大限に活かされた未来像を創造し、モチベーションを高める |
| 3. 実現の設計(Design) | 描いた未来を実現するための行動や環境をアートで構成 | 強みを活かすための具体的な行動計画や関係性の再設計につながる |
| 4. 継続と共有(Destiny) | アート作品を共有し、対話を通じて共感と行動を促進 | チームや組織での強みの再認識と、協働のエネルギーを生み出す |
このプロセスは、**アプリシエイティブ・インクワイアリー(AI)**の「4Dモデル(Discovery, Dream, Design, Destiny)」と非常に親和性が高く、アートを媒介にすることで、言葉だけでは届かない深層の強みや希望を引き出すことができます。
「カードゲーム」のコーチングにおけるアート・インクワイアリーの活用法
「カードゲーム」のコーチングにおけるアート・インクワイアリーの活用法は、視覚的な刺激(写真・キーワード)を媒介にして、直感・感情・記憶を引き出し、深い自己理解や洞察につなげる手法として体系化されています。これはまさに「アート・インクワイアリー(アートを通した探究)」の実践的応用といえます。
🎨 アート・インクワイアリー的な特徴
| 特徴 | 説明 |
|---|---|
| 写真=視覚的アート | 感情や記憶、価値観を投影するメタファー |
| 問いによる探究 | カードを見ながら自分に問いかけを行う(インクワイアリー) |
| ジャッジのない空間 | カードに「正しい解釈」はなく、個々の意味づけが尊重される |
| ナラティブ・アプローチとの親和性 | 「物語としての自分」に気づく入口になる |
🧠 活用プロセス(アート・インクワイアリーとしての活用)
① カードを「選ぶ/選ばれる」
- 感覚で選ぶ/引かれるカードを取る
- 選んだ理由は後から探っていく(=非言語→言語への変換)
② 観察と感じる
- 「この写真を見て、どんな気持ちになりますか?」
- 「どの部分に目がいきますか?」
③ 言葉とつなげる
- 「このキーワードは今のあなたにどう響きますか?」
- 「写真とキーワードを合わせて見たとき、何が浮かびますか?」
④ 自己とのつながり
- 「これはあなたのどんな価値観や強みと関係していますか?」
- 「このカードは、今のあなたにどんなメッセージを伝えていると思いますか?」
⑤ 行動への応用
- 「この気づきを、日常でどう活かせそうですか?」
- 「このカードを“これからの自分の象徴”とするなら、どんな一歩を踏み出したいですか?」
🛠 活用シーンの例
| シーン | 活用法 |
|---|---|
| 1on1コーチング | 今のテーマをカードで可視化し、無意識の感情を言語化 |
| チームビルディング | 各自がカードを使って自己紹介→相互理解を深める |
| キャリア支援 | 「過去・現在・未来」をカードで表現し、強みと方向性を探る |
| 感情の整理 | モヤモヤした感覚に対して直感でカードを引き、言語と意味を与える |
💬 よく使われるアート・インクワイアリー的な質問
- 「このカードは、あなたのどんな部分を表していますか?」
- 「この写真の中に“あなたの未来”を見るとしたら、どこですか?」
- 「今の課題がこのカードだとしたら、どう感じますか?」
- 「もう1枚カードを選んで、“突破口”を探してみましょう」
✨ 本質的な価値
カードゲームを活用したコーチングの魅力は、「言葉にできないことを、アートを通して探る=アート・インクワイアリーそのもの」であることです。
それにより…
- 🧩 無意識のリソースや感情に気づける
- 🧭 自分らしい意味づけを育てられる
- 🎯 行動のモチベーションが内側から湧いてくる
以下は、アート・インクワイアリー × カードゲームを活用したコーチングについて、自己理解・強み発見のためのワークショップ構成案(約90~120分)です。
個人向け・チーム向けどちらでも応用可能です。
🎨 アート・インクワイアリー × コーチングに関わるカードゲーム
ワークショップ構成案(所要時間:90~120分)
🧭【目的】
- 写真と言葉を媒介に、自己の内面と対話する
- 強み・価値観・可能性への気づきを深める
- 意味のある行動や意図を見出す
🪑【準備物】
- カード型コーチングゲーム(ストレングスカウンセラー ストレングス+カードなど)
- 書き込み用ワークシート(またはノート)
- 大きめのテーブル or 個別スペース
- ポストイット/マーカーなど
🕒 タイムテーブル構成
| 時間 | 内容 | 目的・備考 |
|---|---|---|
| 0:00〜0:10 | ① オープニング・チェックイン | ・テーマ共有・「今日はどんな時間にしたいか?」など簡単な導入対話 |
| 0:10〜0:25 | ② 自分の現在地を可視化 | ●問い例:「今の自分の状態を1枚のカードで表すと?」→カードを直感で選び、ペア or グループでシェア |
| 0:25〜0:50 | ③ アート・インクワイアリー(探究) | ●問いを深める:・この写真のどこに目がいきましたか?・どんな感情・記憶が呼び起こされましたか?・このカードにあなたのどんな価値観が表れていますか? |
| 0:50〜1:10 | ④ 強み・可能性を言語化 | ●問い例:・このカードから見える、あなたの強みは?・この強みを最近どこで活かしましたか?・これからどう活かせそうですか? |
| 1:10〜1:25 | ⑤ 意図と行動の設定 | ●問い例:・このカードが今のあなたに伝えたいことは?・これからの一歩を言葉にするなら?・未来の自分に贈るタイトル(または一言メッセージ)をつけるとしたら? |
| 1:25〜1:30 | ⑥ クロージング・振り返り | ・一言シェア(例:「今の気持ちをカードで表すと?」)・気づきのメモ、未来の行動宣言など |
🧠 活用する問い(例)
| フェーズ | 主な問い例 |
|---|---|
| 観察 | 「どこに惹かれましたか?」「最初に感じたことは?」 |
| 意味づけ | 「この写真は、あなたのどんな部分とつながっていますか?」 |
| 強み発見 | 「このカードから読み取れるあなたの強みは?」 |
| 行動転換 | 「この気づきを明日からどう活かせますか?」 |
📄 ワークシート構成案(印刷用)
| セクション | 書き込み欄 |
|---|---|
| ①選んだカード(貼付 or タイトル記入) | □______________ |
| ②気になったポイント | □______________ |
| ③感情・連想したこと | □______________ |
| ④このカードが示す私の強みは? | □______________ |
| ⑤未来の行動・意図 | □______________ |
| ⑥一言メッセージ | □______________ |
🎁 オプションで追加できる要素
- 🎨 自分でイラストやコラージュを描き足す時間
- 💬 他者のカードと共鳴した感想共有
- 🪞「過去・現在・未来」の3枚引きワーク
- 📸 撮影+振り返りシェア(ポスターにして展示など)
💡 このワークショップの価値
- 非言語的なアプローチで「思いもよらない気づき」が得られる
- 認知・感情・身体感覚を統合して自己理解が深まる
- 自分らしい「意味づけ」を経て行動に変化が生まれる
投稿者プロフィール

- 徳吉陽河(とくよしようが)は、コーチング心理学研究会・コーチング心理学協会の創設者の一人であり、日本・世界のおけるコーチング心理学のパイオニア。コーチング心理士、公認心理師・キャリアコンサルタント、認定心理士(心理調査)、ポジティブ心理療法士、として教育・医療・福祉・産業分野で活動する専門家。東北大学大学院博士後期課程で研究し、国際コーチング心理学会、国際ポジティブ心理学会など、世界で学び、研究を発表。教育プログラム、心理尺度開発なども専門としている。著書に『ポジティブ大全』『科学的に正しい脳を活かす「問いのコツ」 結果を出す人はどんな質問をしているのか?』『ナラティヴ・セラピー BOOK』、『コーチング心理学ガイドブック』『コーチング心理学ハンドブック』などの翻訳書などがあり、科学的なエビデンスと物語(ナラティブ)に基づくコーチングとウェルビーイング教育を推進している。累計4000名のコーチ、カウンセリング実績」(ワークショップを含む)、「累計6000回以上のセミナー実績」以上の実績がある。国土交通省 航空保安大学講師、元東北文化学園大学講師、元仙台医療センター看護学校講師、元若者サポートセンター講師など。教育機関、海外・国外の法人企業などで講師を担当実績がある。学校法人・企業法人・医療法人(リハビリ)など、主に管理職に関わる講師を数多く担当。座右の銘は、「我以外皆我師」、失敗・挫折もたくさんしており、「万事塞翁が馬」大切にしている。「自己肯定感が低いからこそ成長できる」ことを大切にしている。
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