AI時代だからこそ見直される「聴く力」

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AI時代だからこそ見直される「聴く力」。コーチングとカウンセリングが導く真の繋がりとは?
AI(人工知能)の進化は目覚ましく、私たちの生活や仕事はますます便利に、効率的になっています。膨大なデータを瞬時に分析し、パターンを認識し、最適解を提示してくれるAIは、現代社会において強力な「ツール」です。
しかし、すべてがデジタル化され、効率化されていく中で、私たちは何か大切なものを見失ってはいないでしょうか?
冒頭のインフォグラフィックが示すように、今は**「AIにはないそれぞれのストーリーを聴くことが重要な時代」**なのです。
この記事では、AI時代における「人間の独自性」と、それを最大限に活かすためのコーチングとカウンセリングの重要性について、インフォグラフィックを紐解きながら解説します。
AIの得意分野、人間の独自領域
インフォグラフィックの左側をご覧ください。「AIの能力」として、データ処理やパターン認識が挙げられています。AIは、過去の膨大な情報から傾向を分析し、要約したり、一般的な「最適解」を導き出したりすることに長けています。ビジネスの効率化や単純作業の自動化において、AIはかけがえのないパートナーとなるでしょう。
一方で、右側には「人間が持つストーリー」が描かれています。一人ひとりが持つユニークな経験、複雑な感情、背景にある苦悩や喜び。これらは、データ化して画一的に処理できるものではありません。
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なぜその選択をしたのか?
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その時、本当はどう感じていたのか?
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これまでの人生で何を大切にしてきたのか?
こうした個別の文脈(コンテキスト)や感情の深みは、現在のAIには生成できない、人間だけの独自領域です。「効率化・一般化は得意だが、個別の文脈や感情の深みはない」という指摘は、まさにこの点を突いています。
「聴くことの力」が架け橋になる
情報があふれ、誰もが忙しい現代社会では、効率を求めるあまり、相手の(あるいは自分自身の)深い部分にある「ストーリー」に耳を傾ける時間が失われがちです。
しかし、インフォグラフィック中央の「聴くことの力」が示すように、「共感と深い理解」こそが、人と人との間に真の繋がりを生む架け橋となります。
ここで重要な役割を果たすのが、プロフェッショナルな「聴く」技術を持つ、カウンセリングとコーチングです。
1. カウンセリング:心の深淵にあるストーリーを受容する
カウンセリングは、主にクライアントの抱える悩みや苦しみ、過去の経験に焦点を当てます。
カウンセラーは、AIのようにデータを分析して「こうすべきだ」と指示することはありません。評価や批判を一切せず、クライアントが語る痛みに寄り添い、その感情をそのまま受け止めます(受容と共感)。
「誰にも言えなかった辛さを、ただ聴いてもらえた」という体験は、張り詰めていた心を解きほぐし、深い安心感をもたらします。自分自身のストーリーを否定せずに受け入れてもらうことで、クライアントは自己受容を深め、次の一歩を踏み出すための心理的な基盤を取り戻していくのです。
2. コーチング:未来へのストーリーを共に紡ぐ
一方、コーチングは主に、現在から未来に焦点を当て、クライアントの成長や目標達成を支援します。
コーチもまた、AIのように一般的な「正解」を教える存在ではありません。「答えはクライアント自身の中にある」という前提に立ち、強力な問いかけ(質問)を通じて、クライアント自身が気づいていない可能性や、本当に大切にしたい価値観を引き出します。
AIが出す「統計的な最適解」ではなく、「あなた自身のストーリーに基づいた、納得感のある答え」を見つけるプロセス。それがコーチングです。自分の内側から湧き出た目標だからこそ、人は主体的に行動を変容させていくことができます。
まとめ:AIはツール、人間は共感
AIがどんなに進化しても、私たちの心の痛みを感じ取って共に涙したり、個別の人生経験に基づいた夢を心から応援したりすることはできません。
インフォグラフィックの結びにあるように、「AIはツール、人間は共感」です。
AIに任せられることは任せつつ、人間ならではの「聴く力」「共感する力」を大切にすること。そして、コーチングやカウンセリングといった対話の場を通じて、お互いのユニークなストーリーに深く耳を傾け合うこと。
それこそが、孤独や分断が懸念される現代において、私たちが真の繋がりを築き、精神的に豊かに生きていくための鍵となるのではないでしょうか。
投稿者プロフィール

- 徳吉陽河(とくよしようが)は、コーチング心理学研究会・コーチング心理学協会の創設者の一人であり、日本・世界のおけるコーチング心理学のパイオニア。コーチング心理士、公認心理師・キャリアコンサルタント、認定心理士(心理調査)、ポジティブ心理療法士、として教育・医療・福祉・産業分野で活動する専門家。東北大学大学院博士後期課程で研究し、国際コーチング心理学会、国際ポジティブ心理学会など、世界で学び、研究を発表。教育プログラム、心理尺度開発なども専門としている。著書に『ポジティブ大全』『科学的に正しい脳を活かす「問いのコツ」 結果を出す人はどんな質問をしているのか?』『ナラティヴ・セラピー BOOK』、『コーチング心理学ガイドブック』『コーチング心理学ハンドブック』などの翻訳書などがあり、科学的なエビデンスと物語(ナラティブ)に基づくコーチングとウェルビーイング教育を推進している。累計4000名のコーチ、カウンセリング実績」(ワークショップを含む)、「累計6000回以上のセミナー実績」以上の実績がある。国土交通省 航空保安大学講師、元東北文化学園大学講師、元仙台医療センター看護学校講師、元若者サポートセンター講師など。教育機関、海外・国外の法人企業などで講師を担当実績がある。学校法人・企業法人・医療法人(リハビリ)など、主に管理職に関わる講師を数多く担当。座右の銘は、「我以外皆我師」、失敗・挫折もたくさんしており、「万事塞翁が馬」大切にしている。「自己肯定感が低いからこそ成長できる」ことを大切にしている。
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